気まぐれ日記
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2005年02月25日(金) そろそろ終盤に近づきました。

 やっと、この書きにくい話から開放されると思うと、ちょっと淋しい気がするのは、私という人間はわがままなんすねー。


 それから二人の縄をほどいて、二人を起こす。
 「あら、あなた……」
 「父さん」
 「さ、帰ろう」
 拓馬は、言葉少なかった。二人も何も話さなかった。それでも三人は歩いていた。家に帰るために。
 「いろいろ聞きたいことがあるだろうが、今はもう寝よう。疲れただろう」
 「そうね。洋、今日はもう寝なさい。ゲームなんかやっちゃダメよ」
 「うん、そうする」
 洋は素直に従った。彼も、そうしたかったのだ。
 「私も休ませて。なんだか疲れちゃった」
 「ああ、お休み」
 「お休みなさい、あなた」
 拓馬は事務所に入ってロッカーを開けた。その奥には古いアルバムがある。とある高校の卒業アルバムだ。それを開くと、まだ無精ひげも生えていない若い自分がいる。その横には、にっこりと笑うおとなしそうな子がいる。
 「三井の奴、なんでまた……」
 彼はそれをそのまま机に置いた。そして、自分も床についた。

 「ねえ、これ本当に昨日の人?」
 洋は疑いの目を向けている。昨日拓馬が見た写真を洋が見ていた。
 「ああ、それが三井だよ。ほら、個人写真の名前もそうだろ」
 「でも、あなた、男子校だったでしょ?」
 と、道子。
 「だから、俺もよくわからん。でも奴は三井紅葉だ。面影はあった」
 「でも、あの人、自分は三井もみじだって」
 「こうようとも読むだろ、もみじは」
 それでも洋は納得いかなかった。拓馬は続けた。
 「あいつは。昔からよくわからない奴だった。ガラの悪い先輩らに目をつけられても、平気な顔していた。放課後に呼び出された時に、ちょっといってくると言って、その後平然と戻ってきた。私にはよくなついていたな。まあ、それも深い意味はないと思っていたが……」
 そして、あるとき紅葉は拓馬に言った。
 「仲間にならないか?」と。
 拓馬は、その時から探偵になりたいと思っていた。だから断った。その時の紅葉の顔は、悲しみと憎悪が混じったようなものだった。思えば、始まりはその時だったのかもしれない。


草うららか |MAIL

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