気まぐれ日記
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三月いっぴからまた新しく何か始めたいなあ、と。
それからというもの、紅葉は卒業するまで何も話さなかった。卒業時、一言、「覚えておけ」という言葉を拓馬に告げた。 それが、今頃になって挨拶代わりに家族を誘拐するような人物になっていたのは拓馬にも考えられなかった。 「また、あの人来るのかな?」 「もう、やめて欲しいわ。あんな辛いのは嫌よ」 と、道子。我慢も限界きていたらしい。 「な、なにかされたのか?」 「ええ、あれは拷問だったわ」 洋は拓馬に耳打ちした。理由がわかった彼は苦笑いを浮かべる。 電話が鳴った。拓馬はすぐにとる。 「はい、柘植探偵事務所」 警察署からだった。誘拐と聞いては気になっていたようで無事を聞き安心したようだった。それから、 「実は、署に今朝ファックスが来まして……」 三井紅葉からだった。 文面は『いつか、国を揺るがすような事件を起こしてやる』と、言うものだった。 電話を切ると、拓馬はタバコに火をつけた。 「ねえ、父さん。結局あの人は、男? 女?」 「さあな。あいつなら女でも男子校にもぐりこんだだろうし、男でもおかしくない。私にも結局わからん」 「話は、終りね。朝ごはんにしましょ」 道子はそう言って立ち上がった。
数日後、越田水穂を殺害した犯人が見つかった。 犯人は山口一だった。 山口は金を返す当てがなく、結局水穂と口論となり殺害。 ちなみに参考になった資料は、洋が作った調査結果だった。 今のところ、三井紅葉は動きを見せていない。彼(彼女?)が動いたとき、柘植探偵事務所が活躍する、かもしれない。
終わり
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