気まぐれ日記
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2005年02月11日(金) バレンタインデー

 菓子会社の戦略。でも、メリーのチェリーボンボン、すっげーうまいので、自宅用に買っちまった。お酒の弱い方は遠慮した方がいいですが。


 「父さん、この犬、どうする?」
 「ふーん、今夜はとりあえずうちに泊めるか」
 拓馬は犬を抱き上げた。一応抵抗はするものの小型なために意味がない。
 「かわいいワンちゃんね。捨て犬かしら?」
 「だったら保健所に連れて行かないとな」
 「でも、殺されちゃうんだろ?」
 「すぐには殺されないだろ……」
 犬の行く末を思うと皆、黙った。しばらくした後、道子は夕飯の支度をすることにした。冷蔵庫のありものを片付けると、夕飯はすぐに出来上がった。犬にはご飯をやった。
 「ご飯でいいの?」
 「いいのよ。変なものを食べさせるよりは、ね」
 洋は、ご飯を一生懸命に食べる犬を見ていた。不思議なものを見るように。
 「あ、そうだ」
 拓馬はビールを一口飲んで気がついた。
 「どうしたの、あなた?」
 「京子さんの不倫相手が決まったぞ」

 翌日、マンションに問い合わせると、条件が合えばペットはOKだった。後は京子が承諾すれば万事OKだ。
 「へえ、不倫を勧めるねえ」
 と、洋。学校へ向かうところだった。
 「まあ、相手は犬だからな」
 「でも、この犬だって出所不明だし。もしかして迷子かもしれないじゃん」
 「それはもう、手を打っている」
 拓馬は今朝、保健所に連絡を入れていた。今のところ、この犬の捜索願いは出されていないようだった。
 「京子さんが気に入ってもらえればの話だが」
 拓馬は犬を連れてマンションへ行くと、京子は困ったような顔をした。
 「どうしたんですか? この犬?」
 「実は、あなたの相手役にどうかと思いまして」
 「でも、私、犬は飼ったことがなくて。はっきり申しますと苦手でして……」
 「あ、そうですか……」
 「でも、ペットがいれば淋しくないですよね。ありがとうございます。私、前から飼いたいものがあったんです」
 「へえ。犬は苦手ですから、猫ですか?」
 「猫はアレルギーなんです。実は爬虫類が好きで……イグアナなんかを。ほら、マンションでも飼いやすいし、主人も好きなんです」
 「はあ、そうですか」
 アイデア料として気持ちだけの料金を胸に、拓馬は犬を連れて家路に着いた。
 「お前、しばらくうちにいるか?」
 犬の短い尻尾が左右にゆれた。


草うららか |MAIL

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