気まぐれ日記
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エラー起こして、全部消えちゃったよ。
京子が、お盆にお茶と羊羹を乗せて戻ってきた。 「甘いものは大丈夫ですか?」 「ええ、いただきます」 拓馬は、甘いものに目がない。特に、チョコレートをつまみにブランディーをやるのが好きだった。そんなところにも道子は惚れたのだ。 お茶と皿に盛った羊羹を拓馬に差し出すと、ややして口を開いた。 「罪の意識はあります。でも、淋しいんです。一人で過ごすのがとても。一時期は、習い事とかいろいろやりましたが、ダメでした。夜が来るのが辛くて」 「だからといって不倫に走らなくても……」 「そうですよね」 「でも、お話はわかりました。何か方法を考えましょう」 拓馬は、爪楊枝で羊羹をさして口に入れた。そこに熱い茶をすする。彼はそれが好きだった。 「それと、今夜は私のうちへ泊まりに来ませんか? 家内と息子がいるので淋しいことはありませんよ」 「せっかくですけど、今夜はうちにいたいの。主人が電話をかけてくる日だから」 「そうですか、では都合の良い日にでもどうぞ」 「ありがとうございます。すいません、わがままを言ってしまって」 「いえいえ、普通の不倫調査よりは楽ですから」 と、言いつつ彼は「はて、どうするか」と考えていた。
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