気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2005年02月08日(火) 改めて

 変な話だなあ……。


 焼きそばを食べ終わり後片付けすると、彼は依頼人の話を聞くことにした。何しろ、浮気がしたいから相手を探せっていう内容なのだから。
 「おい、洋。どうした?」
 「依頼人とこいってくる」
 「なんでだ?」
 「だって、浮気相手を探すんだぜ。好みとかも聞かなきゃ」
 「はあ?」
 洋から依頼書を取り上げ、拓馬は眼を通した。何度もうなずいて、彼はいった。
 「教育上よろしくない。これは私が引き受ける」
 「何を今更」
 こうして、洋はノルマを一つ取り上げられた。

 拓馬は依頼人の家に行った。
 「こんにちは、柘植探偵事務所です」
 京子の家はマンションの一室。三十代前半の美人であった。
 「あら、探偵屋さん。今日は何か?」
 「ええ、実はあなたの依頼に取り掛かろうと思ったのですが、具体的なことがお聞きしたくて伺いました」
 「あら、そう。そういえば、そうよね。どうぞ、あがってください」
 「お邪魔します」
 リビングに通されて、座布団が用意された。
 「どうぞ、お座りになって。今お茶をお持ちします」
 「お構いなく」
 こぎれいに掃除されている部屋だった。子供はいないらしい。子供がいたのなら、このきれいさを保てないだろう。
 「京子さんは、不倫相手をお探しで?」
 「はい。夫は単身赴任で……」
 ありがちなパターンだ、と拓馬は思った。
 「毎日が淋しいんです。子供がいればまだいいのでしょうけど……」
 「私どもは、探偵なので深くは追求できません。奥さんに罪の意識がなければ、探して来ます」
 「……」
 京子は黙って立ち上がった。湯が沸いているのでお茶を持ってくるのであろう。


草うららか |MAIL

My追加