気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
はキムチ鍋となりおいしくいただきました。カキも火が通って安全にいただきました。
「お兄さん、こんなところで寝ちゃ、風邪引くよ」 おばさんがゆすり起こした。ブロードはぼんやりと起き上がった。うとうとしていたようだった。おいしそうなにおいが部屋に漂っている。 「ごはんだよ。たくさん召し上がれ」 「どうも」 「誰かと食事するのは、何年ぶりだろうねえ」 彼は見たことない料理を食べた。とてもおいしかった。だが、記憶はどんどん忘れていくような気がしてならず、食べたものがどこにいったのかわからなかった。 「もう、いいのかい? もっとお食べ」 「す、すいません」 気づくと手が止まっていた。せっかく作ってもらったのに、と彼は思ったが食欲は湧かなかった。このおばさんにすまない気持ちになった。 「それとも、お疲れなのかい?」 「そうですね。ずっと歩いてきたから」 疲れていたのは本当だった。その疲れから自分が人間だと実感できた。筋肉を使っての疲れ、肉体的な疲れだ。 「じゃあ、ふとんをしくよ。食べ終わったら隣の部屋に来なさい」 おばさんは、そう言って隣の部屋に入っていった。 もう少し食べてから彼は言われたとおり、隣の部屋に入った。部屋の真ん中に布団が敷かれてあった。 「さ、お休み」 「あの、なんで俺にこんなによくしてくれるんだ?」 先ほどの街では、考えられないほどだった。 「あんたを見ていると、息子を思い出すんだよ」 と、おばさんはそう言うだけだった。 「ありがとう、おばさん。お休み」 「ああ、お休み」 布団に入ると自然に眼は閉じた。そのまますとんと眠りに落ちた。
|