気まぐれ日記
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2004年12月14日(火) 三省堂書店

 が、地元に開店。期待して行ったら欲しい本はなかった。でも、専門書とかは、多そうだなあ。

 
 赤ん坊は母に返され、ゼデューはやっと神殿から出られることになった。
 「お世話になりました。皆様には本当によくしてもらいまして」
 「あなたは我々の同胞です。もし、また近くに来たら、立ち寄ってください」
 「ありがとうございました」
 神殿が見えなくなるまでゼデューは振り返らなかった。

 彼は当てもなく歩く。もとよりどこに行けば良いのかわからないのだから当たり前なのだが。とにかく、町を目指せば宿もあるし、食事も出来る。仕事にありつくことも出来るだろう。そう、ぼんやり考えていた彼の前に馬車が止まった。
 「君は、あの神殿の者かな?」
 馬車の窓から、男が聞いた。
 「いいえ。僕は旅のものです。あの神殿では足止めをさせられました」
 「そうか。では、乗りなさい」
 「はあ?」
 「君を足止めさせてしまったお詫びだ。一晩招待させてもらうよ」
 馬車に乗ると、あの母親が赤子を抱いて乗っている。そして男は、儀式中急に入ってきたお偉いさん、であることがわかった。
 「!?」
 「驚いたようだね。当たり前だと思うけど」
 「これも作戦だったのよ」
 と、母親。
 「作戦?」
 「ああ、悪魔祓いなどばかげた儀式をやめさせるね。この赤ん坊は借りてきた子なんだ」
 「借りてきた?」
 「ああ、生まれたばかりの子が必要だったからね。悪魔祓いをするとき、おとなしかっただろ? それは神殿側が睡眠薬を飲ませて眠らせたんだ。そんで、儀式が少しでも失敗すれば天に送るといって殺す。それをやめさせるために一芝居打ったんだ」
 と、男はうれしそうに言う。
 「この子はちゃんと本当のお母さんにお返ししますから、ご心配なく。おとなしい子ですから、薬もそんなに飲ませなかったみたいだから、身体の影響もないでしょう」
 「妻には怪我をさせてしまったが、おかげで効果はあったようだ」
 男は満足げに言う。
 ゼデューは複雑な気持ちだった。正直、怒りが芽生えていた。しかし、それをあらわにしなかった。婦人の腕には自分が眠っている。
 「ちょっと、いいですか?」
 ゼデューは自分を抱き上げた。よく見ると、自分ではなかった。
 「この子は?」
 「この子の本当の名は、フェーシー。女の子よ」
 「……」
 ゼデューはほっとしたような、がっかりしたような。やっぱり複雑な気持ちになった。

      ゼデューの章 了   


草うららか |MAIL

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