気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
書かなければ。 続きです。
「もう、逃げられはせん。お前たちの命をいただくよ」 青白い顔の魔族は笑みを浮かべている。 「あなたが魔族? なんであたしたちの命が欲しいわけ?」 ブルーアが威勢良く尋ねた。虚勢かもしれないが。 「そんなの、僕が魔族だからに決まってるじゃないか。僕はね、命を糧にする魔族なんだよ」 「だからって、そう簡単に俺たちが命をやると思うか?」 「人間と魔族、どっちが有利なものか分かるよね」 ブルーアが魔族のわき腹を深々と刺していた。いつ、動いたのかも分からなかったが、それは無駄だった。 「ね、魔族って有利でしょ?」 刺さったかと思われた剣はするりと抜けた。魔族の腹には何も残っていなかった。 「人間は僕たちを傷つけることすらできない」 甲板を打つ雨水が集まり、水の蔓となって二人を襲った。ブルーアが悲鳴を上げる。水に囚われ身動きできなくなった。 「ありゃ? なんで二人しかかからない? はーん。そうか。あんた、アンデッドなんだ」 グオン一人が自由の身でいるのを、魔族はにやりと笑って見た。 「それが、どうした?」 「知ってるよ。人間ごときが蘇生の魔法を使って失敗したんだ。笑い話もいいところだ」 そして、ロージュのそばに寄る。 「この赤い髪、見覚えがあるよ。そうだ、その蘇生の魔法を使ったのもこんな赤い髪をしてたな……」 ロージュをまじまじと見つめて、 「お前、似てるな、あの人間の子孫か?」 「……」 「そうだな、お前の爺さんに当たるかな? 殺したのは、この僕だよ」
|