気まぐれ日記
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2004年11月13日(土) 不調続き

 頭痛がします……。多分、脳みそが熱で固まっているんでしょう。たんぱく質は熱で変化して、元に戻りませんから、きっと元に戻んないでしょう。脳みそって、たんぱく質でしたっけ? (馬鹿だ……自分が)

 「何馬鹿なこと言ってんだよ」
 ロージュはがたりと立ち上がりイスを倒した。
 「私は、真面目に言っている。さ、行くぞ」
 「な、そんなことしてみろ、父上が……」
 「ナエスタ王妃から許可は得ている。それだけの準備もしている。あとは行動だけだ」
 「最初から、俺を連れ出すつもりだったんだな」
 「そうだ。しかし、お前のようなのも珍しい」
 べグゼッドは抜け出しの天才だった。いつの間にか城からいなくなっていることが多々あった。それが、帰ってくると機嫌が良いのですぐに分かった。イーリスも同じだ。しかもいつ出たのかもいつ帰ってきたかも分からない。その辺はたちが悪い。
 ともかく、この城に生まれた子供は、皆、城からの脱出を図っていた。グオンの知る範囲では。
 裏門はすんなり開いた。彼はロージュを引いて城から出した。
 「わかったよ。散歩がてらつきやってやる。今回だけだし少しの間だけだからな」
 「素直じゃない」
 「……行くぞ」
 街は静かだった。商店が並ぶ通りも買い物客もまばらですいている。それでも、ロージュはものめずらしそうに見ていた。
 「あれ、りんごだよな」
 「それがどうした?」
 「あんなふうに売っているのか」
 露店に積んであるリンゴを指して彼は言った。
 「……」
 彼は立ち止まり黙ってしまった。
 「これだけあればつりが来るだろ。買ってくればいい」
 グオンが小銭を数枚渡した。恥ずかしそうに受け取ると、彼はその小銭を珍しそうに見る。
 「……ありがと」

 紙袋に詰め込まれたリンゴを抱きながら彼は、街の見物を続けた。手荷物となったリンゴ袋からグオンに一個渡した。二個は自分で食べたが、まだ五つは中に入っている。
 「こんなに買えるとは思わなかった」
 「値段を見なかったのか?」 
 「どこに書いているのかわかんなかった」
 「じゃあ、個数を言えばいい」
 「なんか、いえなかった」
 何をするのも胸がいっぱいだった。
 「そのうち、どんどん言えるようになる」
 「ところで、グオン。あの人は何をしているんだ?」
 ロージュが指差すのは舗装された地面だった。その上に人がうつぶせになっていた。
 「行き倒れだろうな」
 「行き倒れ?」
 ロージュはグオンが止める前に、その人のそばへ駆け寄った。


草うららか |MAIL

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