気まぐれ日記
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頭痛がします……。多分、脳みそが熱で固まっているんでしょう。たんぱく質は熱で変化して、元に戻りませんから、きっと元に戻んないでしょう。脳みそって、たんぱく質でしたっけ? (馬鹿だ……自分が)
「何馬鹿なこと言ってんだよ」 ロージュはがたりと立ち上がりイスを倒した。 「私は、真面目に言っている。さ、行くぞ」 「な、そんなことしてみろ、父上が……」 「ナエスタ王妃から許可は得ている。それだけの準備もしている。あとは行動だけだ」 「最初から、俺を連れ出すつもりだったんだな」 「そうだ。しかし、お前のようなのも珍しい」 べグゼッドは抜け出しの天才だった。いつの間にか城からいなくなっていることが多々あった。それが、帰ってくると機嫌が良いのですぐに分かった。イーリスも同じだ。しかもいつ出たのかもいつ帰ってきたかも分からない。その辺はたちが悪い。 ともかく、この城に生まれた子供は、皆、城からの脱出を図っていた。グオンの知る範囲では。 裏門はすんなり開いた。彼はロージュを引いて城から出した。 「わかったよ。散歩がてらつきやってやる。今回だけだし少しの間だけだからな」 「素直じゃない」 「……行くぞ」 街は静かだった。商店が並ぶ通りも買い物客もまばらですいている。それでも、ロージュはものめずらしそうに見ていた。 「あれ、りんごだよな」 「それがどうした?」 「あんなふうに売っているのか」 露店に積んであるリンゴを指して彼は言った。 「……」 彼は立ち止まり黙ってしまった。 「これだけあればつりが来るだろ。買ってくればいい」 グオンが小銭を数枚渡した。恥ずかしそうに受け取ると、彼はその小銭を珍しそうに見る。 「……ありがと」
紙袋に詰め込まれたリンゴを抱きながら彼は、街の見物を続けた。手荷物となったリンゴ袋からグオンに一個渡した。二個は自分で食べたが、まだ五つは中に入っている。 「こんなに買えるとは思わなかった」 「値段を見なかったのか?」 「どこに書いているのかわかんなかった」 「じゃあ、個数を言えばいい」 「なんか、いえなかった」 何をするのも胸がいっぱいだった。 「そのうち、どんどん言えるようになる」 「ところで、グオン。あの人は何をしているんだ?」 ロージュが指差すのは舗装された地面だった。その上に人がうつぶせになっていた。 「行き倒れだろうな」 「行き倒れ?」 ロージュはグオンが止める前に、その人のそばへ駆け寄った。
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