気まぐれ日記
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書きはじめってことで、日曜でも続き書きます。(ネタがないから)
翌日、酒場を訪れた。そこは異様な風景が広がっていた。 「な、なんじゃ、こりゃ!」 昨日の騒動がそのまま固まっていた。誰かが誰かを押しのけ、踏みつけ、我先に争う様子。悲鳴を上げているようなウェイトレスのおばさん。騒動に目を丸くした店主。それらが、一つの作品のように固まっている。 「時間が流れていない」 ルイがきっぱりと言った。 「こんなこと……。時妖精とか時女神にしか出来ないんだけど……それにしてもこんな長くは止めていないわ」 「じゃあ、どうなっておるのだ?」 「とにかく、戻して……」 「それ、無理」 と、店の奥から声がした。三人が顔を見合わせた。 「よ、おひさ」 「ブロードじゃねえか」 「久しぶりだのう」 「元気そうね」 短い言葉で挨拶を済ませ、すぐに本題に入る。 「で、無理って言うのは?」 「おいおい、せっかくの再会なのに、そっけねえの」 「そういう場合じゃないでしょ?」 ブロードはしぶしぶと説明する。説明と言うほどではない。彼も原因まではわからないからだ。 「ここまで来る時に、妖精に好かれたんだ」 彼には妖精を魅了させる能力がある。すべての妖精がそうなると言うわけではないが、彼を好いた妖精が彼に着いてくるという。そんな能力を持つものを、妖精使いという。 「時妖精だったんだ。これが。イプル」 呼ばれて出てきたのは、少女の姿をした妖精だった。きちんとした着物のような服を着ているて、おかっぱ頭をしている。 「あら、かわいい」 「お呼びですか? マスター」 「皆に挨拶してくれ」 「はーい、イプルです。よろしくお願いします」 「じゃ、また、呼ぶから」 「うん、じゃあねマスター」 イプルが消えていく。 「つまり、時妖精では戻せないことなのだな」 「そういうこった」 「だから、ここは女神じゃねえと無理なのか?」 「でも、女神だったらこんなのすぐ直すと思うんだけど……」 それが、されない理由はすぐに分かった。そこに、説明するものが現れたからだ。 「お久しぶりです。皆さん」 「やっぱり、おめえがこういうそう異常取締り係なんだろ? そのわりに遅いじゃねえか」 魔王はブロードの言うことを無視して、続ける。 「時女神が誘拐されました。そのため、時間による異常が発生しています。運命神と話し合った結果、その時間の被害をすべてあなた方にぶつけることにしました」 魔王はこの言いづらいことを早口で言った。 「どういうことだ、魔王?」 ブロードが抗議する。無理もない。被害は自分たちにかかるのだから。 「あなた方が適任だと、言うことです。ここはもう影響があるのでどうしようもないですけど」 「具体的に何が起こるのだ? 時間が止まるほかに?」 と、アニム。 「時間の進行、逆行、またはパラレルワールドに飛ばされるとか。いろいろあります」 「わかった。して、報酬は?」 「考えておきます。悪いようにしません」 「おしっ」 「いいのかよ、アニム? それほど財布の中身がまずいのか?」 「まずい」 バルクの問いにアニムは即答した。 「了承ありがとうございます。それにしても、あなたたちは運がいいです。この中にいたら一緒に止まっていましたね」 「止まってたほうが良かったかもな」 と、バルクは止まった騒動の様子を横目で見る。 「それと、あなた方のほかにもその被害を受けてくれる方々がいます。僕たちはなるべく早く、時女神を助けますので」 と、言って魔王は消えた。
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