気まぐれ日記
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2004年09月18日(土) もの書き失格

 セリナのこと、すっかり忘れてました。


 ロビーはがらんとしていた。すべてのドールが、ビルを出て行った。
 美紗は急いで、最上階に戻った。
 「なんてこと……」
 社長が座り込んでいた。夏目をなじっていたが、当の本人は眠ったままだ。
 「自業自得って、こういうことなのね」
 母の腕を押さえると、力なく下ろす。
 「十真様、やっと見つけた」
 エレベータが開いたかと思うと、そこからセリナが現れた。うれしそうに夏目に駆け寄った。
 「セリナ……?」
 夏目は目を覚ます。あまり状況は把握し切れていない。
 「夏目さん、大丈夫?」
 「美紗さん?……頭が痛い」
 「今、森君が着てくれると思うけれど」
 「? 先生が?」
 セリナが横で頭をさすってくれる。痛いといったからだ。
 「あの、美紗さん。何が、あったんですか? ドールがたくさん出て行きましたけど……」
 「あなたたちの女王様は、かなりおてんばだったのね」
 「?」
 美紗はため息をついた。あらかた話を聞いた夏目とセリナは驚いた。
 「じゃあ、この会社のドールは……」
 「もう、一体も残ってないそうよ」
 「みんな、どこへいっちゃったんでしょう?」
 「そうね、わからないわ」

 この、スティック社のドール脱走騒動は、大きくニュースに取り上げられた。社長はどこへ出ても平謝りだったが、原因だけは不明に終わった。説明できるものはいないだろう。そして、日に日に事件への関心は薄れていった。たまに、ゴミ捨て場で数体が発見された、うちに来て自分のドールとなった、などの情報が流される。ただ、スティック社は解散となった。


草うららか |MAIL

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