気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
うちが、いいですね。やっぱり。
「話だけだぞって釘を刺されたわ。脱出には力にはなれない。ごめんなさい」 美紗は、ぺこりと頭を下げた。 「美紗さんが悪いわけじゃないでしょ」 「それもそうね」 夏目は、ベッドに腰をかけた。やわらかく良く沈む。こういうベッドには寝ないほうがいい。 「何か、されなかった?」 「おもてなしは受けているよ。つれてこられた時は乱暴だったけど」 「そう、良かった。他に乱暴なことはされてないようね」 「良くない。セリナのことは心配だし……おとなしく捕まってきたのは悔しい」 美紗は夏目の隣に座った。 「美紗さん、森先生から俺のことどれくらい聞いてますか?」 夏目の急な質問に美紗は、聞き返しかけた。 「どのくらい? ……ほとんど聞いてないわ。彼は医者だから患者のことはあまり話さない。けれど、最近になってよくあなたの話がでるわ。と、言ってもドールのことだけど」 「セリナのこと?」 「たぶん、私が一番興味あると思うことを話していると思うわ」 「……そう」 夏目は、異様なものを感じて急速に眠りに落ちた。 「夏目さん?」 美紗が不思議に思ったらすぐにそれを異常と判断する。 「夏目さん! 夏目さん!」 揺さぶったが目を覚まさない。更に眠りが深くなっている気がする。 「やっと、おとなしくなったようだな」 男が入ってきた。美紗が夏目をかばうように立ち上がった。 「すまないが、社長命令だ。そこをどいてくれ」 「社長命令ですって? 彼女をどうするつもり?」 「さあな。ちょっとやそっとじゃ起きないようにしろと言われただけだからな。朝飯にたっぷりと薬を混ぜただけだ」 「……なんてこと! 彼女は医者にかかっているくらいだから、そんなの飲ませたらどうなるのか、わからないのよ!」 そうだ、森君に連絡しないと……。 「知らねえよ、そんなこと」 「彼女が死んだら、意味ないのよ!」 死んだら、なんて言葉を使うのは嫌だ、と彼女は思った。夏目は死んだように眠っている。 「社長が聞いたら、どう思うかしらね」 「……じゃ、どうしろってんだ?」 「今、やらしいこと考えなかった?」 「何言ってんだ!」 「とにかく、彼女の担当医師を呼ぶわ」 「……まあ、いい勝手にしろ」
|