気まぐれ日記
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この間の東京旅行で古本屋で見つけた「アリスのティーパーティ」という本。妹がアリス好きなんでお土産に買っていった。内容は、「不思議の国のアリス」の英語でなければ分からないギャグの内容を日本語で分かりやすく説明している……解説書みたいな感じです。
「殿方は車で待っていてくださいませ」 美紗は夏目とセリナを連れてマンションに入っていった。三十分ほどして、三人は車に戻った。 「へえ、美紗さんにしては普通だね」 「私にしては、何? 夏目さん、嫌がるから普通のしか着せられなかったのよ」 夏目はスーツのような服を着せられている。下はタイトスカートだった。恥ずかしいのか、そっぽを見ている。 「お化粧もあまりさせてくれなくて……はあ、私の腕がダメなのかしら」 「いえ、美紗さんの腕が悪いのじゃないですよ。彼女にとっては経験のなきことですから」 「セリナさんはきれいになりましたのに」 「まあ、とにかく続きは食べながらしましょう」
夏目には未踏の地だった。そこは高級料理店だった。日本食というが、夏目にとってははじめてみるものばかりだった。 「これ、生……」 「夏目君、気にせずに食べなさい」 森は軽くたしなめるように言った。何をどう、箸をつけていいのかわからない。 (まぐろって、昔でも高級魚だって聞いたけど。まさか本物の刺身が食べられるとは思わなかった) 「あの、話って、何?」 「ああ、そうだったね。君に協力してもらいたい」 「いやだ」 尾崎の言葉に夏目は即答する。 「身もふたもないな、君は」 「尾崎さんの頼み方がいけないんですわ」 美紗がからかうように言った。 「そういえば、この人は?」 「ああ、紹介が遅れたね。この人は私たち一年先輩だった美紗さんだよ。彼女は優秀なドール開発者なんだよ」 「……クイーンの?」 「いいえ、私はスティック社の。まあ、小さな会社ですけれど。それにしても夏目さん。そのドールは素晴らしいわ。もしかして、開発者は井上さん?」 「あたりです。どうして分かったんですか?」 セリナがうれしそうに言う。 「そうねえ、彼の作品は素晴らしいからね。男性ながら繊細に出来ているから」 「セリナは確かに井上さんが開発したドールですけど……」 「ええ、森先生から聞きましたわ。私も見えますから」 美紗はにっこりと笑って言った。
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