気まぐれ日記
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「キューブ2」と「ルパン三世」(テレビ版・第二期) 休みのうちに見る予定。 ただそれだけ。
「そういえば、井村さん。この会社に入ったんですね」 セリナを運動場に送り、三人は社内の喫茶室に入った。そこでインスタントコーヒーが出される。夏目にとっては薄すぎるが、礼を言って飲んだ。 「そうなんだ。まさか社長が承諾してくれるとは思わなかった」 「ま、俺のテクもまんざらじゃないってことだろ?」 井村は自慢げに話す。半分は冗談なのだが。 「それに、コンゴウは何か企んでいるようだし」 「企んでいる?」 夏目が聞き返す。 「表向き、あのクイーン社に吸収されるとなっているらしいけど、コンゴウだってむざむざ吸収されるような会社じゃない。きっと何かある」 「クイーンの方で、何か知らない?」 「さあてね。だいたいセリナそっくりのドールを作ること自体がおかしいんだ」 井村は、少し複雑な表情をする。井上ほどの情熱ではないが、自分が製作したドールに対してのプライドが許せないのだろう。 「あのドールは、自分でも許せないんだ。コピーを作るのならまだしも、技術はここの方が上だから……。全く顔は同じだけど、夏目さんには一目で偽物とわかったんだ」 「あのドールは、どうしたんだ?」 「ああ、俺のドールにした。アヤカ」 アヤカと呼ばれたドールがこちらにやってくる。 「お呼びですか? マスター」 セリナそっくりだったドールは、がらりと雰囲気を変えていた。セリナよりも年上で少し色っぽい。しかし大人しめなところは一緒だった。 「こちらは夏目さん。セリナのマスターだ」 「初めまして、アヤカと申します」 「初めまして」 夏目も挨拶を返す。そして、間近でアヤカを良く見て驚く。 「顔はあまり変えてないんだ。少し大人にしただけだよ。俺はこっちの方が好み」 井村はにやにやして言った。 「我々は、依頼者の好みも取り入れるからね」 井上も苦笑いをした。その笑いには、何度も泣いた姿が思い浮かべられる。夏目はあえて聞かなかったが。 「さて、夏目さん。そろそろセリナのテストが終わるよ」 井上の声がけで、夏目はカップに残ったコーヒーを飲み干して、立ち上がった。
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