気まぐれ日記
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2004年06月23日(水) 内職

 で、ゲームその他が出来ず、母上の二時間ドラマに付き合った。月曜日は「やとわれ女将」 火曜日は「六月の花嫁」 今日は「心理捜査官」……。 ここで問題です、殺人が起こらなかったのはどれでしょう? 

 ハバネロ。世界一辛い唐辛子。「暴君ハバネロ」に母上がはまった。酒飲みなんで辛いものは好きである。(その上甘いものもいける)飽きるのは時間の問題だが、ハウス食品ではそのハバネロをつかったレトルトカレーなんかを出している(出す予定?)だそうだ。

 ドアの先には男が一人、いらっしゃいませと声をかけた。
 「なにか、お探しですか?」
 「ああ」
 彼はつかつかと店の奥へ入る。続いてロイタスとルヴィアも。
 「困ります。お客さん。この先は関係者以外の方は……」
 「いるんだろ?」
 鋭い眼が男を貫く。男がひるむ。
 「ドラゴンの子供を返してもらおうじゃない?」
 「……ひっ!」
 ルヴィアが男に軽く蹴りを入れる。それでも、効き目はあったようだ。奥には大きな檻に入れられた子供ドラゴンがいる。子供でもヴィニーほどの体長がある。
 「ギネビアの子だね」
 彼らに気づき、ギーギーと鳴いた。子供ドラゴンの足元には淡く光る小さな球が転がっている。
 「可哀想に。今ギネビアのところに送ってやるよ」
 ルヴィアが檻をこじ開けようとする。
 「大事な金づるに何をする!」
 そんな怒鳴る声がして、ルヴィアは首の後ろに軽い衝撃を感じた。ナイフの刃が折れたのだ。
 「!?」
 さすがに驚いたらしく男が戸惑う。店先にいた男ではなく、もっとガラの悪そうな男だった。
 「あいにくですが、私たちにはこのようなものは役に立ちませんね」
 ロイタスが冷たく言う。
 「あたしはこの子を届けてくる」
 「頼んだ、ルヴィア」
 檻から救出した子供ドラゴンを彼女は外へ連れ出した。
 「さて、どうしたものか……」
 彼は、まだ驚いている男の顔を見た。
 「何故、子供ドラゴンを盗んだ?」
 「そ、それは……」
 「セルヴェス、これですよ。きっと」
 ロイタスが転がっていた光る球を拾って見せる。
 「涙だな」
 「これを宝石として売っていたんですよ」
 「……? 何故だ?」
 「我々の理解を超えているんです」
 「だって、きれいじゃないか! 自ら光る球だぜ?」
 「だから、どうした?」
 彼らにはやはり理解できない。
 「子供の涙は三日もすると崩れてしまうんですよ」
 と、ロイタス。
 「な、何?」
 人間が欲しがる理由は分からないが、とにかく欲しがっていることがわかった。だから、ロイタスは続ける。
 「誰かにこれを売ったのであれば、大変ですね。文句を言いに来るかもしれません」
 「そんな!」
 男が駆け出して机の中から箱を取り出す。箱の中はいびつな透明の小さな塊があるだけだった。
 「子供ドラゴンを泣かせて涙を売っていたんですね」
 「……」
 彼は、複雑な表情でしばらく黙っていた。そして、出よう、とロイタスに声をかけた。


草うららか |MAIL

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