気まぐれ日記
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で、ゲームその他が出来ず、母上の二時間ドラマに付き合った。月曜日は「やとわれ女将」 火曜日は「六月の花嫁」 今日は「心理捜査官」……。 ここで問題です、殺人が起こらなかったのはどれでしょう?
ハバネロ。世界一辛い唐辛子。「暴君ハバネロ」に母上がはまった。酒飲みなんで辛いものは好きである。(その上甘いものもいける)飽きるのは時間の問題だが、ハウス食品ではそのハバネロをつかったレトルトカレーなんかを出している(出す予定?)だそうだ。
ドアの先には男が一人、いらっしゃいませと声をかけた。 「なにか、お探しですか?」 「ああ」 彼はつかつかと店の奥へ入る。続いてロイタスとルヴィアも。 「困ります。お客さん。この先は関係者以外の方は……」 「いるんだろ?」 鋭い眼が男を貫く。男がひるむ。 「ドラゴンの子供を返してもらおうじゃない?」 「……ひっ!」 ルヴィアが男に軽く蹴りを入れる。それでも、効き目はあったようだ。奥には大きな檻に入れられた子供ドラゴンがいる。子供でもヴィニーほどの体長がある。 「ギネビアの子だね」 彼らに気づき、ギーギーと鳴いた。子供ドラゴンの足元には淡く光る小さな球が転がっている。 「可哀想に。今ギネビアのところに送ってやるよ」 ルヴィアが檻をこじ開けようとする。 「大事な金づるに何をする!」 そんな怒鳴る声がして、ルヴィアは首の後ろに軽い衝撃を感じた。ナイフの刃が折れたのだ。 「!?」 さすがに驚いたらしく男が戸惑う。店先にいた男ではなく、もっとガラの悪そうな男だった。 「あいにくですが、私たちにはこのようなものは役に立ちませんね」 ロイタスが冷たく言う。 「あたしはこの子を届けてくる」 「頼んだ、ルヴィア」 檻から救出した子供ドラゴンを彼女は外へ連れ出した。 「さて、どうしたものか……」 彼は、まだ驚いている男の顔を見た。 「何故、子供ドラゴンを盗んだ?」 「そ、それは……」 「セルヴェス、これですよ。きっと」 ロイタスが転がっていた光る球を拾って見せる。 「涙だな」 「これを宝石として売っていたんですよ」 「……? 何故だ?」 「我々の理解を超えているんです」 「だって、きれいじゃないか! 自ら光る球だぜ?」 「だから、どうした?」 彼らにはやはり理解できない。 「子供の涙は三日もすると崩れてしまうんですよ」 と、ロイタス。 「な、何?」 人間が欲しがる理由は分からないが、とにかく欲しがっていることがわかった。だから、ロイタスは続ける。 「誰かにこれを売ったのであれば、大変ですね。文句を言いに来るかもしれません」 「そんな!」 男が駆け出して机の中から箱を取り出す。箱の中はいびつな透明の小さな塊があるだけだった。 「子供ドラゴンを泣かせて涙を売っていたんですね」 「……」 彼は、複雑な表情でしばらく黙っていた。そして、出よう、とロイタスに声をかけた。
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