気まぐれ日記
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おばあちゃんの形見分け。作った人のプロフィールを見たら、生まれた日が一緒だった。ちょっと運命を感じた。(いや、それだけのことなんだけどね。一応、366分の1の確率?)
王宮の一般公開は無料で入れるため、観光客が多い。イベントがない日はほとんど公開している。優雅な作りは彼を魅了させるのに十分だった。 「こんな細かい彫り物ができるのか」 「お金があるからできるんだよ」 ヴィニーが冷たく言う。彼にとってはあまり面白いものではないらしく、少し不機嫌だった。 「だけど、これを彫る人は、どんな気持ちで彫るのでしょうか?」 「さあね」 ヴィニーのそっけない返事にロイタスは、仕方がなく黙った。ヴィニーよりは、ドラゴンの方が芸術作品に興味があるようだった。彼らには縁がなかった世界だから。 一つ一つ、回廊に等間隔で並ぶ、複雑な模様が入った花瓶や彫刻を眺めてはため息をついた。その内、絵画の並んだ回廊に入り、それもまた一つ一つをもの珍しそうに見て回る。王宮内は美術館のようだった。 「ねえ、中庭も見てこようよ。なんか、イベントがやっているんだって」 中庭では兵士たちが練習試合の時間だといって、やはり観光客に公開していた。観戦は無料だが、賭けをする場合は当たり前だがお金がかかる。 「見事ですね。人間はああやって武器を使い、自分の強さをアピールする」 「うん。だけど……あれでは獣人たちにすら勝てんだろう」 獣人は厚く硬い毛皮を持ち、剣の刃は通らない。すばやいし、力も強い。人間が武器を持って挑んだところで、犬死するのがおちである。幸い、この辺には獣人はあまりいないのだが。 「ねえ、なんだか難しい話になってない?」 もっと、試合を楽しむことをヴィニーは教えた。戦いあって何が楽しい、と彼は聞いた。 「自分が痛いのはいやだけどね。自分もそれを見て参考にするんだ」 「参考?」 「僕も、一応自衛団に入っていたから」 「自衛団?」 「うん。あんな小さなとこでもあるんだよ。もっとも出動するのは畑泥棒が現れた時だけど」 「へえ……」 彼はヴィニーの話に感心したらしい。どの辺に関心を寄せたのかわからないが。 「それよりも、どっちが勝つと思う? やっぱりあの大きい方かな?」 ヴィニーが指したのは、大きな斧を持った巨人のような男だった。 「さあ、もしかすると華奢な方かも知れませんね」 ロイタスは相手側の細身の男を指す。 「セルヴェス、どう思います?」 「細い方」 ロイタスを見ず、ひたすら試合に出る二名を見て言った。 「やっぱり、そう思いますか?」 「……」 「え、なんで?」 ヴィニーが疑問に思ったとき、試合は開始された。
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