気まぐれ日記
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考えてみる。……実を言うと、貧乏性だからかもしんない。だって、この日記有料版なんだもの。もったいないじゃない。 いや、でも、楽しいのもあるよ。書いていて。
ルヴィアの山もあまり変わり映えはしない。休火山なので噴火することはまだないが、ファイアードラゴンらしい住処である。山の中は静かだった。 「ヴィニーは見たことあるのか?」 「何を?」 「ルヴィアを」 彼は首を振った。まるで知っているかのようにファイアードラゴンの名を口にするので、少しあきれた。 「そんなわけないだろ……。遠くで飛んでるのを一度だけ見たことあるけどさ」 「ふうん」 「さっきからさ、ルヴィア、ルヴィアって。セルヴェス、知り合いなの?」 「喧嘩友達だ。彼女の顔を見るとつい、からかいたくなってな」 「それって、好きな女の子をわざといじめるみたいだね」 彼はそう言われきょとんとする。 「人間は、そんなことするのか?」 「あんたがしてるだろ」 「……そうかな?」 「で、あのファイアードラゴンって雌だってこと?」 「そうなる」 「雌だったら、おとなしいかな?」 「いや、それはない。雌だからこそ、気性が激しい」 「……やっぱり帰ろうかな」 ヴィニーの足取りは重い。山道がきついばかりではないようだ。 「そんなに心配か?」 「心配だよ。よくわからないあんたと一緒だしさ」 人間の信用を得るには、時間がかかる。そう、どこからか聞いたことがある。彼は少し考えた。 「……」 「どうしたの? 黙っちゃったりして?」 「いや、どうしたら人間の信用を得ることができるのかを考えている」 ヴィニーがやはりあきれたような顔をする。 「そんなの人それぞれだよ。さっきの奴らみたいに現物を見せたところで信じる奴一人もいないし、さ。うちのばあちゃんみたいに、泥棒に『俺はあんたの息子だ』って言われてころりと騙されて家の中荒らされちゃったりして……。信用を得るなんて人間同士でもうまくいかないときってあるよ」 「そうか……」 「ただ、一つ。絶対信用をされる方法があるよ」 ヴィニーが人差し指を立てて言う。 「それはなんだ?」 「大金。お金だよ。でも、それでも信用できない人はいるけどね」 「……」 金が物を言う。実際、金はしゃべらないが金は人を動かすと聞いた。彼はなるほどとうなずいた。それと、金で物を言わせる者は嫌われやすいとも。 「ヴィニー、ものすごく参考になった」 「どういたしまして」 ヴィニーは、からかわれていると思った。なんだってこの人はこんなことを聞くんだろう、と。もしかして、実は世間知らずなどこかの貴族が路頭に迷っているのではないかとも思った。
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