気まぐれ日記
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2004年05月26日(水) ひさしぶりにゆっくりしようか、と

 明日休みなんで久しぶりにゆっくりしようかと思ったら、朝一でやることが出来た。さらに、車の修理(ボンネット開けて見ないと分からない箇所)が入っている。銀行で給料おろして振込みしなきゃなんない。

 新しい自分の棲家をさがすのもいいかもしれない。とにかく、ここはもう、離れることにしよう。
 彼は歩いた。歩くという行為は慣れていなかったが、人間の視線で山道を歩くことは楽しいことだと思った。木々ですら高く感じて新鮮だった。
 山を降りると村があるはずだがなかなかたどり着かない。上から見る景色とここから見る景色とは全く違っている。まだまだ山道は続いている。彼は、空から見慣れた景色の記憶を頼りに山を降りる。夜になった。
 「人間って、夜は寝ているんだよな?」
 それが、一般論であることを彼は身をもって知った。
 山賊……そんな職業があることを彼は知っていたが、それが夜働くことは知らなかった。彼一人をぐるりと大人数で囲んで、偉そうに話しかけた。
 「おい、兄ちゃん。度胸あんな」
 「この山にはウィングドラゴンがいるんだぜ?」
 「もっともずっと寝ているんだがな。それより俺たちの方が怖いんだぜ」
 「そうそう、俺たちゃ、この山の山賊って奴だ。夜だろうが昼だろうが通った奴の身ぐるみはがすのが生業さ」
 「朝は、何をしているんだ?」
 「朝は睡眠時間さ」
 「ふーん」
 ドラゴンには朝も昼も夜もない。寝たいときに寝れば彼のように五十年眠り続けるのだ。
 「そうゆうことだ、兄ちゃん。金目のもの全部おいてけ」
 「ない」
 「……」
 「兄ちゃん、そうゆう冗談はよくねえぜ。旅をしているってことはなあ、それなりに金を持っているんだぜ」
 「そうなのか?」
 そもそも、彼に金という感覚はない。そんなのがあることを知っているだけだった。
 「そうか、知らなかった。うーん」
 金がなければ旅が出来ない。それを知り彼は少し考えた。
 「金とはどうやって得るんだ?」
 山賊たちは顔を見合わせた。真顔で聞かれてさすがに、これは変だと思った。悪いことをやっている割に面倒見がよい彼らは、互いにうなずいた。
 「普通は労働で得るんだ。俺たちは人から奪って得ている」
 「……宝石とか、そんなんでも金は得られるのか?」
 前に来た商人の話を思い出す。その商人も彼を見世物にすると言い出したので追い返したのだが。自分の棲家にはたくさんその原石が転がっているらしい。
 「ああ、持ってればの話だがな」
 「仕方ない、戻るか」
 しかし、このままの姿で戻るのはかなりの時間がかかる。彼は一度変身を解いた。そして、その場を飛びあがる。
 「う、ウィングドラゴンだ〜!」
 山賊たちの悲鳴と喚声があがる。おたおたと走り回った。彼には良く分からなかったが。
 「おい、お前たち。そこにいてくれ」
 「ひいっ! なんでだ?」
 「いや、目印代わりに」
 「目印?」
 飛び去っていった彼からの返事はないが、山賊たちが疑問を持ちながらもその場で待機していた。


草うららか |MAIL

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