気まぐれ日記
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いい天気で太陽に当たりすぎて、疲れた……。こんな阿呆な休みでいいのか? 原石を山賊たちに見せた。 「親分、こりゃ、ダイアモンドの原石でっせ」 「ああ、こりゃすごい」 山賊たちが言い合う。 「それ、金になるのか?」 「ああ、もちろん……です」 「村の職人にもって行けば換金してくれます」 妙な態度で接する山賊たちに少し戸惑いながらも、彼はうなずいた。 「こんな石ころが、金になるとは……」 ドラゴンの姿で持てるだけ持ってきたが、人間の姿ではそれの半分も持てない。山賊からもらった袋は大きかったがそれでも余した。 「これがそんなに値打ちがあるとは思わなかった。世話になった礼だ。もらって欲しい」 彼は持ちきれない原石を山賊たちに譲った。これを住処に戻してくるのも面倒だからでもある。 「じゃあ、私はこれで」 「あ、ありがとうございますっ」 山賊たちは呆然と彼を見送った。
朝早く、村に着いた。ずっと歩き続けた結果である。 村に入ると畑仕事をしようとしている中年の女に話しかけられる。 「おや、旅人さんかい?」 「おはようございます」 人間には、三種の挨拶があることを彼は知っている。朝と昼と夜、みな挨拶のしかたが違う。ともかく、「おはよう」というのが朝の挨拶で「ございます」とつけると丁寧になる。とりあえず、試してみた。 「はい、おはよう。あんた、ここまで寝ずに来たのかい」 「そうだ」 「山賊とかに会わなかったかい?」 彼は少し考えて、無難に答えた。 「いや、会わなかった」 「運がいいのね」 「ところで、宝石職人っているか?」 「宝石職人? ああ、まだ寝てるよ」 「そうか、いつ起きるだろう?」 「朝は遅いから昼前だね。あんたも少し休んだら?」 「疲れてないから大丈夫だ」 「あら、そう。じゃあ、私の畑を手伝ってもらえるかい? お礼に朝ごはんをご馳走するよ」 人間の食べるものには興味があった。ドラゴンは食べるものをあまり必要としない。食べても食べなくとも生きていける。だから、彼はそれを承諾した。
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