気まぐれ日記
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昨日とうとう咲きました。日本人が愛してやまない花、桜。でも、今日は冷たい風が吹いていました。
「恐怖、か。前にもいた様な気が……」 アニムが渋い顔を作るが、セミュアは笑って答える。 「そうね、あたくし達にとっちゃ、恐怖というのはご馳走なのよ。どこかの誰かさんは無節操に人間の感情を食べるけれど。でも、恐怖だけならエルフのでも十分だわ。あなたの恐怖を味わせてね」 「そう言うと思って、取っておきを用意した。小生はごめんだがのう」 アニムがカードを投げつける。カードが額に張り付くとカードに絵柄が浮かび上がった。 「『道化師』だのう。そのまま吸い込まれろ」 「ふん、こんな子供騙しじゃ、まだまだよ」 「そうか、ではこれもだ」 今度は二枚とも投げつける。それが帯状となってセミュアに巻きついた。それでも、この魔族は薄ら笑みを浮かべてる。 「ねえ、これ、見えなかったかしら?」 魔族の目が下に落ちる。そこには、ロセウがいた。 「あなたに連れがいると聞いたからつれてきちゃった。かわいい子ね」 「ロセウ!」 眠っているままのロセウの真上にナイフや剣が浮いている。 「あたくしを封印するのと、この子が血まみれになるの、どちらが先かしらね」 「むうう……」 アニムが魔術を解こうとした。シンハーが飛び出し、ロセウの真上にあった剣をすべてはじいて回収する。しかし手にしたとたん消えた。 「剣のみ、幻覚よ。眠っている子から恐怖は生まれない。つまらないわ」 「しかし、小生が術を解かなかったら、殺すつもりだったのだろ」 「ええ、のちのちじっくりと恐怖を味わってからね」 「残念だったな」 「いいえ、あなたを味わうことができるわ」 シンハーがロセウを抱き上げたのを見て、セミュアが言う。 「あの子たちは助けてあげるわね」 「アニム」 「シンハー、お主は動くな」 「しかしよ……」 「ロセウを頼む」 「……勝手なんだから」 彼はそのまま離れて隠れた。でも、こちらを見ている。 「お主は、三流もいいところの魔族だが、小生も今回ばかりは運が悪い」 「つまらないわね。エルフって長生きだから? 死に対しての恐怖があんまり感じないわね」 「そうか、死ぬは嫌だ。しかし、小生には人間の友が多い。小生より若いのに老化して、そして小生よりも若いのに死んでいった。身近に多かったのだ。だから、そこら辺は普通のエルフと違う」 「じゃあ、あの子達も殺しちゃうわね」 「何でだ?」 「その方が、恐怖になるでしょ?」
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