気まぐれ日記
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を、しようかどうか考えてる。 ただし、作るのは三冊ほどだけど。しかも、何を本にしようかも迷い中。本気でやるとしたら、それまでの手直しをするつもり。そんな暇あるのか、自分。いや、時間なら作ればいい話だけどね。
ロセウはあっさりとそう言った。 「なら、行くか」 アニムが立ち上がる。 「おいおい、もう少しゆっくりして行かないのか?」 「すまぬが、大物がちらついてるんでの。あれをやったらこの子の養育費になるやもしれん」 「そうか、なら」 これは餞別だ、と妖精主が手を差し伸べた。白い薄い布きれだった。 「妖精が編んだ風だ。好きなところに行ける」 布が消えて強い風がアニムたちを取り巻いた。
一瞬にして、そこは、とある街に近い道の上だった。派手に転がってアニムがロセウの下敷きになる。 「これだから、あいつらは好かん」 立ち上がるとぱたぱたと土ぼこりをはたいた。 「ロセウと言ったな。大丈夫か?」 「うん、足すりむいただけ」 「そうか……ふむ」 すりむいた足を見て、アニムが水筒と箱を鞄から出した。 「一応な、ばい菌でも入ったら返って手を焼くからのう」 「いい、自分でやれる」 「ほう、そうか。じゃあ、やれ」 道具を渡すと、ロセウはせっせとやる。意外に手際はいい。水で傷口を洗い、箱に入っていた脱脂綿で拭いて消毒する。絆創膏を貼ると、水筒と箱を返した。 「何も出来ないと聞かされていたが、どうやら妖精主の見込み違いか?」 「うん、そうだね」 本当は出来ないフリで、妖精主には見破られているが。 「さ、アニム。行こう。この街が目的地なんでしょ」 「ああ、まあな」 街が近くなるにつれ、ロセウの足が止まった。 「ここ、前に来たことがある」 「?」 「見世物で巡行した時に……」 アニムも足を止めた。ロセウをじっと見つめる。その表情はあいまいだったが、怒っているのか悲しんでいるのかのどちらかだった。両方かもしれない。 「だが、ここで止まっては進めない。分かるな。それとも、妖精主のもとに帰るか?」 ようやくアニムが口を開いた。 「行く」 「なら、歩く」 そう言って、アニムは昔を思い出した。
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