気まぐれ日記
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2004年04月12日(月) あれ、まあ

 かなり前に、ナエスタの日記がありました。(爆)

 今日は、とある旅人の日記。

 崖から落ちた。
 一瞬目の前が真っ白になり、そして、暗転する。もう、死ぬかもしれないと思った。気がついても、死の寸前でか細い声で唸って間近になる死を待つのだ。多分。
 
 しかし、目が覚めたのはふんわりとした感触の上だった。運良く病院に運ばれたのか、と思った。
 「気づきましたよ」
 涼やかな声が言った。痛いだろうと思った体は予想外にも痛くない。
 「大丈夫ですか?」
 ぼくはうなずいた。それしか出来ない。目を開くと、すけるような肌の美しい女の人が心配そうな顔で覗き込んでいたのだ。
 「よかった。運良くあなたはここに落ちてきたんですよ。妖精主は助けるようにって」
 「……」
 妖精主……伝説に過ぎないはずだった。いくら妖精の地であり、それが色濃く残っているからと言って……。
 「よかったな、あんた。ここじゃなかったら間違いなく死んでる」
 男の声だった。
 ぼくは妖精主というものを頭で描いたとき、美しい妖精を思い浮かべていた。それが、一気に崩れた。
 「もう、大丈夫だろ。身体の方も傷は治っているし。外まで送っとく」
 「そうですね」
 
 気づいたら、崖の下にいた。
 「大丈夫か!?」
 仲間が降りてきたのだ。無傷のぼくを見て驚いていた。
 「よく無事だったな」
 「よかったよかった」
 「うん、まあ」
 まさか、妖精主(男)に助けられたとは、言っても信じないだろう。


草うららか |MAIL

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