気まぐれ日記
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昨日日中で十三センチも積もった。もう雪はたくさんだ! と思うんだけどスキーやる人は喜んでるだろな。私はやらんけど。
「労働、それは人間の感情を得る絶好の場。さらにお金も入って一石二鳥」 「お前の感覚はよう分からん」 仕事とは無縁の魔族にとってこのセアレは理解しがたい。ティママンは黙った。 「すまんが、精のつく料理を頼む。レバーソテーでも」 「お、いいじゃねえか。俺はそれに発泡酒をつけてくれ。ブロードは?」 「え、と。タンシチューでも」 「かしこまりました。ティママンは?」 「ああ、俺? 俺も発泡酒でももらうわ」 ティママンはやっぱりあきれて言った。 北の孤島、アイルマイン島。そこに魔王の住む屋敷がある。その昔三流の魔族が住んでいたとされる屋敷を使っていた。魔王はベッドで深く眠っていた。特に何もすることのないときはいつもそうだった。 「起きて下さい」 「何ですか、キキュ」 キキュと呼ばれた豹のような魔物は前足で魔王を揺り起こしたのだ。 「何か、来てます」 「……あの方ですね」 「ええ、そうです」 「最期まで手をかけさせるんですね」 魔王は寝巻きのまま起きて屋敷のホールに向かった。 姿が薄く、ところどころ欠けているスノムウェインがそこにいる。 「そんななりでよく来ましたね」 「……ああ、無論。こ まま は……や にふく……」 「消えてください」 スノムウェインは完全に消滅した。 「あなたらしくないですね」 と、キキュ。魔王は少し笑って、言った。 「僕は、左手だからね。利き腕のようにまどろっこしいことはいやなんですよ。早く寝たいし」 「なるほど。あ、起きたついでに彼にも会ってください」 「彼?」 「こんにちは、カルストラさん。いや、初めましてかな」 「セアレ……あなたがセアレさん?」 セアレが、酒瓶を持って現れる。 「一応挨拶をしておきましょうと思って。これはお土産」 カルストラはきょとんとして受け取った。 「確か、あなたはバイト好きだと……」 「ええ、それは労働の結晶です」 「じゃあ、よく味わって飲ませていただきます」 酒好きにはたまらない、と魔王はにっこりとする。 「ああ、もう、最高の感情を得まして僕も大満足です」 「感情を食う魔族ですもんね」 「はい、エルフの感情が原始的で野性味あふれる意外なおいしさでした」 はあ、そうですか、と魔王は生返事をした。ティママンと同じく、わからないといった顔で。
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