気まぐれ日記
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今日で最後でもいいかな。でもまた新たに続くよ、『ウォンテッダー』は(笑)
翌日、アニムはすっかり元気になった。身体をもてあましていた。 「しっかし、丈夫だよな、お前は」 「何を言う。鍛え方が違うのだ」 アニムはそう言うが、バルクは、エルフはもともと丈夫な生き物ではないかと思い始めていた。エルフの生態についてまだ謎の部分が多いからだ。 「今日は買い出しだな、アニム。どこへ行く?」 「そうだのう。一応スノムウェインのことは終わったし……せっかくサルディクルディの大陸にいるのだから、この辺をのらりくらりしようではないか?」 「結局それか。まあいいか?」 ティママンとブロードはまだ寝ている。それをたたき起こした。 「いつまで寝ておる」 「お前たちはどうするんだ?」 ティママンは、帰ると言った。 「魔界に帰るよ。いろいろやることもあるし。おい、ブロード。お前も来い」 「……なんであんたと?」 「力の使い方、みっちりと教えてやる。そうしたら誰もお前にちょっかいかけなくなるだろうよ。少なくとも、元人間だからってな」 「……そうだな、魔力抑えるのも微妙に違うらしいし。あんたに任せてみるか」 「おい、そうと決まれば、びしっばしっとやるぜ」 「……やっぱりやめとく」 「もう遅い。キャンセル無効」 ティママンはがっちりとブロードを羽交い絞めして、じゃあなーと消えていった。ブロードの抗議の声を残して。 「……行っちまった」 「静かになったのう」
その夜、酒場で二人は軽い夕食を取った。昼間は買い出しに明日の準備と忙しくしていた。軽く飲んだらそのまま寝て明日に備える。 「そういえば、ここでお別れじゃないのか?」 もともとは別々に旅をしていた二人だった。しかし今回は、二人とも何も言いださない。 「お主、こんな見知らぬ土地で一人で旅をするのか?」 「……初めての場所は普通知らねえだろ。それにお前だって一人で……アニム、まさか、お前、さびしいのか?」 「な、なに何を言うか! わかった。明日、お別れだ。長い間世話になったのう。世話もしたけれど」 「おいおい、意固地になるなっつーの」 「なっとらん! またどこかで会えると良いの。次は十年後か二十年後か、だな」 「アニム……お前って奴は」 「そうだ、借金今すぐ返してもらおうか?」 「金ねえのわかってるくせに……」 「冗談だ。……ルイはどうしているかのう」 アニムははちみつ酒を一口飲んだ。 「どこまで冗談なんだか……。さあな、急にだったからな」 「とにかく、明日はお別れなのは確かだ。やはり、ルイはもう、戻って来れないかもしれんのう」 昨日の夜、ティママンが言っていた。悪魔界の総統と天界の天主はルイをめぐって争っている、と。唯一の継承者ルイはどちらかにしかなれないので、どちらかが空席となり、継承者以外の適応者の誰かが埋めなくてはならないとなる。それがどちらかで今もめていると。 「どちらになったとしても忙しくて会えねえか……」 「そんなこと、ないわよ」 「そうだと、いいのう……」 アニムはバルクと顔を見合わせ、後ろを向いた。 「勝手に決めないでよね。お別れなんて」 「ルイ! でも、なんで?」 「まだもめているから、逃げてきちゃった」 ルイは空いている席に座り、夜のお好みデザートを頼んだ。 「今度は、どこに行くの?」 「そうだのう、適当な賞金首がいるところがいいのう」 「どうせなら、でかいのにしようぜ。どうも暴れたりねえし」 「それも、言えてる。ならば……」 アニムがチキンソテーの皿とサラダボールをよけて手配書と地図を広げる。 「じゃあ、アイスクリームのおいしいとこ!」 「なんじゃ、そりゃ」 「まあまあ、ルイらしいではないか」 夜が深まり、少し酒場が騒がしくなった。それは客足が増えただけじゃなさそうだ。 終わり
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