気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
幼少のころの出来事について、思わず笑ってしまいました。明日にでもこの場で書きますね。
「ブロード!」 フェザが叫ぶ。雪女のところから帰ってこれるとは思わなかったためだ。 「ブロード、大丈夫? 怪我は? よく戻って来れたね。良かったよお」 「まあ、ね」 フェザが近寄り、ぎょっとする。ブロードには何故なのかわからなかった。 「透けてるよ、体……」 「あ、ホントだ。やべ」 魔族にとって弱っている状態だった。雪女によるダメージは見た目より大きいらしい。 「そういえば、なんかだるい……」 「ブロード、あなた、一体……」 「フェザ、俺は、ね……」 彼の目の前は暗転。フェザの悲鳴だけが聞こえた。
「やれやれ、なんでこんなことになるやら」 フェザに安静にしてるよう言われた。彼はベッドの中で小瓶を見た。雪女は瓶の中でおとなしくしているようだった。 体はだいぶ元に戻っている。まだこの地は例の魔力がこびりついていて、彼はそれを貪欲に吸っている。いや、スノムウェインが。 「おい」 アコラだった。食事を手にしている。 「ああ、ありがと」 少年は素直に食事を渡した。照れくさそうに。 「兄ちゃん、魔族なのか?」 「まあね。でも元は人間」 「なんで魔族なんかになっちゃったのさ」 「さあ、俺にもよくわからねえな」 「……雪女、倒してくれてありがと」 「お前の姉ちゃんには世話になったからな。恩返し、さ」 アコラは何も言わずに出て行った。 次の日、体は完全に戻った。村長のもとに行き、雪女はこの瓶に入った、と言った。 「信じられんが……そう、なのだな?」 「まあ、新たな雪女が出ない限りは、大丈夫だろ」 「礼は、いくら欲しい?」 「フェザに宿代と衣料費、看病してもらった分を払ってくれ」 村長は、うなずいた。それだけだった。 「で、この雪女の姉ちゃん、どうする?」 「この村にはいらん。もって行ってくれ」 ブロードは言うとおりにした。彼の予想通りの返事だった。 まかり間違って、この瓶のふたが開いたら……。村長はそんな危惧をしている、そう考えた。決して、厄介なものを置きたくない、というわけじゃないと。 よそ者はどうでも良い。どんな村だって、そういう所があると、彼は自分に言い聞かせた。
|