気まぐれ日記
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2004年01月31日(土) 思い出し笑い

 幼少のころの出来事について、思わず笑ってしまいました。明日にでもこの場で書きますね。

 「ブロード!」
 フェザが叫ぶ。雪女のところから帰ってこれるとは思わなかったためだ。
 「ブロード、大丈夫? 怪我は? よく戻って来れたね。良かったよお」
 「まあ、ね」
 フェザが近寄り、ぎょっとする。ブロードには何故なのかわからなかった。
 「透けてるよ、体……」
 「あ、ホントだ。やべ」
 魔族にとって弱っている状態だった。雪女によるダメージは見た目より大きいらしい。
 「そういえば、なんかだるい……」
 「ブロード、あなた、一体……」
 「フェザ、俺は、ね……」
 彼の目の前は暗転。フェザの悲鳴だけが聞こえた。

 「やれやれ、なんでこんなことになるやら」
 フェザに安静にしてるよう言われた。彼はベッドの中で小瓶を見た。雪女は瓶の中でおとなしくしているようだった。
 体はだいぶ元に戻っている。まだこの地は例の魔力がこびりついていて、彼はそれを貪欲に吸っている。いや、スノムウェインが。
 「おい」
 アコラだった。食事を手にしている。
 「ああ、ありがと」
 少年は素直に食事を渡した。照れくさそうに。
 「兄ちゃん、魔族なのか?」
 「まあね。でも元は人間」
 「なんで魔族なんかになっちゃったのさ」
 「さあ、俺にもよくわからねえな」
 「……雪女、倒してくれてありがと」
 「お前の姉ちゃんには世話になったからな。恩返し、さ」
 アコラは何も言わずに出て行った。
 次の日、体は完全に戻った。村長のもとに行き、雪女はこの瓶に入った、と言った。
 「信じられんが……そう、なのだな?」
 「まあ、新たな雪女が出ない限りは、大丈夫だろ」
 「礼は、いくら欲しい?」
 「フェザに宿代と衣料費、看病してもらった分を払ってくれ」
 村長は、うなずいた。それだけだった。
 「で、この雪女の姉ちゃん、どうする?」
 「この村にはいらん。もって行ってくれ」
 ブロードは言うとおりにした。彼の予想通りの返事だった。
 まかり間違って、この瓶のふたが開いたら……。村長はそんな危惧をしている、そう考えた。決して、厄介なものを置きたくない、というわけじゃないと。 
 よそ者はどうでも良い。どんな村だって、そういう所があると、彼は自分に言い聞かせた。 


草うららか |MAIL

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