気まぐれ日記
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寒いです。お湯割り梅酒飲んで寝よう。(今夜も)
雪のように白い肌に髪、氷のような瞳。それが雪女と見るだけでわかった。彼の思ったとおり、怖い美人だった。 「人間が自分からやってくるなんて、珍しい」 「お姉さん、胸の谷間がきれい……で、なかった。あんたが雪女だね」 「そのとおり。でも正確には雪の妖魔よ。妖怪なんていう土臭いものじゃないわ」 どっちも同じだと思うが、ブロードは黙っていた。代わりに、何故男たちの命を取るのか聞いた。 「取りはしてないわ。彼らはここにいたいから、魂と体を分けて体だけを返したのよ」 雪女はブロードを手招きした。洞窟から抜けると広間があり、そこには、ぷかりぷかりと白い丸いものが浮遊している。 「彼らはここにいたいって言って、あの姿になったの。私はてっきり自分の食料になってくれていると思ったんだけど……」 「お姉さん、誘惑したね……」 「そうとも言うわ。あなたもいたい?」 「いいや、お姉さんと話をつけたら帰るつもりだよ」 「そう」 「じゃあ、とどまりたくないっと言ったら、帰してくれるわけ?」 「そうね。私に魅力を感じない男なんかいらないわ」 やっぱり誘惑したんだ……と、ブロードが思った。 この妖魔の糧は、魂。人の命だった。それだけのことだが、村には脅威だ。 「そういうことか。お邪魔したねお姉さん」 「帰るの?」 「ああ、ここにとどまらなければ助かるってわかったからね」 「残念ね。あなたにかなり術かけているんだけど、効かないようね」 「お姉さんなら、術なしでも大丈夫だぜ。でも、俺には効かないんだ」 雪女が軽く息をはいた。ブロードの足元から徐々に凍っていった。 「嘘つきだな。あんたはこうして男を捕らえて離さなかったわけだ」 下半身まで凍った。まだ凍り続けている。 「あなたも初めからおとなしくしていたら、もっと楽だったのに」 「ああ、そうだな。だけどね、火遊びが好きなんだ。俺」 氷が解けた。ブロードの周りに炎が現れる。 「氷には、炎を。世の中の常識だよな」 「あなた、魔法使い? 珍しい! でも、それこそ私にふさわしいわ。おいしく食べてあげる」 雪女が氷の剣を向けてブロードにかかっていった。
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