気まぐれ日記
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今日で「フレクア一人旅」が終了します、ように……。
強盗団がうなずいて散らばる。 「女の子の方が半歩先に歩いていたから、一千人目は女の子だ」 と、小柄の男は言った。フレクアたちはそうっと逃げ出そうとしていたが、結局は逃げ切れずに周りを囲まれた。 「でも、男のその荷物も置いていけ」 「あのね、おいていけと言われて、はいそうですかって言うわけないでしょ!」 「ぬう、確かに皆、そう言っている」 「だから、私と勝負して!」 「なっ!」 小柄な男があっけに取られた。そして、強盗団は笑いの渦になった。 「うひゃひゃひゃひゃ」 「ひーひっひひっひひ」 「ぎゃーあははははは」 「お嬢ちゃんが、相手かい」 「なんなら、俺が相手してやる」 ひとしきり笑った子分Bが前に出る。 「私が勝ったら、見逃してください」 「いいだろう」 大男が約束した。子分Bとフレクアが向かい合う。そして、彼女は剣を抜いて構えた。ビアソーイダ王族は、剣術を教えるということはあまりない。一人一人ほぼ自己流である。彼女の構えは姉であるヘネシーの構えと同じである。 「さあ、かかってきてください」 「そんでは、遠慮なく。ううぉりゃ〜」 緊張感のない掛け声と共に、子分Bの体は地に伏せった。石につまずいて転んだのだ。 「……大丈夫ですか?」 「この勝負、嬢ちゃんの勝ち」 大男は言った。 「じゃあ、見逃してもらえるんですね」 「いや、俺たちは悪い強盗団だ。約束を守るはずないだろ!」 「ひ、ひどっ!」 「やっちまえー!」 彼女は体制を立て直す間もない。しかし、そこ通りがかりが応戦してくれた。 「姉さま!」 「ああ、見覚えあると思ったらフレクアか。元気そうだな」 会話の合間に子分AからDまでを倒した。 「うん」 「とうとう旅に出たのか?」 「うん、家出したの」 「そうか」 更に、すべて強盗団を倒す。 「ありがとう、姉さまのおかげで助かったよ」 「今度は気をつけろ。ところで、ここは、フォーランズではないのか?」 「ここはランタルナだよ」 「また、船を乗り間違えたか。仕方ない、引き返すか。じゃあ」 ヘネシーはフレクアたちとは反対の方向へ向かった。
無事神殿にたどり着き、ゼデューのお使いは終了した。 「これが、ビアソーイダから預かってきたものです」 神殿主が箱のふたを開けると、中には芋ようかんが入っていた。 「ほう、これは私が好きな菓子だ」 が、賞味期限が切れていた。 「……クビ」 「……はい?」 「ゼデュー、お前はいつもいつもこういうくだらんことで私の好きなものを奪いおって……、お前はクビだ破門だ! とっとと出てゆけ!」
んで、フレクアとゼデューの珍道中がはずまった(始まった)わけさ。
「でも、お菓子がカビていただけで破門なんて、ずいぶん乱暴ね」 フレクアが言った。 「ふふふ、この日を何度夢見たことか……これで俺も自由だあー!」 「はい?」 彼女は、ゼデューが狂喜していることに気づいた。 「もう、小うるさい神殿なんか関係ないんだ。あははは! フレクア、こうなったらとことん、お前の武者修行に付き合うぜ。俺、こう見えてもケンカア大好きなんだぜ」 「ゼデュー?」 「さあて、行くべし!」 「あなた、なんか性格変わってるわよー!」 とにかく、彼女の修行の旅はにぎやかなものになりそうだった。
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