気まぐれ日記
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って、いないなあ。草の小説には。でも銃をもつ王子様ならいるわ。 って、なんの話をしているのやら……。
バルクは目的に向かい、剣を突きつけた。 「こういう反応をされると思っていた」 突き出された剣をつまんで避ける。バルクは剣を収めた。 「ったく、甘やかすのもいい加減にしろ」 「しかし、フレクアだけだ。この城にとどまってくれているのは……。俺の子なんか、早いのは十歳で旅立ってしまった」 「それは兄貴の育て方に問題がある。ぜったいに」 「それは、冗談として」 「勝手に冗談にするな。ともかく、フレクアにはきちんと剣術を仕込んでやれ。あいつにはそれが必要だ」 「わかった」 「それと、あんな重い剣ももたせるな。ヘネシーと違うんだ」 「ああ」 「それと……」 「まだ何かあるのか?」 「もし、フレクアが旅に出たいといったら、喜んで出してやれ」 「……」 バルクはため息をついた。子供を手放したい親はいない。国王には厳しい注文だろう。 「わかった。そうする」 「わるいな、無理言って」 「そうだな、お前も早く嫁さんもらえよ」 「そのうちな」 バルクはそこから去ろうとした。が、国王が呼び止める。 「そうだ、明日また出るんだろう。今夜は馳走だ」 「気を使わせて悪いな」 「気にするな。たまにしかないことだ」 「そういえば、フレクアより下の兄弟は? 確かいただろ」 「ああ、今遊びに行っている。コンファイアのパドライ兄貴のところにな」 「へえ、そのうち俺も行ってみるかな」 「おう、喜ぶぜ。きっと」 国王が笑った。
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