気まぐれ日記
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2003年11月17日(月) 高級料理

 食いました。目の前でステーキ焼いてくれました。美味かったです。

 「む、ムカツク人間め!」
 魔族がほえる。が、二人は身じろぎもしない。
 「お主、なにを糧にしている?」
 と、アニム。友人にでも質問するように聞いた。
 「俺は、人間の心臓が好物だな。取り立てで動いているのがいい」
 「そうか、では」
 「負けたらくれるのか?」
 バルクが飛び上がる。
 「いいや、ぜってえやらねえ!」
 「こっちから取ってやるさ!」
 魔族が指を伸ばす。バルクがそれを剣で払い、魔族の原を貫いた。
 「何……俺が、消滅する?」
 「いいや、それでは金にならん。吸収させてもらおう」
 動きが止まった魔族に、アニムは近寄り手にしていたカードを差し込むように魔族の胸に押し込んだ。
 「!」
 声も上げることなく魔族は一度塵となり、カードに吸い込まれた。何か、絵柄が浮き上がりアニムの足元に落ちた。逆さに。
 「『魔術師』の逆位置。ペテン師。お主にぴったりだの」
 アニムがにやりと笑った。カードに閉じ込めた魔族を維持するにはアニムが魔力をカードに送り続けなkればならない。それは、大変なことだが、それでも魔族を捕まえたことで多額の賞金が入るので、割が合う。
 「仕方がないです。三流魔族を用意した私の負けですね」
 ザックは手を上げた。しかし、まだ余裕がある。
 「なんだよ、観念するのか?」
 「ええ、ただし、この魔族を倒してからな」
 ザックが再び指を鳴らす。
 「呼んだかしら」
 金髪の赤いドレスの魔族だった。アニムがぞくりとする。バルクがとっさに剣を構えなおす。ブロードがぼうっと眺めていた。
 「ああ、大変だな」
 のんきな口調だった。
 「人間が手におえる代物じゃねーじゃないか?」
 ザックとその魔族が何かやりとりをしている。そして、ザックが一瞬で十歳ほど年を取ったように老けた。
 「若さを食ったな、あの魔族」
 「そうだな。一番相手にしたくないぜ」
 「そうだな、バルク。ジャンプ力落ちたようだのう」
 「うるせー。最近運動不足なんだ」
 アニムとバルクが魔族から目を逸らさずに会話する。
 「お二人さん? どっちが年を取るか決まったのかしら」
 魔族が再び、今度はあまり相手にしたくない魔族がアニムとバルクの前にいる。  


草うららか |MAIL

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