時夫はあるセールスマンに汚れがよく落ちるという洗剤を半ば強引に売りつけられた。断ろうとしたのだが引くに引けなかったのだ。仕方なく時夫はその洗剤を使うことにした。せっかく買ったのだから使わなくては損だという気負いから使わずにはいられなかったようだ。 しばらく経ち、時夫は洗濯機の蓋を開け中を覗いた。すると洗濯物は跡形もなく、どろりとした液体の中に分解したようだった。早速その洗剤を売りつけていったセールスマンからもらった名刺に記された電話番号にかけ文句を言うと、そのセールスマンはこう言った。「いえ、現代人は妙に着飾って本当の自分の姿を見失っているので、まずは目に見える服と言う名の飾りをとっぱらい、心を洗って頂こうかと思い…」
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