| 2004年02月05日(木) |
誰もがみんなコメディアン |
テレビの中にいるスタンダップコメディアン。 ふと、テレビの中の出来事もまた現実なのだなあと思う。 ピンポーン。 来客のようだ。 <ピンポーン>と<来客のようだ>の間には暫しの間があった。 初め、<ピンポーン>がテレビの中のものなのか現実、つまり家の玄関の呼び出し音が鳴ったのかの区別がつかなかった。 どうやら家の方である、と思ったのをきっかけに僕は身近な現実の世界に感覚を溶かし込んでいった。 玄関に向かう途中、先程のコメディアンのことが脳裏を過ぎった。 彼は毒舌で世間を賑わすコメディアンだ。 僕は階段を降りる。 そう言えばコメディアンって何なのだろう特に毒舌を売りにしている彼の場合はそう、彼は真実の伝道師で世間と現実とのギャップを5分足らずのステージで炙り出していく・・・ そう彼は真実の伝道師。 真実の。 伝道師。 ピン真ポー実ンのぉ・・・ 伝ピン道ポー師ンー・・・ 僕は階段を降りきって玄関の方を見る。 ガラガラガラガラ。 「どうもこんにちわお元気ですか?」 「いいえちょっと・・・」 「新しい保険に加入する気はございませんか?」 「ええと・・・」 「今度の商品はですね、今までのとは違って」 「ええ」 「ですので万一に備えた」 「・・・」 「ということで」 彼女の口元。 笑み。 「でしょうか」 笑み。 僕も笑む。 面白い。 「あなたは面白い」 「え?」 「まるでコメディアンだ」 「・・・」 ガラガラガラガラ。 これ以上この人と関わっているとせっかくの面白さも台無しになりそうだと思い、僕は玄関の戸を閉めた。
―END―
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