| 2004年02月07日(土) |
彼と空き地と土管と小猫 |
彼はその時、空き地にいた小猫を殺した。 頭の上に、漬物石程度の石の固まりを投げつけたのだ。 それを投げつけた彼は動かなくなった猫をボールのように蹴っ飛ばした。 ただ、死んだ小猫はボールの様に弾んだり遠くへ飛んでいったりはしなかった。
生前のその小猫は野良猫だったのだが、毎日自分のテリトリーをつくるのを嫌うかのようにあちらこちらを移動していた。 行動範囲の広さは、今時の子供なんて目じゃないのであった。 しかし今や変わり果てた小猫の姿。
彼は、その小猫のそばにしゃがみこんだ。 そして何を思ったのか、その猫を空き地の土管の中に入れ、自分もそこに入った。そしてその小猫と似たポーズを取り、じっとして目を瞑った。 彼は急にその猫をいとおしく思った。 (僕は今そこにいる猫と同じ)
彼が目を覚ますと、既にとっぷりと日が暮れていた。 猫は、まだそこにいた。 彼は土管の外へ出た。 彼は生きていて、小猫は死んでいた。 そのことをとてもはっきりと彼は意識した。 どう違うかを説明するのは難しいが、少なくとももうその小猫の動く姿を見ることはできないのだなと彼は思った。
彼の体験した小猫との一瞬の一体感は、猫が死んだ後の土管の中でのことだった。 もう、あの一体感は味わえないのかと思うと彼は残念に思った。 きっとあの小猫は今後誰かに発見され、燃やされてしまうのだと彼は思った。 一瞬、僕も燃やされたらもう一度あの一体感が味わえるだろうかと彼は思った。
2日後、彼は学校の校庭で空気の抜けた凹んだサッカーボールを見つけた。 一度蹴ってみるとそれはまるで昨日の死んだ小猫のように動きが鈍かった。 彼は体操器具倉庫へ空気入れを取りに行き、そのボールへ空気を入れようと試みた。 一応サッカーボールは球体に戻ったが、蹴ってみるとやはりどこかから空気が漏れているらしかった。 何度も蹴っているうちに、やがて見つけた時と同様に凹んだ状態になった。 彼はもう一度そのボールに空気を入れるとそれを持ち帰り、あの空き地の土管の中に、下に砂を敷き固定させ置いた。 もう、そこにはあの小猫はいなかった。
―END―
ついしん <女体盛り>とは女体に刺し身が盛ってある状態のことを言うのだろうが、僕はどうしても女体が白いご飯に大勢俯けに乗っている状態を思い浮かべてしまう。
|