程よく温かいお風呂に浸かる度、私は思い出す。 昔、自分が魚であったことを。 昔の海は温かかった。 というよりも、熱かった。 熱かった。 今ではもう、あんな熱い中にいた事が信じられない。 今、私は、程よいと感じる温かさのお風呂に浸かることが好きである。 もう、あの頃の熱い海には浸かれない。 たまに適温ではない一定量の水を注ぐことが必要とされるお湯に足を突っ込むと、これよりも遥かに熱かっただろうあの頃の海にいた自分が信じられない気がする。 ああ、それにしても20度のお湯って温かくて気持ちがいいなあ。
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