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言の葉 DiaryINDEX|past|will
押すと言葉がかわる投票釦 今日この瞬間を逃したら もう二度と話ができないのを知っていたかのような 微妙な瞬間だった 「もしもしー、久しぶり。元気だった?」 彼女が電話してきたのには理由がある 現役で東京の大学に合格していたボクは あえて留年して地元の大学を受験していたんだ そしてどうしても別れたくないって 渋る彼女を説得するためにだした ↑ 押すと言葉がかわる投票釦 「で、受験どうだったの?」と 楽しげに尋ねる彼女の声 その明るい響きになんともやるせないものを感じたボクは 「ウン、受かった」ってウソをついていた 「そう、じゃあ本当にお別れなんだね」 一瞬にしてトーンダウンする彼女 「ああ、仕方ないよね」 ぶっきらぼうに答えるボク ウソを並べる自分に嫌悪を感じながら 「そっかー、残念だなー。 アナタに会わせて神奈川の方に就職したのに」 「でも東京に遊びにきたらまた会おうね」 「なんだかいろいろ話たいことがあるんだ」 … 電話の向こうで話し続ける彼女の声を聞きながら どうしようもなく拘泥していたあの頃を思い出していた チン 電話の中で小さな鐘が鳴った 「別れ」というけじめをつけるかのように 受話器を置いて 銭湯に出掛けたボクのアタマの中は 妙にすっきりとしていたんだ ボクにとっての別れの瞬間は10月のあの日であり 彼女にとっての別れの瞬間は3月のあの日だった こうして人は互いに 隠し 誤解し すれ違っていくものなんだろうか これはボクだけが抱える病なんだろうか ++++++++++++++++++ 月曜日から終電が無くなるまで飲んだくれて 早朝にこんなこと書いていること自体 やっぱりどこか欠落してるに違いない(笑) 7693
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