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言の葉
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2004年03月21日(日) 別れの瞬間-11


こうしてまた日常と呼べる日々が戻ってきた
たった2週間あまりの時間だったけど
思い返すとなんとも遠い感じのする
そして非日常感のする毎日だったんだ

それから2か月くらいたって
12月の半ば頃だったと思う
年末の帰省の話を実家の母親と電話で
話していた時
ドアを叩く音が…
時間は確か23時頃

大家さんかな?って思いながら
ちょっと待っててって電話口に放り込んで
あわててドアの鍵をあけてみると




押すと言葉がかわる投票釦


驚きで息が詰まった
「あぁ、寒かった。入れて」
「本当に会いたかった」
「元気でやってる?」
矢継ぎ早にドアの向こうから話しかける彼女
ボクのアタマの中には
もうあの頃のような暮らしに戻りたくないって一心だけだった

少し酔っていた彼女から
酒の匂いが部屋に流れ込む
ウンとかアアとか答えられなかったボクは
意を決して言葉を絞り出す

もう会わないって約束した事
ここで部屋に入れたらまた元の黙阿弥になってしまうこと
裸電球照らされた共同トイレ前の部屋
夜中に声が響くだろうなって想像しながら

当時住んでいたアパートは本当に安いアパートで
部屋の入口まで靴であがるモルタルアパート
築20年以上はたっていた
部屋の壁は白い漆喰が塗ってあって
部屋に50センチ四方の小さな炊事場はついていたけど
トイレと大きな炊事場が共同だった
その水洗トイレだって
上から垂れているヒモを引く形式だった

ボクの部屋はコンクリートの階段を上がって
トイレに一番近い奥側の部屋で
隣に住む何をしているのかよくわからない仕事人に
よく夜中に壁をドンドン叩かれた
うるさいって

やっとあきらめた彼女か帰っていって
再び電話に戻ると



押すと言葉がかわる投票釦


実はなんとも驚きのタイミングは
これで終わったわけじゃなかったんだ




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