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言の葉
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2004年03月19日(金) 別れの瞬間-9


その時ボクのアタマの中に浮かんだのは
数日前に彼女がくれたルーズリーフの手紙の中に
入っていたもの




押すと言葉がかわる投票釦


それを見た瞬間
ボクの中で何かが違うって思ったんだ
それまで別に二人の間には何の感情的波風もなく
一緒にいると楽しい時間だけが過ぎていってた
少なくともボクはそう思っていたし
またボク自身
自分はごく普通の浪人生以外の何者でもないと思っていた

この紙ナプキンはもちろん
松任谷由実の歌に出てくる事をマネしたものなんだけど
それは別れた女性が昔を思い出している話で
決してハッピーなものでもなんでもない

彼女は本当にボクをみているのだろうか?



押すと言葉がかわる投票釦


「やっぱり歌と同じですごく書きにくかったわ」と
微笑みながら語る彼女が空恐ろしくなってきたんだ

そして一方的に「別れ」を宣言してしまったわけだけど
彼女は泣きながらボクに詰め寄った
「まだ何もしてないじゃない」
「約束したあの場所に行こうよ」
「彼とは別れるから私と付き合おう」

ぐらぐらと揺れる自分の心
なんとか踏ん張って「別れ」るしかない
二人の状況を説明し続けるボク

そう
二人で時間を共有しあうようになって以来
ボクは何もしていなかった
生活と呼べるものはなにも
ただ流されていただけなんだ
目的である受験も何も
目の前にあるいろんなものに目をつぶって

そういう自分にガマンできなくなってしまった
ただそれだけのことだったんだけど
それは彼女には絶対理解できないことだったんだと思う

そうして2時間ほど
二人で泣いたり激しくいいあったり
黙り込んだり抱き合ったり



押すと言葉がかわる投票釦


思い返せば
そこから始まった場所
そこに還るってことなんだって思って
うなずいたボクは
そこでこれから起こることなんて
予想もしてなかった


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