言の葉
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「まだアナタはそこまでの関係じゃないよ」
キミはちょっと微笑みながらそうつぶやく その笑顔ははにかみなのか それとも皮肉をこめてなのか 胸の内がほんの一瞬 ザワとうごめく音がした
「大丈夫、私アナタを信用してるもの」
電話の向こうに あえて明るく告げるキミの仕草に (まぁ、そんなものなんだろうね)と 自分っていう存在の曖昧さと 不確実さを刻み込む
「ちょっと聞きたいことがあるのさ」
さりげなくも重いキミ あえてかしこまって聞かれる
「どうしてアナタは別れないの」
自分の気持ちを正直に答える でもそれが全てかどうかは 自分でも確信がもてない さまよい続ける意識は 常に自分から自信を奪い去る
「さあ、語り溜めようか」
わからない 知らない 相手の過去と現在を細々と紡ぐ その時その時の感情で 顔が輝き歪む そんな感情の発露をお互いに確認することで 現在から未来に 時は繋がっていくのか
「アナタは私にどんな未来をくれるの」
気持ちと可能性が交差する 誰にも解決できない時間との賭け事 過去の自分に照らし合わせると これからの自分に決して頼れない気がして 思わず目をみはる
12時間もただ木訥と語り続ける男女は 端から見たら奇異な関係かもしれないし その先に何が待っているのかもわからない
その時そこにあったはずの関係は ボクのつくりあげた幻影だったのか
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