言の葉
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南に向かう寝台特急に乗っていた
周囲は本当にあかり一つ無い漆黒の世界 列車のたてる音のみが静寂を切り裂いてゆく
日本と反対の季節だから夏 だとはいえ 夜の闇に潜む冷気と デッキにうずまく疾風が 歯の根もあわない震えを呼び起こす
でもボクは 一歩もそこを動けなかった
満天の星空に魅入られたのか はたまた 脇に立つ彼女の無言に縛られていたのか 誰にも説明のつかない 南半球の夜
部屋に戻ったボクは 寝るのが惜しくて哀しくて 部屋の灯りを全て消して 窓の外を流れる星をずっと見続けていたんだ
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