和兄「ブロッケン、機嫌悪ぃな」
俺「だから、全然普通なんだって!」
何度この会話を交わしただろう。
俺は、普段、怒っているとよく言われる。
口の端が、下がって、への字になっているからだ。
自分でも、よく解っている。
でも、全く怒っていない。
俺は、写真を撮られるのが苦手だった。
どんな顔をしていいか解らなかったのだ。
笑うことができなかった。
笑う出来事がなかったから。
俺のアルバムを見ると、怖いくらい、全部笑っていない。全部だ。
もう、泣きそうな顔なんだ。
写真が嫌いな人は、自分に自信がない。
自分が嫌い。
だから、そんな自分を写されたくない。
俺が写真で笑うことができるようになったのは、就職してから。
笑う出来事があったから。
大切な仲間と笑うことができたから。
自分が好きになったのも、この頃。
当然、写真に写るのは大好きだ。
だから、俺のアルバムは、就職してから、異常に多い。
そして、全部笑っている。怖いくらい。
怒っているような顔の奴ほど、たまに見せる笑顔が魅力的だと思う。
心から笑うから。
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