不思議だった。 これ程までに依存する理由がどこにあるのか。 ずっと不思議だった。 勿論未だに答えは見つかっていないし、 時が経てば見つかるなんて綺麗事は言えない。 完全を目指そうとしても欠けている自分に皆気付いているから。 それでも不思議に思ってしまうのは意識下の小さな自分で。 何故驚くと胸が鳴るのだろう。 何故不思議に思うと胸が動くのだろう。 どうして私はここまで、あれに依存したのだろう。 無くなったら生きていけないだろうか。そんな筈はきっとないけど。 それでも頼った。依存した。 その意味が何処に、理由が何処に、あるのか。
もう離れなきゃいけない。そんな嘘にも気付かずに。 どれだけ踏み倒せば気が済むのだろう。君がここに居なければ良かった。 何も無くても、どうして君には判ったんだろう。僕は弱すぎる。 君を守ることもできないのに、奪われるのを酷く恐れた。 エゴだとわかっている。自己愛は消えない。 それでも君を、あれでも、僕なりには思っていたんだ。本当に。 疑うなら切り裂けば良い、きっと君はしないだろうけれど。 こんな風に無力な僕を、全て許してしまえるから、それが憎らしかった。 君を愛せない僕を許して。縛り付けるだけで。 それでも君はいつも一人なんだ。誰のものにもならないでいて。 何があっても朝は来ると、だから静かに眠って良いよと。 もう離れなきゃいけない。最後に嘘を下さい。 静かに乾いた朝、痺れる程の寒さに耐えて。 君を思って泣くから、それで最後だから。 もう離れなきゃいけない。誰か僕を突き落として。 何か君を僕から隠して。
|