デカイ豆腐を食べた話。
稲葉は豆腐が大好きです。 木綿も絹もドンと来い。 醤油も生姜もかつぶしも要らないよ。 あっても良いけどさ。 豆腐そのものの味が大好きなの。
味噌汁に入れる豆腐がまな板の上に乗っかっていて、こっそり喰って怒られたりしました。
ただね、豆腐は小さいんだよ。 小鉢の中にちっこいのが収まってる。 あっという間に喰い終わっちゃう。 物足りない。 デカイ豆腐を独り占めして喰ってみたいと思ってました。
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職場の後輩が豆腐屋でも働いてて。 彼女がそこで売ってる豆腐をくれました。
この豆腐、丸い。 ボール状の豆腐。 どうやって作ってるんだろ。 大きさはグレープフルーツくらい。 豆腐にしてはデカイ。
職場(劇場の売店)だもんで箸が無い。 だからアイスクリームのために用意してあるスプーンでほじくる。
さすがに豆腐屋さんの豆腐は美味しいですね。 豆腐一筋な人の意気込みが確かに感じられる味です。 しかも硬さが良い。 柔らかい豆腐も良いですけれど、やはり多少の歯ごたえは欲しいところ。 「喰ってる悦び」がそこにはある。
まあ、あの形状と大きさを維持するためにはある程度の硬さが必要なんだろうけど。
過去に喰ったウマウマ豆腐ランキングのトップ3に入ると思う。
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ただね、お腹が痛くなっちゃった。 よく冷やしてたせいもあるんでしょうけどね。 働く元気が3割減。
やっぱりね、豆腐は小鉢にちょこんとあるくらいのが一番なのかもしれません。 勝手なこと言ってますけどね。 豆腐だと思って侮ってたんですけど、デカイもん喰うと豆腐だけでもお腹はちゃんといっぱいになるのね。 というか、苦しいほどでした。
グレープフルーツほどじゃなくて、みかんくらいの丸い豆腐が食べたい。 でも味はホントに良かったのよ。
冷奴の小鉢が隅に添えられている食卓って、けっこう地味贅沢よね。 豆腐屋さん、がんばって。
稲葉 馨による日記・エッセイ・コラムのページ『馨絵詞』。 おかげさまで延べ2万人の方にご覧になっていただきました。 嬉しいやらありがたいやらです。 ブログ全盛の現在ですが、稲葉は今までもこれからも、このページで遊んでいたいと思ってます。
ありがとうございます。
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こないだ男の後輩から唐突にメールが来ました。 「我が家のフモフモ王国です」という一文のほか、写真が1枚添付されただけのメールが。
開いてみると素敵なファンタジーな柔らかい世界がありました。 「フモフモ」ってのは「フモフモさん」のこと。 …分かんないですね。
「フモフモさん」ていうヌイグルミがあるんですよ。 そういうブランド(?)の。 フモフモ好きの後輩から、フモフモ集合写真のメールが届いたのです。
稲葉の部屋にもお猿のフモフモさんがいてですね。 彼はそんなのを思い出してくれて稲葉に写真をくれたんでしょう。
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で、お返しにこちらも集合写真を返しました。 フモフモさんは1人しかいないので、他のヌイグルミさんたち大集合。 実は稲葉は大のヌイグルミ好き。 初めて集合かけたら、「こんなにいたんだ」とびっくり。
サル5・ウマ3・クマ3・キリギリス2・ヒヨコ2 ペンギン・カエル・カルガモ・ミミズク・ウサギ・アザラシ・ハムスター ウシ・ゾウ・ブタ・じゃじゃまる・ぴっころ 総勢24人。 サル5匹のうちのひとつがフモフモさん。
「じゃじゃまる」と「ぴっころ」は『おかあさんといっしょ』のにこにこぷんのキャラクター。 「ぽろり」はどうした? と思われるでしょう。 彼は祖父母の家に住んでます。
最古参はおサルの「サムくん」。 25年、稲葉が生まれて間もない頃からの付き合いです。
いちばん新しいのは後輩の女の子から託された「リラックマ」。 まだ2ヶ月くらいのお付き合い。
ウマ3匹のうち2匹は「ミドリマキバオー」。 キリギリス2匹は『ピノキオ』に出てくる「ジミニー・クリケット」。 タキシード着てる虫さんね。 服を脱がせるととても情けないカッコになっちゃうんだ。
男のくせにヌイグルミが好きって恥ずかしいことなのかな。 最高に可愛いんだから仕方ないですわ。 みんな稲葉にとっては大切なやつら。
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今回ね、やっぱり写真付きで紹介したい記事ですね。 このページでも写真紹介できるのかもしれないけれど、稲葉はそのやり方を知りません。
写真は付けられない。 流行りのブログとは少し違う『馨絵詞』をこれからもよろしくお願いします。
2万人、ほんとに嬉しかったりするんだ、これが。
2005年09月19日(月) |
身近な地雷〜通せんぼ |
「タッチアンドゴー」のSuica。 もう随分普及してきましたね。
そんな中で稲葉は今でも磁気定期券ユーザー。 名前や年齢で遊べるのが利点。 稲葉の定期には「イナバカオル」と本名(大野仁志)ではなくペンネームが書かれている。 芝居でやっている役があるときはその役の名前だったりね。 だから一時期「アドルフヒトラー」と書かれた定期券を持っていました。
これってSuicaでもできるのかな? たぶんできない、ですよね? 便利でも遊べないのはイヤです。
◆
そんなわけで今も定期券を改札機に通している稲葉です。 そうそう、あの券が飲み込まれてすぐに吐き出される、あの光景も面白いですよ。 Suicaだと見られませんね。
しかしSuicaは確実に増えてきている。 それを物語るのが「Suica専用の改札機」の登場です。
高速道路でさ、おじさんとお金のやり取りをしないでも通過できるのあるじゃないですか。 ETCってやつ。 装備している車はスイスイと、いちいち止まっている車を鼻で笑いながら追い抜いていくわけです。 「あれ、まだお金使ってるの? ダッサイねぇ」みたいな。
そんなのが駅の自動改札機にも出てきました。 「仕事のできる男は『タッチアンドゴー』さ。ふっ」みたく颯爽と駅を出て行きます。
◆
そんなのがあるってね、知らなかったんですよ。
だからね、定期券もってうろたえてしまったんです。 「入れる所が無いっ!」って。 しかも後ろには通勤途中のビジネスマンがずらずらぁ〜っと…。 本気で焦りましたよ。
「なぜ通さんっ!」とチョップでも喰らわせてやろうかと思いました。 チョップ発動する前に気付いて良かったなあ。
あそこを通れるsuicaユーザーの特権。 それを「ふんっ」て思いながらガチャンと定期券を滑り込ませました。
◆
そんなSuicaですけど、いざ通れなかった時はカッコ悪いですよ。
期限も区間も正しい定期券でも、たまにブザーが鳴って扉が閉まっちゃいます。 そんな時は券を取って入口へ戻り、2〜3人先に行かせて再チャレンジです。
Suicaだとそんな時はその場でバンバンとカードを叩きつけるしかないんですね。 怒りがそのまま表現されているような。 あれは「タッチアンドゴー」とはほど遠い、とてもカッコの悪いモノだと思います。
バイトを終えて駅へ向かいます。 ビックカメラの有楽町店を軽く覗いて。 店頭に小さなステージが組まれていて人だかりが出来てました。 柱の脇の良い位置を要領よくキープし何かが始まるのを待つ。 結構な人だかりだったけど、すぐ前に立ったのが身長の低い女性だったので都合が良い。
位置取りを終えてすぐオオカミ少年が出てきました。 オオカミ少年ってのは学生服にサングラス・必勝ハチマキのお笑い2人組。 「ドン! ドン! ドンドンドンッ!」とテンポよく次々にネタを発していくスタイルで人気を博してます。 「中国歴史は4千年! トイレのトラブル8千円!」な人たち。 わあー。 テレビで見たことあるネタでも生だとまた違うね。
次いでルート33が登場。 彼らはNHKの『爆笑オンエアバトル』の初期の頃から頑張ってる。 あの番組の2代目・3代目チャンピオンなんだよ。 連覇してんの。 近頃見かけないのでどうしてるかと思ってましたけど、良い意味でちっとも変わってなくて嬉しかったす。
全部で8日間、ビックの有楽町店に吉本の芸人さんが来てミニライブをやるそうです。 稲葉が見たのはその初日だったようで。
いつもは通常勤務の後に本社へお使いに行ったりして他の人より退勤するのが遅いんですよ。 今日はそういった仕事が無くてすんなり退勤。 おかげで良いものが観られました。
1組につき10分くらいのミニライブとはいえ、間近(3メートルくらい)でネタを観られるってとても贅沢なことですよ。 それも無料だ♪ ビックカメラ、良い仕事をしてくれとるのう。 今度何か買ってやることにしました。
…で、何を買う?
2005年09月15日(木) |
大選挙〜若手議員の次の選挙を考える |
自民党圧勝。 自民党員も予想できなかったくらいの圧勝。
東京では比例名簿に登録した人数を獲得議席が上回っちゃった。 自民は椅子を1つ余裕で落とし、社民党はおこぼれで貴重な議席をゲット。
比例名簿の下位に登録された人たち。 名前を貸しただけって人も多いんですね。 当選すると思ってなくて、当選してから初めて立候補していることを家族が知ったってケースもあるそうです。
「思い出作りに」と有給休暇を貰って立候補。 選挙が終わったら今まで通りに会社で頑張るつもりだったんでしょう。 でもまさかの当選です。 人生変わっちゃいましたね。
「何をして良いのか分からない」とか「正直戸惑っている」とかのコメントを聞くと不安になりますね。 最低限の勉強をしてから立候補してくれよ、と言いたくもなりますが、本当に想定外の当選だったわけで責めるのは酷なんでしょうかね。
とにかくおめでとうございます。 先輩達に学んで日本を良くしてね。
◆
しかしね、今は嬉しいでしょうけどね。 次の総選挙ではどうかしら。
自民党は今回勝ちすぎました。 次の選挙では国民のバランス感覚が働いて野党が盛り返すでしょう。
小泉さんや次の総理総裁の手腕次第ですが、次の選挙で自民党が単独過半数を維持することは不可能ではないですね。 ただ、今の300近い議席を維持するのは相当に難しい、と言わざるを得ないでしょう。 改革が合格点以上のものだったとしても難しいと思う。
つまり次の選挙で自民党は大なり小なり議席を減らすでしょう。 絶対安定多数は維持できても議席はいくらかは減るでしょう。
…となったとき、今回「まさか」の当選をした人たちの多くが次の選挙で落ちることになります。 そんな時、彼らはどうなりますか? 今までの会社は辞めちゃった。 そりゃあ自民党員としての仕事はあるかもしれませんけれど、それにしても茨の道ですよね。
幹部クラスやベテラン、若手でもテレビによく出てる人たちなら、仮に落選したとしても講演や著述で食いつないでいけます。 で、力を蓄えつつ次の選挙で雪辱を期せば良い。
ただ、当選1、2回の若手が落選した場合は深刻ですよ。 彼らは講演や本では稼げないでしょう。 次の選挙でどこまで闘えるかも疑問符が付きます。
国民のためであるはもちろん、当選させちゃった彼らのためにも、小泉さんや次期総裁にはぜひとも頑張っていただきたいのです。 次の選挙で彼らに活躍の場をまた与えたくなるような仕事をしていただきたい。
◆
大きく議席を減らした民主党。 党としての歴史は浅く、数回の選挙でぐんぐん議席を伸ばしてきました。 だから当選回数の少ない若手で今回落ちた人も多いでしょう。
惨敗が確定したときの岡田代表の茫然自失な顔が忘れられませんが、若手議員でもああいう状態の人は多いと思う。
政治家ってのは水モノな商売なんですね。 そう考えると選挙期間中の握手や当選後に万々歳する気持ち、分かります。 どぶ板選挙といわれようが、彼らは本気で必死です。
当選してからも本気で必死だとなお良しですね。
2005年09月14日(水) |
大選挙〜国民審査を考える |
選挙って小選挙区で議員さんを1人選びますね。 比例区のほうで政党を1つ選びますね。 でもこれで終わらない。 もう1枚投票用紙があるんですね。
それが最高裁判所裁判官国民審査、であります。 選挙はこれから議員になる人を選ぶんですけれど、こっちはすでに裁判官になっている人たちなんですね。 で、彼らに今後も任せるか、それとも辞めさせるかを選ぶ。
投票用紙には審査対象の裁判官の名前が書いてあって、「辞めさせたい者に印を付けよ」とある。 でもね、正直これってどうですか?
◆
選挙だったら街頭演説や政見放送で、付け焼刃的であるにせよ候補者本人の話を聞くことが出来ます。 でも裁判官さんたちの話なんて、彼らと知り合いでもなけりゃ聞く機会なんてありませんよ。
そんなわけで投票直前に新聞に挟まってる審査公報を読む。 有権者にとってはこれがほぼ唯一の判断材料になるわけです。
でもね、「誰が良いか」ではなくて「誰がダメか」を選ぶわけですよ。
略歴を見るわけですけど、皆さん立派な大学の法学部を出ていらっしゃっる。 弁護士の経歴があったり、法学部の教授だったり最高検検事だったり。 文句の付けようの無い経歴を持っていらっしゃる。
そんな方々に向かって一般の国民が、ましてやフリーターの稲葉が「お前ダメだから辞めちゃえ」なんて言えっこないよ。
いや、仮に中卒なんて経歴の人がいたとしますね。 コイツなら落とせるかっていうと、「でも中卒で最高裁判所にいるんだから相当に賢いんだろう」なんて思っちゃって、やっぱり落とせないよ。
◆
略歴は材料にならん。 そこで「過去に関与した主な裁判」を読む。 これだって落とすポイントになるほどの物は書かれてない。 判決も全員一致って書かれているのがほとんどだし。 「他の裁判官が有罪とする中でただ1人無罪を主張」なんてのは無い。
しかも1人「判事になって日が浅いため、特に記すべきものなし」なんて人がいる。 おいおい、こんな人を落とせないって。 「これから頑張れ」って言ってやるしかないじゃないか。
「裁判官としての心構え」や「信条」も文句無い立派な内容で似たり寄ったり。
◆
つまり、この国民審査ははっきり言って機能していない、と思うのです。 「嫌いだった中学の先公と同じ名前だから気に入らねえ」とかでもない限り、用紙に×は付けませんよね。
国民審査を意味あるものにするには、公報に「略歴」や「過去の裁判例」なんか載せない。 それよりも「同僚達の評判」とか「裁判で一緒になった検事・弁護士・被告たちの証言」とか、そっちの方がずっと判断する材料になります。
「前の日の酒が残った状態で開廷してました」とか。 「彼に貸したビデオがなかなか返ってこないんですよね」とか。 「元秘書ですけど『未必の故意ってどういう意味?』って聞かれたことがあります」とか。 「わめく被告に向かって『黙れ!』と一喝したことがあって惚れちゃいました♪」とか。 そういう方が公報も読んでて楽しいし投票のしがいもあるってモンです。
どうかご一考願えないでしょうか。
2005年09月11日(日) |
大選挙〜投票・出口調査 |
始まりも結果も歴史に残るような選挙でした。 勝つだろうとは思ったけれど、ここまでいくとは思わなかったよ自民党。 産経新聞の予測で300の数字が出たときは鼻で笑ったのに。
そんな選挙。 行ってきました、投票。 バイト前にサクッと投票。 いつもより30分早くに家を出て、坂の上の投票所へちんたらちんたら。 朝のお散歩の風情で悪くないものがあります。
◆
投票所ってどうしてあんなに静かなんでしょうかね。 そりゃ騒がしいのがダメなのはわかるけど、ピアノの調べくらいはあっても良いよね。
投票用紙の紙って特別な素材なんですね。 折っても勝手に開いていくっていう。 これのおかげで開票作業がとてもスムーズになるそうです。
用紙に書くものを書いて、折る。 投票箱に持っていく前に記入台で勝手に開く様子を眺めました。 面白いね、あれ。 1つ折りならあっという間にピコって開いちゃうの。
あんまりピコピコやって遊んでると不審がられますからね。 気をつけないと。 小選挙区・比例代表・裁判員国民審査と3枚で1回ずつ遊んで速やかに投票。
◆
投票所を出ると出口調査をくらいました。 「○○社の者ですがアンケートよろしいでしょうか?」と若い女性。 ○○には誰もが聞いたことある報道社の名前が入ります。
出口調査って本当にやってるんですね。 いや、やってるのは知ってましたけどね。 すごいサンプル数で、とても正確な予測が出るのは今回の選挙でも実証されました。
でも今までそんな調査の光景は見たことが無かったので、ほんとにやってるんかいな? みたいなモヤモヤ。
マイク向けられてカメラの前で…なんて仰々しいものではなく。 いくつかの質問があって、それぞれ選択肢に丸を付けていく。 凝った質問も無く「誰に・どこ(政党)に投票したか」「今後も小泉内閣を支持するか」程度。 あとは「性別」と「年齢」。 さらさらっと丸を付けて1分もかからず終了。
投票も出口調査も、意外なほどにアッサリしすぎてます。 でもこのアッサリが積もりに積もって、日本が動くんだね。
次回も選挙について思ったこと書きます。
2005年09月06日(火) |
優雅なひとときをつんざいて |
前回の続きですが、内容や趣はまったく異なります。
クラシックとパズルに遊びつつ、身体はベッドの中で横になっています。 徐々に眠気が増してきて心地良い。 そんなときに突如轟音が鳴り響く。
稲葉家の前の大きな通りで自動車事故発生。 マンションの4階なんですけど、窓から下を見下ろすと歩道に乗り上げた乗用車が1台。 動く気配がないので父親が下へ降りていき、第一通報者になりました。
この通りは事故が非常に多発するところで、3〜4ヶ月に一度は轟音が響く。 だから家族全員、音と同時に素早く居間へ集まってきます。 もう条件反射になっている。 たとえ寝てても起きてくる。
ただ、今回はまったく車が動こうとしないので、稲葉も気になって現場へ下りてみました
◆
中古車販売店の事務所の壁が大破してます。 原形を留めないエアコンの室外機や資料棚がガラスの破片にまみれて歩道に散乱してる。 事故車も右前方がグチャグチャ。 大音量で響くカーステレオが妙に怖く聞こえます。 事故車のお尻が隣のマンションのフェンスを崩し、駐車場に停めてあった車はその直撃を受けて見るも無残。
で、事故者に乗ってた人です。 たぶん居眠りでしょう。 ブレーキ音もなく、単身突っ込みました。
警察への通報を終えた父親が呼びかけます。 たまに首が動くから死んではいないようです。 が、それ以上に動くわけでもなく呼びかけに応じるわけでもなく。 意識は朦朧、鼻血がスジを引いて流れています。
◆
やがてパトカーが到着。 生まれて初めてパトカーの先導なんてモンをしました。 おーいコッチだコッチ! みたいの。
パトカーにやや遅れて救急車も到着。 さらにはバイクに乗った警官がアッチからとコッチからと、2台続けて登場。 警察官が来るってのはこんなにも頼もしく感じられることなのか、と思い知りました。
事故車に乗ってるのが酔っ払いで自棄を起こして暴れまくる、そんな事態も想像されるわけで(今回は酒の臭いは無かったけど)、彼らがいてくれるってのはやはり心強いものがあります。
事故の瞬間は見ていませんが、駆けつけた直後の現場や運転手の状態なんかを証言し、雨も強くなってきたので引き上げです。 引き上げ直前になって、服を着替えた母も下りてきました。
◆
ちょっと興奮を醒ましていたらもう朝の5時になってました。 ほぼ徹夜になっちゃいました。 そのおかげ(?)で知ったんですけど、選挙期間中の早朝ってやたらと政見放送やってるんですね。 NHKも民放も、どのチャンネルでもやっている。 結局、自民党の候補者達の意気込みひと言集みたいのを全部聞いてしまいました。 とても眠いのに。
◆
さっき、この通りは事故が非常に多発…って書きましたね。 本当の話で、この文章を打っている今も、窓の下で衝撃音発生。 おいおい、昨日の今日だぜ。 事故を呼ぶ悪霊みたいのでもいるんだろうか。 道幅も広いしカーブでもないのに(だからスピードは出ちゃうんだけど)。
今回は3台による衝突でタクシーが大破。 ワゴンは一見無傷なのに自動車としての機能が失われた模様。 乗用車は昨日の事故車と同じ歩道の上で停車。 3台とも大きな怪我は無いようで、自分達で警察呼んだりしてましたけど。
自宅前の深夜は本当に怖い。 昨日は隣の中古車販売店に突っ込みました。 いつかウチのマンションにもぶつかるんじゃねえかとヒヤヒヤします。
昨日は徹夜してるんだ。 今日はさっさと寝るぞ。 え、もう4時? これだから事故は…。
月が変わって、稲葉の働く劇場の演目も変わりました。 今月は『エリザベート』。 稲葉が入ってから2回目の上演です。
先月までは『モーツァルト!』でした。 主人公はもちろんヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。 2ヶ月間の上演、稲葉も1回拝見しました。
というわけで映画『アマデウス』をレンタルしてきました。 ディレクターズカットで3時間の超大作。 高校の頃に授業の中で見たはずだったんですが、記憶が曖昧。 たぶん寝ちまったんじゃないかと思うんですけど。 でも見返してみたら面白いじゃない、これがなかなか。
◆
いつもは深夜テレビをBGMにするところ、この日はモーツァルトのCDをかけました。 クラシックは綺麗なコンサートホールで身を正して聴くよりも、自分の部屋で何かをしながら聞いていたいものです。 以前、モーツァルトを流しながら英語の勉強をしたらとても捗ったのが強く印象に残っています。
今日は数字のパズル雑誌を開きます。 左脳で問題を解いて、右脳でクラシックと戯れる。 1日仕事頑張って、猛烈な雨の中を帰宅した疲れが癒されていく実感。 落ち着くなあ。 お茶も入れればもう最高。
◆
ひとしきり問題を解き進めて、キリの良い所で寝ましょうか。 ラジカセを片付けて何気なくテレビをつける。 したらNHKで『世界の名曲選』だかの、雄大な自然や由緒ある建築物を背景にクラシックだったりピアノ曲だったりを流す番組がやってる。 これがなんとモーツァルト特集。 まあ素敵。
ってんで、一旦閉じたパズル本を再び開いて、枕元の灯りを点けてベッドの中でロスタイム延長戦。 そのぶん睡眠時間は短くなるけど、こんな素晴らしい時間を逃す法はありません。 指揮者になった心持ちで鉛筆を小さく振りながら、マス目に数字を一つ一つ埋めていく。
やっぱりクラシックは、狭い自分の部屋で何かをしながら聞くのが一番良い。 ささやかながら、でもとても優雅で贅沢な深夜でした。
さて、そんな深夜が突如として起こる轟音によって急展開するんですが、その続きは次回で。
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