夏休みも終わりですねえ。 とっくに学生じゃなくなってるのに、8月の終わるのは寂しいモンですね。 さて。
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はじめはちょっとした口論だった。 最後に残った砂肝一切れを男のほうが喰ってしまったのだ。 楽しみに取っておいた女としては、軽く文句の1つも言っておきたい。 ここで男が言葉だけでも「ゴメン」とすりゃ良かったのだが、どうにもはっきりしない。 そのうちに女は、男の携帯に知らない女の着信があることなんかを思い出し、酒の力もあって徐々に言葉に熱が入る。 止めに入ったウェイターを殴ってしまったのが引き金となった。 女は店内で大暴れ。 殴れる或いは壊せるものをすべて壊して店を出るが、怒りは収まるどころか高まるばかり。 女は商店街を荒らしまわり、次いでオフィス街へ乱入。 警察や軍が出動する……。
以上が「カトリーナ猛威、被害100人超す」の見出しを見て稲葉が思い浮かべた光景です。
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もうすっかり有名な話ですけど、アメリカでは台風に女性の名前をつけるんですね。 今回の「カトリーナ」による被害は凄いもので、8割が水没してしまった町もあるとか。 そんな町に住んでたカトリーナさん、まあ確実にいるでしょうけど、肩身が狭かったりしないんでしょうか。
日本は番号制ですね。 生まれた順に1号、2号…。 やっぱりこれは味気無い。 でもだからって女性の名前というのもピンと来ない。 「エリカのおかげで我が家はメチャメチャだ!」 台風ではない、もっと違う趣のドラマが思い浮かびますね。
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武将の名前をつけるなんてどうかな。 キヨモリ・ヨシツネ・シンゲン・ノブナガ・マサムネ……
もうね、発生した、なんて言わない。 「南太平洋上にてミツヒデが兵を挙げました」て言う。 「950の手勢を率いて北東へ進軍中! 勢力にかげりなし」数値はもちろんヘクトパスカルを意味します。
「ヒデヨシ」が半島を襲っちゃったりしたら、ちょっと面倒になりそうですね。
怪獣案も捨てがたい。 ゴジラ・ラドン・ガメラ・レッドキング…
「キングギドラが東京に来襲!」てなると警察や消防を飛び越えて自衛隊が出動しちゃいそうですけど。
まあこんなのんきに書いてますけど。 よく晴れた東京にいるから書けるんでしょうか。 カトリーナの直撃を受けた町や、日本だったら沖縄とか石垣島とか。 そういう所になっちゃうと名前なんかどうでも良いんでしょうね。 「12号」だろうが「ヘレン」だろうが、「ヨシミツ」「バルタン」知ったこっちゃ無い。 とにかく現実としてあるこの風なんだよ、って感じでしょうか。
そういうところの皆さん、頑張ってください。 台風シーズンはもう少し続きます。
辞めたのも含む同僚たちで遊びました。 ランチからカラオケ。 宇多田対決で勝利。
夜からは飲みです。
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稲葉は吐き気に襲われてトイレへ。 個室に陣取っていつでもはける状態で落ち着かせる。 ふうふう。
したら50代とおもわれるオジサンがトイレにやってきました。 話しながら上機嫌にガハハハ…と豪快に笑っている。 てことは連れがいる。 いわゆる連れション、てやつです。
ただこの連れが、どうやら、というか確実に女性でした。 オジサンの話に合いの手を入れたり笑ったりしている。 その声はどう聞いても若い女性。 連れションで誘うのは、普通は同性でしょう。 そりゃ中にはそういう趣味の方々もいるでしょうけど、ここは周囲の目もある居酒屋だ。 なんだ、この状況?
その女性はオジサンがことに及んでいる間、トイレの入口(一応ドアの外)で大人しく待機していたようです。 さすがに中で待つことはしなかった。
体調も悪くろくに回りもしない頭で、そのオジサンと女の関係を推理します。 「会社の上司と部下」がまず思い浮かぶわけですが、なら「馴染みのホステスと客」の方がすんなりくる。 それにしてもトイレにまで連れてくるのは、2人にどんな関係があるにせよやりすぎです。
このあと「じゃあ次はアヤたんの番だな」とか言いながら2人して女性トイレの方に歩いていったりしたら…。 それはちょっと怖い。
吐き気も何とか収まって(気持ち悪くはなるんだけど、いっつも吐けないんだ、稲葉って)トイレを出ます。 居酒屋のトイレって油断できないなあ。
有楽町丸の内の飲み屋さんです。 あんなオジサンも昼間はバシッとしたスーツで大きな仕事してるのかね。 わからないもんだなあ。
バイトの先輩が「熱い!」と興奮しながら薦めてくれたので『パーフェクトストーム』を借りて観ました。
いや確かに熱かった。 海の男達の荒っぽさカッコ良さがいっぱいの映画。 最終的には大波に飲み込まれてしまうんだけど、負けっぷりも天晴れといった感じ。 やりきったよ、彼らは。
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獲物であるカジキにね、氷を詰めるシーンがあります。
カジキをどんどん捕まえて、テンションの上がる海の荒くれ野郎ども。 さっきまで喧嘩していたくせに、いまはお互いの肩を叩き合って笑ってる。 カジキのはらわたを引きずり出して船底の保冷庫へ。 口や腹にガンガン氷を詰め込んでいく。
良いなあ、と思うのです。 ただ、このシーンに限っては漁師達がではなく、カジキが良いなあと思うのです。 このシーンのカジキになりたいなあ、と思うのです。
腹を開いて氷を詰め込んでいくんですよ。 今の時期これをやられたら、最高に気持ち良いだろうなあ。 クーラーなんかメじゃないぜ。
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お腹に氷を詰め込むのもそう。
あとは脳みそを取り出して氷水に浸してみたい。 暑さでふやけた思考力も一気に目覚めるでしょう。 夏休みの宿題もはかどると思う。 宿題がある歳じゃないけど。
以下は夏に限りませんけど、コンタクトで目が痒いとき、眼球をはずしてジャブジャブ水洗いをしたい。 見たことも無いほどに綺麗な世界が目の前に広がるはず。
腰痛の気のある稲葉は右の太ももに違和感を覚えます。 いつも右足を根っこから、ハイレグのラインに沿って深く引き抜いてやりたいと思うのです。 足首を持ってぶんぶん振り回すの。 絶対に気持ち良いはずなんだ。 で、その足を地面に置いて全体重をかけて揉むの。
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そんな風に乱暴に身体をいたわってみたい。 もちろん実行は出来ないけど(だって死んじゃう)、想像するだけでも快感。
まだしばらく、暑い日は続くようです。
2005年08月19日(金) |
マイクを持ったセミの声 |
後輩から「久しぶりにサーティーワン食べましたー」メールがきました。 アイスクリームの写真が添付されて。
丸っこいアイスが暑さで溶けかかってて可愛い。 背景はお洒落なヨーロッパ風。 本当は池袋なんですけど。
夏っぽくて気持ち良いので、待ち受け画面にしました。
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職場の目の前は皇居。 お昼を食べに皇居に面した通りへ出ます。
陽射しが強い。 太陽がいっぱい。 皇居だから陽を遮ってくれる物がなんにも無い。 全身で受け止めるしかない。 うあー。
お堀のお水も真緑で、どうも冷たそうには見えない。 そのお堀の向こうの緑の中から聞こえてくるミンミンゼミの声。
なんかね、多い。 いっぱい鳴いてるの。 ミンミンゼミとアブラゼミのブレンド。 相当な数だぜ、ありゃ。 鳴いてるのはオスだけだから、単純に聞こえる声の倍はいるんですよね。 あの緑の中に。 セミ島だ。
でも彼らも来週か再来週、遅くても来月頭にはみーんな死んじゃうんだね。 この暑い中、彼らなりの一生懸命。
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さて、真夏の解散・総選挙って珍しいんだそうですね。 街頭演説をする先生方からしたら、確かに夏は避けたいわなあ。
でもね、セミさんは1〜2週間、クソ暑い中を一生懸命に鳴いている。 だから先生方にも「夏はイヤだ」なんてぼやいてないで、駅前で大通りで、汗にまみれて一生懸命に鳴いてほしい。
セミさんは自分の遺伝子を未来へ繋げるために数週間を全力で鳴いている。 先生方は、さあ何のために数週間を全力で鳴くのかな。 セミさんの声はウソ偽りがまったく無い真実の叫び。 先生方の声は、さあどうかな。
セミの声も先生の演説も、確かにちょっとうるさいかもしれません。 けどほんの暫くのことだし、なにより彼らは必死なんだから、文句言っちゃ悪いですね。
セミさん、がんばれ。 先生方も、がんばれ。
何か夏らしいイベントを、ってんでバイトの同僚達と船に乗ってきました。 東京湾納涼船。 2500円で船の上。 ビール・ジュースは飲み放題。 食い物は別にお金を払うんですけど、結構安いと思う。
大きい船です。 乗り込むとお祭のようにいろんなお店が並んでいて「焼きそばうまいよ!」とか「はい、たこ焼き! たこ焼き!」とか威勢の良い声が飛び交っています。 食べ物を物色して、ジュースを手にして、デッキの一角に陣取ってカンパイ。 ダチョウの串カツなんかも喰ってみる。 ウマイ! てほどのもんでもなかったですけど。
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竹芝ふ頭を19時過ぎに出港。
レインボーブリッジをくぐります。 フジテレビ本社ビルや観覧車など、とにかく賑やかな夜景。 対岸の倉庫・コンテナ群の重々しい夜景と対照的でした。
大井ふ頭には船にコンテナを載せるためのクレーンというか施設が並んでいます。 ずらぁあぁーっと。 大きいうえにオレンジにライトアップされているんです。 スターウォーズに出てきそうな光景。 宇宙船の発着基地。 単純に男の子として「うおぉー」と思いますね。
「うおぉー」といえば、さらに行ったとこの羽田空港。 船の真上を着陸態勢のジャンボジェットが飛ぶ。 間近で見るとえらくカッコ良い。
稲葉は飛行機って乗ったこと無いんです。 でね、見てて知ったんですけど、空港ってけっこうなペースで離発着してるんですね。 数分おきに一機飛んで、帰ってきて。 空港や時間帯にもよるんでしょうけど、山手線並みのペースで飛んでくるにゃ驚いた。
羽田を沖へ離れてぐるっと回って、来たコースを戻ります。 空港のほうは光が断続的に連なっているのに、沖は真っ暗で少しコワイ。
2時間弱の船宴。 満喫しました。 家に帰ったら大雨になりました。 危ういところでした。
連夜の地震、大きなものでないとはいえ続くと嫌なものですね。 対処のしようのない恐怖。 ああ、イヤだ。
今年もしっかり暑いですね。 夏の日常を小品的に点描してみましょうか。
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「稲葉の夏模様」
この暑さにあっては伸びた髪が見苦しいのでバッサリいった。 意気地が無いから坊主頭にはできない。 ほぼ坊主、というところで寸止めした。
それでも充分にさっぱりした。 シャンプーが楽なのが良い。 手持ち無沙汰になると、ついつい後頭部を下から上へ撫で上げてしまう。 しゃりしゃり……心地良い。
ただ、坊主頭にはメガネが似合わないのが厄介だ。 多少面倒でも、疲れていても、コンタクトを毎日処理しなくてはならない。 少なくとも今月は、メガネの稲葉は家から出ない。
メガネは似合わないが雪駄はよく合う。 すりすりと地面に擦れる音は涼しげなものだ。 足の親指の皮が剥けて痛いが、もう暫くの辛抱か。
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「新商品?」
涼を求めてコンビニへ滑り込む。 わずかな時間を潰せればよい。 店内を回り、何を買うわけでもないが物色に励む。
惣菜コーナーで「女子高生のスパゲティ」なる商品を発見する。
? なんだこれは? コンビニの一惣菜の分際で客を選ぶのか? しかも女子高生が好きというところが気に入らない。 生意気だ、炭水化物のくせに。 それともなんだ、具が女子高生なのか? ? それこそなんだ?
などと考えつつ手にとってじっくりと見る。 何のことはない。 「辛子高菜のスパゲティ」ではないか。 まあ、それが当たり前といえば当たり前なのだが、ガッカリしてしまった。 確認しないままにしときゃ良かった。
コンタクトを作り変えたほうが良いのか。 暑さにふやけた頭に喝を入れたほうが良いのか。
両方、だろうな。 と思いつつ店を出る。 眩しい。
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