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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
コランタン号の航海・第6話更新

コランタン号の航海、更新されています。
下記URLより「最新話を読む」をクリック。

コランタン号の航海・アホウドリの庭 第6回
http://www.shinshokan.com/webwings/title05.html

表紙が渋くて素敵です。
えぇとコミックスになった時にこの表紙は再現されるのでしょうか?
再現されないとすれば、何とか残しておきたいのですが、ウェブマガジンの場合はいったいどうすれば?

今月の物語はなかなか素敵な展開です。
私も忘れないでいたいと思います。


話変わって、このニュースは日本のTVでも放映されていたので、ごぞんじの方も多いと思いますが、
ここでもたびたび紹介していたオランダの少女ローラ・デッカーのヨット単独世界一周航海、先週彼女は無事カリブ海のオランダ領シントマールテンに帰港し世界一周を達成しました。
ギネス記録は認めないと言っているそうですが、たぶんそういうことは本人も家族もどっちでもいいと思っているんじゃないのかしら?
名誉や記録うんぬんよりもこういうことは達成感だと思うから、別に初登頂じゃなくても今でも皆が高い山や困難な山に登るのは、本人がそうしたいからそうしているのと同じ…なのでは?
記録を狙ってそういうことをする子供が増えたら困ると世間は考えるのかもしれないけれど、そういう動機ではとてもヨットで単独世界一周なんて過酷な冒険には耐えられないでしょう、好きじゃなきゃ出来ないことだと思うんですよ。

先週から今週にかけて、(米)アカデミー賞と英国アカデミー賞(BAFTA)のノミネートも出揃いました。
最近のパトリック・オブライアン・フォーラムで話題のル・カレ原作TTSS(Tinker Tailor Soldier Spy)は、英国では作品賞に入っていますが、米国では脚色賞と主演男優賞ノミネートで作品賞はなし。ま、確かにアメリカ人好みではないわな。
でも日本の記事には、「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」ではなくて「裏切りのサーカス」というタイトルがついていましたから、これで日本公開は決定ですね。よかったぁ。
早川書房さんもジョン・ル・カレ作品の再版をかけてくれることでしょう。

でも邦題が「裏切りのサーカス」になったのはちょっと意外。同じル・カレ原作の映画「テイラー・オブ・パナマ」が「パナマの仕立屋」ではなくて横文字そのままの映画タイトルだったから、今回も「ティンカー・テイラー…長いので以下略」になるのかと思ったのですが、やっぱりこのタイトルは長すぎ?

ところで、世界公開が決まったこの作品、はたして台湾や香港でのタイトルはどうなるのでしょうか?っていうのが今は個人的興味の中心です。
じつは台湾の書店でこの原作を見かけたことがあるんですが、タイトルが「鍋匠、裁縫、士兵、間諜」だったんですよ(ほんとの話よ)。
あまりに直接的なタイトルなので、何の本だかすぐにわかってしまって感嘆したんだけれども。
ちょうどそのとき台北ではトム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」のどれかが上映されていて、こちらの映画タイトルは「不可能的任務」でした。そう書かれると本当に困難な任務なんだな〜としみじみ思った記憶があります。
というわけで今回どうなるのかな?日本にならって「裏切的雑藝團」になる可能性はあるのでしょうか?


2012年01月29日(日)
ジリオ島の海図

去年の12月18日の日記で、ボルボ・オーシャン・レースの第二レグ放映を「1月20日(日)」とお知らせしてしまいましたが、正しくは

1月22日(日)19:00〜NHK BS1で放映です。


さてイタリアの客船事故については、GPSもレーダーもあるのに、「海図にない岩礁」っていったい何?
…と思っていたのですが、現代の最新鋭機器おそるべし…というより、ロイズおそるべし…でしょうか。

Exclusive: Costa Concordia in previous close call
http://www.lloydslist.com/ll/sector/ship-operations/article389069.ece

ロイズは今、常に世界中を航行中の船舶の状態を把握しているんですね。
今回のコスタ・コンコルディアの航跡どころか、過去の同船の航跡までたどれてしまう。
去年の8月もジリオ島に接近して航行していたことが明らかになっています。

いちど出航してしまえば、どこにいるのかわからない…というゼー・アドラー号(第一次大戦のドイツの通商破壊艦)のような話は、もはや今の世の中にはどこにもない…というより、今は個人のスマートフォンでもGPS追跡できてしまうし、あちこちの防犯カメラを探せば映像が出てくる時代ですから、船も例外ではないってことですね。

まぁそんな世の中なので、ジリオ島の付近の海図やら、衛星写真やらも下記で見ることができます。

Costa Concordia: A major navigational error, or what?
http://www.seanews.com.tr/article/ACCIDENTS/74284/Costa-Concordia-accident-navigational-error/

ラミジを読んでいた時に、この本は海図を見ながら読んだら面白いだろうなあと思って、
フランスのリオン湾の海図は、マルセイユに行った時に手に入れることができたのですが、イタリアの海図は入手できなかったんですよ。
それがこんな思いがけないことで見ることができるとは、
なんだか複雑な気分です。

明日の夜はNHKBSを見る予定なので、今週末はこれ以上の更新はありません。


2012年01月21日(土)
ジリオ島沖の座礁事故

イタリア西岸の地中海ジリオ島沖で大型客船コスタ・コンコルディアが座礁したニュースが派手に報道されていますが、「ジリオ島」と聞いて「あれ?」と思いませんでした?

ジリオ島って、ダドリ・ポープのラミジ・シリーズ20巻「ナポレオンの隠し札」で、フランス軍がイギリス人の捕虜を幽閉していた島ですよ。
ラミジ達は、カリプソ号をフランスのフリゲート艦に偽装して、ジリオ島のカステロ砦から、捕虜を移送に見せかけて救出するんです。

その後、後を追ってきたフランス艦をフォルミカ・ディ・グロッセト岩礁に座礁させて逃げ切るんですが、この岩礁はジリオ島からかなり離れた北にあるので、今回の大型客船が座礁した浅瀬ではありません。
でもおそらく、このあたりはかなり岩礁が多いんでしょうね。

下記BBCのニュースによると、浅瀬に乗り上げたのはちょうどディナーの最中で、イブニングドレスのまま逃げざるをえなかった乗客も多かったとか。
みなさん映画の「タイタニック」を思い浮かべて、パニック状態になってしまったそうです。

Italy cruise ship Costa Concordia aground near Giglio
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-16558910

NHKのニュースでもインタビューされた乗客は皆さん「タイタニックを思い出して」と語っていらっしゃいましたね。
乗客撮影の映像で、ボートが水面に着水する瞬間に揺れて皆が悲鳴を上げるんですが、乗組員がイタリア語で「着水の瞬間に揺れますが落ち着いて」と言ってるんですけど通じてないですよね。乗客にはドイツ人、フランス人、イギリス人が多かったようです。
やっぱりそこは英語で言わないと。
っていうか、やっぱりイタリアの客船に乗る以上はイタリア語わからないとこういう時に困るのかもしれません。

それにしても200年前やタイタニックの時代はいざしらず、GPSも水深探知機もある現代の豪華客船で、いったいどうして浅瀬に座礁なんてことになってしまったのか、なんだか信じられません。
以前に私がオーストラリアのグレートバリア・リーフで乗った遊覧船は定員150人くらいの小さな船でしたけど、ガラス張りの操舵室に水深探知機とGPSがあって外から見えるようになっていて、キャプテン・クックの時代からのはるかな進歩を実感したのですが、今回の衝突原因を知りたいものです。


2012年01月15日(日)
ロンドン郊外に17世紀の復元船建造計画

ロンドン郊外DeptfordのRoyal Dockyardでは、このたびドックヤード周辺を再開発するにあたり、17世紀の艦を復元し、観光の目玉としようという計画が持ち上がっています。

Build the Lenox!
http://www.deptfordis.org.uk/2011/12/build-lenox.html

H.M.S.Lenoxは、チャールズ2世の時代1678年に建造された70門三等級艦で、1756年まで就役していました。
英国で17世紀の艦が復元されるのはこれが初めてとのことです。

ロンドンオリンピックまでに修復を完了する予定のカティサーク号とともに、またひとつロンドン近郊に名所が増えますね。
カティサーク号の方は、2012年春、再オープンとHPに出ましたので、オリンピックには間に合いそうです。

Cutty Sark Photo Diary
http://www.cuttysark.org.uk/index.cfm?fa=contentGeneric.gjonoksenppnlohb


2012年01月09日(月)
宝島とシャーロック

1月1日の英国は、「Treasure Island」(宝島)のみならず、20:10からBBCで「SHERLOCK」の続編の放映もあったんですね。
うわ〜、このお正月はブリテン島かアイルランド島に居たかった。

The Guardian紙のHPに、宝島のレビューを探しに行ったら、シャーロックのレビューも見つけてしまいました。
どちらもボロボロねたバレで、とくに宝島は結末に言及してしまっているので、いちおうこの記事の下の方にURLを貼っておきますけれど、リンクはしませんし、読みにいかれることをあまりおすすめはしません。
これを読まずに見たかったです(泣)。

ねたバレなしに、レビューの内容をかいつまんでご紹介すると、どちらも原作をかなり大胆に改変しているのですが、宝島の方はまともに改変しすぎていて、ヒネくれた英国人としてはちょっと文句を言いたいらしい(宝島がハリウッドくさくなってしまった、とお嘆きです)。
対してシャーロックの方はひねり過ぎるほどひねりと毒が効いていて、視聴者も置いていかれそうになる(視聴者もワトソンと一緒に「何がどうなってるんだ?」状態に置かれるらしいです)。
19:00〜宝島、20:10〜シャーロック、と同日放映だったのは、宝島には分が悪かったかな?
でもこのレビューを第三者の目で読んでみると、このハリウッドくささはアメリカではあんまり問題にならないんじゃないか?と思います。
実際のところは自分の目で見てみないと、どうかはわかりませんが、

シャーロックの視聴率は30%だったそうですよ。
あのひねくれた話が30%というところが、英国人はやっぱり英国人だなぁと苦笑する次第。

さぁ、日本での放映はどうなるでしょう?

TV review: Treasure Island; Endeavour
http://www.guardian.co.uk/tv-and-radio/2012/jan/02/treasure-island-endeavour-tv-review

TV review: Sherlock; Hacks
http://www.guardian.co.uk/tv-and-radio/2012/jan/01/tv-review-sherlock-holmes-hacks


2012年01月08日(日)
英国で「宝島」放映

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年も宜しくお願いいたします。

新年早々、「帆が見えたぞー!」のお知らせ、…と言っても残念ながら日本ではありません。英国で1月1日、2日に「宝島」の放映だそうです。
昨年の2月13日の日記でご紹介したTVドラマです。
現地時間…すなわちグリニッジ標準時で19:00〜ということなので、1日の放映はもう終わってしまっているけれど、2日の放映は、日本時間では3日の午前4時からでしょうか?

番組HPはこちら
Treasure Island
http://sky1.sky.com/sky1hd-shows/treasure-island

予告編と、主要キャスト(ジム少年、ジョン・シルバー、ベン・ガン、トレローニさん、スモレット船長)のインタビューを読むことができます。
トレローニさんの設定が今回、複雑のようですね。
スモレット船長は「ホーンブロワー」のホッブス掌砲長だったフィリップ・グラニスター。おぉぉ出世したものだわ。船長の金モールが素敵。
もっともこの衣装について彼はインタビューで、「とっても寒いか煮立ってるように暑いかどっちかだ。昔はこれでいったいどうやって戦争したんだろう」とか言ってますが。

ヒスパニオラ号を演じているのはスクーナー船のThe Earl of Pembroke号のようです。

この放映に絡んで、旧版の宝島(子役時代のクリスチャン・ベールがジム少年を演じた1990年版)のDVDもアメリカでは発売になっているようです。
このDVD情報を年賀状で教えていただいたので(Iさん>ありがとうございます)、検索してみたら、新版の予告編を見つけて、1月1日2日放映だと、日本時間で1月2日の夜に知って、急遽、情報更新という次第でございます。

日本でも放映されるといいですね。でもって日本語版のDVDが出ることを祈りたいと思います。


2012年01月02日(月)