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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ロンドン・ヴィジョナリーズ3、1月26日新刊

「ロンドン・ヴィジョナリーズ・コランタン号の航海(3)」が1月26日に新刊として店頭にならびました。
これで完結です。でも、3巻には、
56ページの書き下ろし「ウォーター、ウォーター、エブリウェア!」という海の上のおはなし(WINGS連載の続き…というか、ロンドンから出航したコランタン号のその先の物語)がついてます。

この表紙がめじるしです。
ちょっと色目が暗いかな〜と心配してたんだけど、最寄駅の書店の平積み棚では、カラフルな少女漫画の中で逆に目立つかも。

作品の詳細などは、作者の山田睦月さんと大木えりかさんが運営していらっしゃるサイト
はみだしコランタンdegital
をご覧ください。

次の物語はアフリカ編だそうですが、まだ詳細が決まっていないようですので、応援プッシュよろしくお願いします。


2010年01月31日(日)
ヴィトリア女王・世紀の愛

2月5日で上映終了の「ヴィクトリア女王・世紀の愛」やっと行ってきました。
とても「篤姫」(NHK大河ドラマの)なお話で、ユーラシア大陸の東と西に離れれど、あの時代は似たような感じだったのね…と。
それとも現代の女性脚本家があの時代を解釈して現代に伝えようとすると、同じような展開になるのでしょうか?

聡明な少女が、政争うずまく宮廷で果敢に生きていく、という主筋はほぼ同じ。
ただ異なるのは、政争の駒として送り込まれるのが姫ではなく、公子(アルバート公)であるという点。
そのあたりがまた逆に物語を面白くしているゆえんでもあるのですが。

私(わたくし)よりも公(国や政治や家)をまず一番に考えようとするその価値観も、ほぼ同じですね。まぁ19世紀半ばという時代的にはほぼ同じですし。
イギリスとか西洋とか言うと、明治以降は日本より個人主義が進んでいるようなイメージがあったのですが、国へのdutyが重んじられるというあの価値観は、19世紀半ばにおいても、M&C時代の海軍士官たちが持っていた価値観とあまり差異はなく、そしてこの映画は、驚くほどヘレン・ミレンがエリザベス二世を演じた「クイーン」と似通っています。
女王と首相と国民の関係…その基本は案外、イギリスって19世紀から変わってないのだなぁ…というのが正直な感想。

あぁでも画面は本当に豪華絢爛…うわぁあのドレス素敵!と手放しでうっとりしてしまいます。
赤海老さんがずらーっと整列して、ドレスと金モールの軍服と、この華やかさはあの時代ならではですし。

メルボルン卿(首相)がポール・ベタニーですが、金髪の彼が金モールの礼服をまとうと映えますね。素直にかっこいいわ。いや腹に一物ありそうな演技も相変わらずで素敵です。
それを言えば彼の政敵となるサー・ジョン・コンロイ(マーク・ストロング)、サー・ロバート・ピール(マイケル・マロニー)も印象的で。
そして女王の母(ミランダ・リチャードソン)が見事です。
ご意見番ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーのお鼻が史実通りであったことも付け加えておきます。


2010年01月30日(土)
宝塚歌劇でネルソン提督

宝塚歌劇団で、ネルソン提督の歌劇を上演するとのことです。

グラン・ステージ
『TRAFALGAR(トラファルガー)』−ネルソン、その愛と奇跡−
イギリスの国民的英雄ホレイショ・ネルソン海軍提督の半生を描いたミュージカル。
宝塚大劇場:2010年5月21日(金)〜6月21日(月)
東京宝塚劇場:2010年7月9日(金)〜8月8日(日)

詳細は、下記HPを
http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/1d7179bdcf5b44933dd8dc7405ae9ae7.html

とくに原作はなく、オリジナル・ストーリーで、主人公がネルソン、ヒロインがエマ・ハミルトンのようですが、ミュージカルっていったいどのようなものになるのか想像がつきません。
ローレンス・オリビエとヴィヴィアン・リーの映画「美女ありき」のような雰囲気になるのでしょうか?


2010年01月24日(日)
石板からPSPへ

昨年11月末の英タイムズ紙に、なんとも!びっくり!な記事が載りました。

Royal Navy issuing PlayStation Portables to Ships’ Officers
http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/gadgets_and_gaming/article6934169.ece

英国海軍は航海中の水兵の勉強用にとプレイステーション・ポータブル(PSP)を支給した。
海軍の電子技術者を養成するハンプシャー州フェアハムのHMS Collingwood校では、落第者対策に航海中でも勉強を続けられるソフトウェアを開発した。
このソフトウェアは8-12分の学習用プログラムで、PSPにプレインストールされた上で支給される。

学習用コンソールとしてPSPを選んだ理由について同校のウィリアムズ少佐は、
第一に、艦内ではスペースが限られること、寝棚の中で容易に操作できる大きさであること、
次に、18-30才の男子が大多数を占める電子兵器技術者候補生にとってPSPが馴染みあるコンソールであること(ソニーは少年をターゲットとしてPSPを開発・販売している)、
最後に、PSPが最も“Jack-proof” な機器であったこと、すなわちモノを壊すので有名な水兵(Jack)の粗雑な扱いにも耐えられる頑丈なコンソールであったことを、挙げている。

なんと申しましょうか、えぇと、
いや一番すごいなと思ったのは3番目の理由です。
確かに、たまに通勤電車の中で格闘ゲームやってるサラリーマンに出会いますが、思いっきりガタガタ操作しまくってますもんね。
“Jack-proof” ねぇ…なるほど。
日本製の機器って精巧に出来ていて故障しにくけれど、劣悪な環境(砂漠とか)ではよく壊れるって聞いてたんで、ちょっと意外でした。
それにしても、さすが21世紀と納得すべきなのか、
1991年の湾岸戦争にして既にビデオゲームと言われている今日このごろ、逆にこれは当たり前の事なのか。


2010年01月17日(日)
伊東屋帆船模型展1月16日〜+龍馬伝に注目!

新春恒例、銀座伊東屋の帆船模型展、今年は1週間後の来週土曜日1月16日からです。

日時:2010年1月16日(土)〜1月31日(日)
    10:30〜19:00(日曜日〜火曜日)
    10:30〜20:00(水曜日〜土曜日)
    最終日1月31日(日)は10:30〜18:00まで
※伊東屋の開店時間が2通りなのでご注意ください。
 
会場:銀座伊東屋 9F ギャラリー 
     東京都中央区銀座2-7-5
     TEL:03-3561-8311

詳細は下記ページをご覧ください。
伊東屋イベント情報
http://www.ito-ya.co.jp/event/9f_201001.html
木製帆船模型同好会 ザ・ロープ HP
http://www.geocities.jp/therope1204/index.htm

ザ・ロープのHPによると、帆船模型50点、構造模型5点、ジオラマ模型4点、レリーフ2点が展示されるとのこと。
作品リストをこのページで見ることができます。
あの時代のものですと、ビクトリー、レゾリューション、ベローナなどが展示されるようですね。

この作品リストの下に「お知らせ」があり、「来年2011年の帆船模型展は伊東屋から有楽町駅前の東京交通会館に変わります。」とあります。
こちらもお引っ越しですか。

実は毎年5月に横浜有隣堂本店ギャラリーで開催されている「横浜帆船模型展」も、今年は会場が移るそうです。
5月有隣堂ではなく、7月にみなとみらいで開催とか、詳細はわかり次第お知らせしますが、伝統ある帆船模型展が奇しくも同じ時期に会場を移すことになりそうです。

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さて今日は3連休なのに、なんでこんな朝早くから更新をしているのか?と不思議にお思いでしょうが、
これは連休に外出の予定があるからではなく、
9日13:00〜のNHK「龍馬伝」の再放送前に更新をしたい!と思ったからなのです。

先週、見てらっしゃいました?最後の最後に私、びっくりでしたよ。
「フラッグ・ルテナント、サー」っていう英語が突然、画面から流れてきて、最後のシーンはサスケハナ号…つまりペリー提督の黒船の艦長公室(と思われる)。
第一回の最後にこれ?! こ〜れは明日の第二回が楽しみだわ〜。

この画面を見た時は一瞬びっくりでしたが、すぐに我に返って、じっくり観察(これだからマニアは…)
この時代のアメリカ海軍の知識は全く無いのですが、やっぱり副官は19世紀半ばのアメリカでもフラッグ・ルテナントなんだわ…とか、艦長公室はやはり艦尾なのね(艦尾窓に面しています)とか、この公室はビクトリー号より広そうねぇ…とか、
わずか1分程度のシーンにいろいろな発見がありました。
ところでこのロケはどこで撮ったんでしょう? もしくはセットを組んだのか?
この時代から40年後のアメリカ海軍については、12月に「坂の上の雲」で目にする機会があったので、あぁ40年でずいぶん変わるものだなぁとも思いました。

ともあれ、間に合ったら是非ご覧になってみてください。
明日の第二回はたぶん黒船来航だと思いますので、これも楽しみです。


2010年01月09日(土)
テメレア戦記掘Щ房造半説

テメレア戦記掘Ч雲の彼方へ…少々「ねたばれあり」です。
ほんのちょっとですので、未読の方でもあまり問題ないとは思いますが、読み終わるまで先は絶対に知りたくない!という方は、回避されることをおすすめします。


テメレア戦記は、歴史にもとづいたナポレオン戦争の架空戦記ですが、今回の3巻、それも後半のプロイセン編はかなり史実に忠実…実在の人物も数多く登場します…というより、ローレンスったら歴史上の有名どころと直にお話してしまって、テメレアが唯一の戦力だと言っても、ずいぶんと偉くなったわねぇというか、なんだかこちらの方がどきどきしてしまいます。
ホーエンローエ、ルイ・フェルディナンド、ブラウンシュヴァイク…シャルンホルストまで一言登場、国王フリードリヒ・ヴィルヘルム三世やルイゼ王妃とも。
ダンツィヒの攻城戦のシーン(17章)にスポット出演のカルクロイトやルフェーブルも良い味だしてますよね。

ルイゼ王妃に結構スポットライトが当たっているところが、女性作家ノヴィクさんならではかしら?と思います。
この時代のプロイセンって以外と女性に政治力があるのですよね。
貴族夫人のサロンが文芸復興などの舞台となるケースは他国でもよく見られますが、プロイセンの場合は政治サロンにもなっている。これは以前から私も「面白いなぁ」と思って見ていたところでした。



これはベルリンの歴史博物館に展示されていたルイゼ王妃のガウンと肖像画…彼女は紫を好んでまとった、と言うのですが、写真のガウンはもはや色あせてしまって。

もうひとつ、あぁこの作家ならではだなぁと思ったのは、15章〜16章、プロイセン軍が旧ポーランド領を敗走していくくだりです。
主人公のローレンスはプロイセン側として参戦しており、前述した通り、プロイセンの主要人物と親しく言葉を交わす立場にあるのですが、敗走するプロイセンに冷たい仕打ちを向ける旧ポーランド領の住民たちも、作者は公平な目をもって描いています。
歴史の正義は立場によって異なるものですが、ことポーランド分割については、やはり義はプロイセンの側には無いと思われるので、この描き方は正しいと思います。
テメレア戦記の作者ナオミ・ノヴィクさんはポーランド系アメリカ人なのですよね。

1772年〜1795年にわたり、ポーランドを囲む超大国ロシア、オーストリア、プロイセンは選挙王制をとるポーランドに干渉。当初は国境に隣接する領土から少しずつ獲得を始め、1795年の第三回ポーランド分割の結果全てのポーランド領を三分割、三国の支配下におさめました。ここにポーランドという国は消滅することになったのです。
しかしその後、このテメレア戦記靴砲睇舛れているプロイセン、ロシアのナポレオン軍への敗北の結果、一時的に旧ポーランド領はワルシャワ公国として復活します。
しかしこのワルシャワ公国も1815年、ナポレオンの敗北とウィーン会議の結果、解体。
ポーランドが再び独立を回復するのは1919年、第一次大戦の終結まで待たなければなりませんでした。

そして20世紀もポーランドの苦難は続きます。1939年第二次大戦勃発と同時にポーランドはまたもやドイツとロシアに分割占領されることとなり、戦後は東ヨーロッパ諸国の一つとしてソ連の鉄のカーテンに覆われていました。
ノヴィクさんのご先祖がアメリカに移住された経緯はわかりませんが、20世紀のポーランドの悲劇が何らかの形で影響を与えているだろうことは容易に想像がつきます。

アンジェイ・ワイダ監督の「パンタデウシュ物語」という、ナポレオン戦争時代のポーランドを舞台にした歴史映画があるのですが、これを見ると、ポーランドの人々が、プロイセンとロシアを打ち破ったフランス軍を救世主のように迎えるさまが描かれており、これまで英国海洋歴史小説で読んできた世界とは180度異なるその歴史観に驚かされます。

そのあたりやはり、ポーランド人の末裔たるノヴィクさんには多少の思いがあるのではないでしょうか。


最後にひとつおまけです。
最後にバルト海のシーンで登場する74門艦ヴァンガード号は、一応あのヴァンガード号…地中海でネルソン艦隊にあり大活躍をしたあのヴァンガード号の筈…というかつもり、だと思います。
1806年のこの時代にH.M.S.Vanguardの名を冠する艦はあのヴァンガード号しかありませんし、
でもちょっと奥歯にものがはさまった言い方になっているのは、あのヴァンガード号は1806年にバルト海にいなかったであろうことがわかっているからです。1805-07年はプリマスで修理中…ゆえにこれはノヴィクさんなりのお遊びということかもしれません。
…やはり「有名どころ」ですし、ヴァンガード号。


2010年01月03日(日)
1月11日マスター&コマンダー放映 NHKBS2

新年、明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

新春初めてのニュースは、
マスター&コマンダー、NHKBSにて放映、です。
1月11日(月) 午後9:00〜午後11:20 衛星映画劇場 NHK BS2
衛星映画劇場マスター・アンド・コマンダー

去年放映のあったBShiビジョンより少しアクセスしやすくなったでしょうか?
新春早々、なつかしい映像を堪能したいと思います。

この情報はTさんからいただきました。ありがとうございました。

昨年末から年越し宿題になっている「テメレア戦記掘廚砲弔い討蓮¬斉の更新をお待ちください。


2010年01月02日(土)