Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
カティサーク号に新たな問題
バンクーバー・オリンピックは間もなく閉幕しようとしています。 次のオリンピックは夏の開催で、2012年ロンドン。
この開催に合わせて、先日、英国のゴードン・ブラウン首相は、「カティーサーク号を過去の栄光の象徴として、2012年夏までに復元する」と宣言しました。 ところが、また新たな問題が発生しているようです。 これに関する英Telegraph紙の記事はこちら↓。 Cutty Sark restoration turning into a fiasco
カティサークの復元を担当していた技術主任が辞任しました。 理由は、現在進められている復元方針は、船体に多大な負荷をかけることになるというのです。 復元後のカティーサークは船底を架台で持ち上げ、見学者が下からも船底を見上げられるようにするとのことですが、この架台が船体の骨組構造に過大な負荷をかけることがコンピューターシュミレーションの結果わかったとのこと。
また修復費用も当初の予想以上にかさんでいることから、前途はなかなか多難なようです。
船体構造の専門的なことは私にはわかりませんが、 もともと水で浮力を得ていたものが、架台に乗り自重がかかるようになると、構造強度が変わるのでは?というあたりは素人でもなんとなく思い当たることで、 もっともそれ以前に、カティサークのキールを塩水から永久に引き上げてしまうこと事態が、何だか寂しいことのように思われますが。
オリンピックまであと2年です。果たして復元は間に合うのか? 注意深く見守っていきたいと思います。
2010年02月28日(日)
KIRINハイボール号はサプライズ号
今週から首都圏ではJRの駅構内や車内に「あれ?」と思うポスターが掲示されています。 KIRIN「世界のハイボール」というカクテル飲料のCMなんですが、これにどこかで見たような船の写真が。
ナインティナインの岡村隆史が、新しい酒を求めて世界を旅する商人に扮し、新たに発見したカクテルを帆船で持ち帰る…というストーリーのCMですが、 この船(KIRINのHPではハイボール号と呼ばれている)に扮している(?)のが、実はサンディエゴのサプライズ号なのです。
詳細はKIRINのホームページを。 http://www.kirin.co.jp/brands/highball/index.html
「CMギャラリー」のページからは15秒のCMも見ることができます。
キリンビールの提供番組は、 ニュースジャパン、日曜洋画劇場、金曜洋画劇場などがあるそうですが、上手くテレビCMに当たるでしょうか?
「ダウンロード」のページからはハイボール号(サプライズ号)の壁紙もダウンロードすることができます…が、 何故か不思議なことに、未成年の方はこのダウンロードを利用できないそうです。 最初私は、何かやばい映像でも(女性が見るとまずいとかそういう?)出るのかと思ってどきどきだったのですが、 どう見てもサプライズ号しかありませんし、何故これが未成年不可なのかよくわかりません。 このカクテルそのものを未成年が飲んではいけないというのはわかるのですが、サプライズ号に罪はないと思うんですけど。
この情報はSさんに教えていだきました。ありがとうございました。
2010年02月21日(日)
ギャラクティカ シーズン2、16日より放映
2008年6月1日の日記で、ご紹介した「ギャラクティカ」 昨年のシーズン1に引き続き、来週火曜日からシーズン2の放映が開始されます。
日本テレビ 毎週火曜深夜 25:29〜26:24 第1回(2月16日)のみ25:39〜26:34
詳細は下記日本テレビのHPをご覧ください。 http://www.ntv.co.jp/galactica/
ギャラクティカの魅力については、上に揚げた2年前の6月の日記で語ってしまったので、再度細かくは語りませんが、 航宙艦を舞台にしたこのドラマの魅力は、海洋小説の魅力と共通するものがあるので、 個人的には、ガンダム・シリーズと共通する魅力もあると思ってます…もっともこれは私がガンダムを海洋小説的人間ドラマとして見ているからだけれども。
ところで、11日にご紹介したシャクルトンの、ウィスキーが発見された小屋ですが、 これはドラマになった1915年の第3回の南極探検ではなく、1907年の第2回の挑戦の時のものだ、と教えていただきました。 ありがとうございました。
…というわけで、あのドラマのストーリーにこの小屋を探しても登場しません。 残念。
2010年02月14日(日)
シャクルトンのウィスキー
このニュース、昨日のyahooのサイエンスのところにあったのですが、 100年前のウィスキーとブランデー、氷の中から発掘 おやおや、まぁまぁと。
シャクルトンとエンデュアランス号の南極探検はA&E製作のミニドラマになっていて、 むかし、NHKで放映されました。調べたらまだHPが残ってましたよ。 シャクルトン・南極海漂流からの生還 M&Cで海兵隊長を演じたクリス・ラーキンが出演していたので、むかしこのHPでもご紹介したことがあります。
いやでも、何と言っても主演のケネス・ブラナー(シャクルトン役)が素晴らしいのですが。
この記事に言う小屋って、皆が籠もっていたあの小屋でしょうか? でもこの記事、シャクルトンはSir Ernest Shackletonですから、たぶん卿ではなくてサーなのでは?と思いますが。
ネットをさがしてみましたら、BBCの記事がありました。小屋の写真入りです。 Shackleton's Whiskey to be dug up 意外と小さいですね。これって最後に少人数で助けを呼びに行ったメンバーが使っていた小屋でしょうか?
この英文記事の最後のコメントが英国系らしくて微笑えます(コメントしたのはニュージーランド人ですが)。 「個人的見解としては、彼ら(シャクルトン隊)はおそらく、何かの間違いで置き去りにしたんだろう。だって、2箱ものウィスキーが手つかずだったなんてことはありえないだろう」
2010年02月11日(木)
オブライアン掲示板のメノルカ旅行記
しばらく前のオブライアン掲示板情報ですが、 マーク・ヘンリーさんと仰る方の、写真満載のレポートが、3回に渡って掲示板に書き込みされました。 船旅の途中に、M&C1巻の舞台メノルカ島を訪問されたそうです。
ヘンリーさんの船はロンドンのグリニッジから出航し、イギリス海峡を下り、地中海に入り、エーゲ海をぬけて、黒海のセバストポリに至3ヶ月以上の航海で、これだけの長旅を奥様と楽しむ余裕がおありということは、定年退職された裕福なアメリカ人の方なのかしら?と想像しますが、 でもこのメノルカ島レポートを読んでいると、オブライアンの小説から、あのシーン、このシーンと引用しながら当時のメノルカを想像されている様子がとても他人事とは思えず、 (…まぁ私も、マルタ島で同じようなことをした身に覚えがありますので) なんだかとても身近な方のように感じられてしまいます。
1回で全部ご紹介しようかと思ったのですが、ちょっと引用も長くなるので、今回は最初の書き込みのみ。 以後、急ぎのニュースの無い週に1回ずつご紹介していこうかと思います。
まずこちらのページにアクセスください。 Visit to Port Mahon – 1. The Harbor
可能でしたらPCの画面上にウィンドウを2つ開いて、上記ページを見ながら、この先をお読みください。
1枚目の写真は、ポート・マオンの港内全体図、 マークさんの船は外洋からポート・マオンに入港します。
M&C1巻(上)P.117 モラ岬が左舷艦尾斜め後方にあった。広い湾の湾曲した北岸に沿った丘陵や谷が引き起こすやっかいな突風や凪も、今は彼らを痛めつけず、ソフィー号はイタリアを目指しひた進んでいた。
2枚目の写真、右舷はモラ岬。 ジャックたちは出航していくので、針路はこの写真とはちょうど逆になりますね。
3枚目は湾奥をのぞむ。
4枚目と5枚目は、Illa del Llatzaret(Quarantine Island)、検疫島です。 この話は、M&C1巻(上)P.253に出てきます。
地中海(リオン湾の沖あたり)で、ソフィー号はバーバリー(北アフリカ)のフェラッカ船を発見、船は難破したか甲板に人が倒れている。望遠鏡をのぞいたスティーブンはそれを疫病の死者だと見てとり、まだ生存者がいるかもしれないから、自分は治療のために向こうの船に渡るというが、ジャックはすぐに針路変更を命じる。 何の救助をせずに一目散に逃げるこの決定にスティーブンは反対するが、ジャックはこう応える。 「あのフェラッカに君が足を踏み入れたが最後、われわれはマオンで黄色旗を揚げなければならない。40日もの長い期間、検疫島に足止めをくらって、囲いから迷い出れば銃殺だ」
…これがその検疫島だそうです。二重の城壁に囲まれているそうですよ。 この城壁は、外敵から島を守るためではなくて、島の中の疫病人を逃がさないためですかね?
6枚目と7枚目はポート・マオンの岸壁です。 つづきは上陸編です。
2010年02月07日(日)
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