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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
マニアもキャリア

今週はこれと言ったニュースがありません。
…ので、と続けるか、しかし、と続けるか悩むところですが、
わたし的には昨日、びっくりなマニア体験をしましたので、個人的ですがそのお話など。

昨日、駅前のショッピングセンターを通りかかったら、CD・DVD店の店頭で半額ワゴンセールをやってました。
のぞいて見たら、映画的にはあまり面白いのがなかったのですが、アニメ「Zガンダム」の通常版が何巻分が混じっているのが目についた。
あら懐かしい!これってテレビ放映は1984年?85年?ですから…かれこれ25年前になるんでしょうか?
「Zガンダム」までは見てたんだけど、その後見なくなって…というのは私の世代には多いのですが、私もその一人。

私の場合、その後2004年になってから、昔の友人に勧められて「ガンダムSEED」を見て、また面白くなってシリーズを見直すようになり現在に至る…海洋小説ファンとして見ると、なかなかガンダムって面白いと思うんですが、それは以前に一度ここで書きましたので(2004年12月11日の日記)ここでは省略します。

まぁそれで、半額だと言うし、1本くらいDVD購入して見てみようかと、
懐かしいのと、それから今放映中の「ガンダム00」はZに設定が似ている(=地球連邦軍内の特別治安維持部隊が暴走するところが)ので、昔ってどうだったのかしら?という興味もあって、その場にあった数巻から厳選して1巻だけ買ってきました。
4巻(第11話〜14話:ジャブロー降下作戦の「大気圏突入」から、「アムロ再び」まで)…御存じの方には>妥当な選択でしょう?

海洋小説ファンとして、「びっくり!」したのは、第11話の冒頭…航宙艦アーガマの艦長交替。
この回からブライト・ノアがアーガマ艦長に着任しますが、新艦長が格納庫に入ってくるところと、前任艦長のヘンケンが退艦するところで、背景の効果音にボースンズ・パイプが鳴ってます。
とても地味に…というのは、このシーンには全員が整列、というような昔通りの着任儀礼がありません。前艦長は「見送りはいいから」と言って、さっさと一人で連絡艇に乗り込んでしまいますし、
ただ、画面をよく見てみると、後ろの衛兵が、何か口に当てている…たぶんこの人がボースンズパイプを吹いているんでしょう。
なんとまぁマニアな…ちょっと頭を抱えてしまいました。

私が初めてボライソー・シリーズを読んだのは、1984年の1月ですから、「Zガンダム」の本放送当時、私はなりたてほやほやですが一応もう歴史海洋小説ファンでした…でもこれには気づかなかった。
なぜって、当時はボースンズパイプがどういう音のものか、耳にする機会がなかったので、知らなかったのです。
ボースンズパイプは「呼び笛」と訳されることもあるので、私はもっと甲高いバグパイプ的な音かと想像していました。
私が初めて、ボースンズパイプのホンモノを聴いたのは、1998年にホーンブロワーがTVドラマ化された時。
やわらくてちょっともの悲しくて独特の、素敵な音ですよね。

歴史帆船小説だけではなく近現代の艦船などにも興味あって、自衛隊の公開イベントなどにも行っていたりしたら、もっと早くこの音を聴く機会もあったのかもしれませんが、帆船だけ見ていると、その機会には恵まれず、
アニメのこのシーンも、皆が整列して派手に着任儀礼を行っていたら気づいたのかもしれませんが、こんな地味なシーンで音だけホンモノでは…これはもうまさに「わかる人だけわかってください」のマニアな世界(苦笑)。

恥ずかしながら、これに気づくまで四半世紀…25年かかってしまいました。
当時の製作スタッフの皆様>目だたぬところでこんな細かいところまでこだわっていらしたんですね。
これまで気づかず、本当に申し訳ありませんでした。

いやでもこれって、キャリア1年以下の新米海洋小説ファンだった当時の私には、気付けと言ってもムリですよ。
マニア社会も経験の積み重ねなんだなぁとつくづく思い知った次第です。
ちなみにこの手の仕掛けは「ガンダムSEED」にもあって(地球連邦軍の艦名など)、この時は私も歴史海洋ファン歴20年になってましたからさすがに気づきましたが、
私の知識は200年前中心なので偏ってますが、近現代の艦船に詳しい方にはきっともっと発見があるのだろうと思います。
製作スタッフにもお好きな方、多いんですね。


2009年02月22日(日)
今年の伊東屋模型展

今年の伊東屋帆船模型展は、終了直前にしか行けず、
今からではもう事後報告になってしまいますが、
遅ればせながら、今年の展示物から、この時代の英国艦船好きには面白かったものを、ご紹介です。

他にも様々な時代の素晴らしい作品が沢山ありましたが、あまりのも多数に及ぶので、残念ながら、今回は同時代の、それもちょっと珍しい視点の模型のみ…ということでお許しください。

ビクトリー号の艦載艇。
ビクトリー号そのものの模型は、模型展では何度も拝見していますが、艦載艇の模型はちょっと珍しく、


細部も精巧に再現されています。



レゾリューション号:ボライソーシリーズなどによく登場する18世紀のカッター艦ですが、まっぷたつにされているので甲板下の様子がよくわかります。

ギャレーのストーブや、水兵さんたちの食事テーブルなども再現されているのが嬉しいところ。



2009年02月15日(日)
4代目ビクトリー、英国海峡で発見

英国海軍にH.M.S.Victoryの名を冠する艦は6隻あります。
初代はエリザベス女王の時代に建造された42門艦、現在ポーツマスの乾ドックにあるネルソン提督の旗艦ビクトリーは6代目。
1737年に建造された4代目H.M.S.Victoryは砲100門を有する一等級艦でしたが、1744年に英国海峡にて座礁沈没したと伝えられてきました。

昨年、アメリカの海底探査会社が英国海峡の海底で沈船を発見、大砲の一部を引き揚げ調査したところ、このたび4代目ビクトリー号のものと確認されたとのことです。
米国のパトリック・オブライアン・フォーラム(掲示板)で先週、このニュースが話題にのぼっていました。

詳細記事(英文)はこちら
BBC News Mighty' HMS Victory wreck found
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/guernsey/7866103.stm


この沈船が4代目ビクトリーと確認されたことで、当時この艦を指揮していた提督Admiral, Sir John Balchinの名誉も250年ぶりに回復されました。
当初この艦はAlderneyの北西に位置するCasquets群礁に座礁し沈没したと考えられていて、Balchin提督の針路選定の誤りが指摘されていました。
しかし今回発見されたビクトリーの沈没位置は、Casquets群礁から100km離れており、このことから針路選定に関しBalchin提督に落ち度がないことが証明されたとのこと。
Balchin提督の子孫に当たる Sir Robert Balchin は、これについて「家族の一員として私は常にSir Johnを誇りに思って来たが、彼が優れた提督であることがやっと証明された」と語っています。
(Sir Robert Balchinはブルネル大学総長を務めた教育者で、長年の教育界での功績を認められ2006年にナイト爵位を得たとのこと。ご先祖とは別の道を歩まれているようですが)

…このあたりが何か、つくづく、英国の海の伝統がかいま見られるエピソードで、
あの国ならでは、と感心するところです。


2009年02月08日(日)
明日のバウンティは延期のようです

土曜日曜に新聞についてくる「週間TV番組表」をチェックされる方は、明日午後1時〜NHKBS2に「戦艦バウンティ号の叛乱」という文字があったことに気づかれたと思うのですが、

これをご紹介しようと思っていて、先刻NHKBSのHPに行ったところ、放送予定が消えていました。明日午後1時からは「国会中継」になるそうです。
放映が何時に延期されるのかはまだわかりません。
とりあえず録画予約を取り消しにしなければ。


ゴールデングローブ賞授賞式を見ました。
「ジョン・アダムス」の紹介は1分ほどであまりに短く、内容をかいま見るには足りませんでしたが、受賞者のスピーチなどからわかったことは、
このドラマはDavid McCulloughの「John Adams」をもとに脚色されたドラマであること。この原作はとても良い本なので、ぜひ読むべし!とプロデューサー氏が語っていたことです。
この本について詳しくは題名の部分をクリックしてくださいませ。

ミニドラマ部門は力作・問題作が多数ノミネートされており、その中で賞を勝ち取ったということは、これが優れた作品であった証明でしょう。
前回の大統領選挙の票集計トラブルを真っ向からとりあげたドラマ「Recount」と拮抗していたようですが、こちらも問題作のようで一度見てみたいドラマですね。
映画作品賞の方にはロン・ハワードの「フロスト・ニクソン」がノミネートされていましたし、時節柄ことしは政治ドラマが多いようですね。


私事ながら、
土曜日にスポーツクラブで運動中に足に怪我をしてしまいました。
時間外診療に行ったら、とりあえず動かさないように固定されてしまって、日曜は動かさないで月曜になったら整形外科に行ってください…と。
でも固定されてしまうと上手く歩けないので、松葉杖を貸し出されましたが、3週間ほどで治るそうなので、骨や腱がどうこうという大げさな怪我ではありません。

アーサー・ランサム ファンとしては、松葉杖をもらったら宝島のジョン・シルバーごっこをすべきなのでしょうが、扱い慣れていないのでまだとてもそんな余裕はありません。
というより、彼らは片足・松葉杖で傾く船の甲板を歩き回ったりするんですよ…それってとんでもなく凄いことです。怪我して初めてわかりました。
シルバーのみならず、ボライソーの片足の副長ジェスロー・ティロルにも深い尊敬の念をささげます。


2009年02月01日(日)