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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
海洋画展と上陸休暇のおしらせ

7月に東急本店画廊で個展を開かれた勢古宗昭氏、9月3日〜29日にかけて、神奈川県横須賀市の記念艦「三笠」艦内で、海洋画展を開かれます。

勢古宗昭海洋画展 "大海原と潮風と船にロマンを求めて"
2006年9月3日(日)〜9月29日(金)会期中無休 午前9時〜午後5時30分(最終日は午後3時まで)
記念艦「三笠」への入場料500円が必要となります。
記念艦「三笠」 神奈川県横須賀市稲岡町82−19(横須賀中央駅徒歩15分)

今回は毎年の個展以上の数の作品が揃うようです。
少し涼しくなったら、休みの日に横須賀まで行ってみようかと思っています。


さて、ファンタジー映画「黄金の羅針盤」に出演の噂があったポール・ベタニーですが、次作はどうやら別のファンタジーとか。
「Inkheart」というアメリカでベストセラーになったファンタジーの映画化にブレンダン・フレーザーと共に名前が挙がっているそうです。
しかし何の役? まさかお父さん???

映画ねたと言えば、20日発売の映画雑誌「FLIX」に、ヨアン・グリフィスのバーバリー・フォー・メンのグラビアが出ていました。
端正で硬質だから、こういうのぴったりですよね。一緒にジョナサン・リース・マイヤーズのヴェルサーチの記事も出ていたのだけれども、こちらは僅かにワイルドなところがまた合っていて、眼福でございました。


秋の虫も鳴き出して、東日本ではもう秋の気配ですが、やっと私の夏休みの番がまわってきました(うちは交替で休みをとることになっているのです)。
今週半ばから9月第一週の週末にかけてやっと夏休みです。少し遠出します。きっぱり休みます!
休暇先にPCを持って行ったり、ネットカフェをのぞいたりはしない!(予定)なので、来週の更新はお休み、今週から来週にかけてはメールなどのお返事も滞ることがあると思いますが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。


2006年08月27日(日)
ミステリチャンネルでJ.ダーシーのホームズ

ケーブルテレビでミステリチャンネルがご覧になれる方のみの特典になってしまいますが、
M&Cで副長のプリングスを演じたジェームズ・ダーシー主演のTVドラマが来週末から放映になります。

ヤング・シャーロック・ホームズ 対決モリアーティ教授
8月26日(土)20:00〜22:00
 再放送:27日(日)9:00〜、30日(水)23:00〜、31日(木)14:00〜

ホームズがジェームズ・ダーシーです。詳細はこちら
http://www.mystery.co.jp/program/young-sherlock_holmes.html
いや、いいんですけど、ちょっと紹介文を読んでいるとこちらが恥ずかしくなって…しまう必要はないんですけど。

この情報はTさんにいただきました。ありがとうございました。
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先週、NHK総合地上波で「宇宙へ」という米ソ宇宙開発競争時代の英BBC制作ドキュメンタリードラマを放映していました。
主要俳優さんに海洋関係で知られた名前があったわけではなく、ただテーマに興味があったので(「ライトスタッフ」とか「アポロ13」など好きでしたので)録画していたのですが、最終回だけ英文エンドロール(スタッフ・キャスト一覧)がついていました。
そしたら、何と、原語版のナレーターにロバート・リンゼイのお名前が。
まぁ、ペリュー提督! そうとわかっていましたら、原語で聴いておりましたのに。


18日放映の「ロック・ユー」、
ポール・ベタニーの吹替は山寺宏一氏でした。
声質は全然違うんですけど、あまり違和感がなかったのは、
見事に原語とセリフのトーンが合っていたからではと。

もちろん、英語と日本語ですから、抑揚とか強弱は全く違うんですが、フレーズ単位の緩急やトーンが上手く合っている。
そのために全体のトーンに違和感がないんです。
山寺氏は、七色の声の持ち主として有名で、吹き替えの世界では引っ張りだこの方ですが、声そのものは七種類もあるわけではない。
ただ緩急を上手く原語の俳優さんにあわせてしまうから、七色のように聞こえるのでしょう。
これも芸なのでしょうけど、凄いものですね。
唯一難点を言えば、声を張った時ちょっと格好つけすぎかな。声優さんはもともと声ハンサムさんだから凄く格好良い声が出るんですけど、ポールって悪声だから、声だけだとあんなに格好よくはないんじゃないかと(苦笑)。


2006年08月20日(日)
アラトリステ(原作)

アルトゥーロ・ペレス・レベルテの「アラトリステ」
7月末に単行本が出たとMさんのブログで教えていただき、本屋で入手。
ごぞんじの方が多いと思いますが、この作品ヴィゴ・モーテンセン主演で映画化されて、9月のトロント映画祭でお目見えです。

1620年のスペイン・マドリッドを舞台にした歴史小説…というより時代小説。
私はこの作家、スペインの池波正太郎だと思いました。
当時のマドリッドの街の雰囲気を実によく伝えてくれています。池波氏の小説に江戸の風情を感じるように、アラトリステには当時のマドリッドの空気があるのです。

またこの作品は、ちょっと古風な冒険小説の味わいもありますね。
主人公のアラトリステは、その剣の腕を買われ雇われ仕事も引き受けますが、彼の中には歴とした彼なりの道徳律があって、それに背くような行動をとることはありません。
その見事なまでの自分律がすがすがしい。
それは不器用な生き方ではあるけれど。
時代を超え、国を超え思い出すのは、ギャビン・ライアルの「深夜プラス1」の主人公カントン。
「仕事」に対し自分律を貫く姿が同じです。

これが日本の時代小説であれば、そのふるまいに武士道であるとか、卑怯なふるまいはしないであるとか、何らかの理屈がつくのでしょうけれど、
寡黙なアラトリステはそれに名前をつけようとはしませんし、それはまた騎士道と呼ばれるものとも異なるような気がします。
この小説の魅力はずばりディエゴ・アラトリステというキャラクターの魅力でしょう。

ただしストーリーそのものはかなり淡々と進みます。
これをそのまんま映画化したら、かなり地味な映画になるのではないかと思いますが、いかがでしょう?


2006年08月19日(土)
時をかける少女

レディスデイに新宿3丁目に用事があって、じゃぁ帰りに映画と思ったのですが、海賊映画もゲドもまだ混んでいると思ったので、じゃぁ評判の「時をかける少女」でも
…というこの判断は混み具合からすると大間違い。「お立ち見でもよろしいですか?」と言われてしまいました。
どうも最近、私の読みははずれてばかり。
まぁしかし、その時点で上映開始時間の関係上、もう他には行けなかったので「立ち見」してきました。

評判通り、たいへん良く出来たストーリーでした。
原作、そして20年前の角川映画のヒロインだった芳山和子(今は30台後半の博物館学芸員になっています)の姪が主人公…という、今回は言わば続編ですが、この映画がむかしのファンにも評価されている理由はわかります。

今回の映画化はアニメーションですし、製作者の観客ターゲットは今の若い人たちなのでしょうけれど、20年を経た中年世代が見ると、年月を重ねた、または、もう若い時には戻れないからこそ見えてくるものもあって、これはタイムリープをテーマとした映画ならではだと思います。
いやぁトシとるって、映画を見る上ではいいことですね、なんてしみじみ。
夜の回を見に行ったこともありますが、観客の年齢層が高い。男の人が多い。…この人たちきっと、昔の大林監督・原田知世主演の前作ファンだったのよね。

アニメーション映画ではありますが、背景その他のロケハンがしっかりしていて、現代の東京の存在感があります。
声の出演も、声優経験のない俳優さんを起用、主人公やその友人たちを演じているのは皆さん現役の高校生女優さんたち。
それがこの映画のリアルな魅力になっているのですが、でもそうなると、では何故アニメーションの必要があるのかしら?とも考えてしまう。

そもそもこの「時をかける少女」というのは、最初はNHKの少年ドラマシリーズだったんですよね。実写のリアルさが魅力だった物語です。
だからこそ、アニメであってもリアルさを求めるのだろうけれども、でもそれって何か、アニメがアニメである必然を自ら否定しているような?
それもまた一つの演出的挑戦なのでしょうか?


2006年08月18日(金)
米トラファルガー200年展カタログ

アメリカの海軍大学(Naval War College)と、ブラウン大学が共同で開催した「トラファルガー200年記念展」のカタログが、PDFフォーマットでネット上に公開されており、ダウンロード可能だそうです。
このカタログ、96ページもあるんですよ。絵画などの図表も豊富。
ごっそりいただいて(ダウンロード)しまって良いのでしょうか?

アドレスは下記です。
http://www.nwc.navy.mil/museum/Trafalgar/trafalgar%20catalog.pdf

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今週の金曜日18日地上波、日本テレビ読売系の金曜ロードショーは「ロック・ユー」。
ポール・ベタニーのチョーサーがご登場です。

テレビ東京の17日、木曜洋画劇場は「K−19]ですが、これは全国放映になるのでしょうか?


2006年08月13日(日)
今頃やっとダ・ヴィンチ

今さらですが、やっと行きました。ダ・ヴィンチ・コード。
もう空いているかと思ったのですが、予想は大はずれ。日比谷スカラ座が満員で入れず上映時間が1時間半後だった品川プリンスシネマにまわる羽目に。
まぁレディスデーだったということもありますが、皆さん>海賊映画やMI3に流れてないの?まだダ・ヴィンチなの?びっくり。

いろいろ評判が耳に入っていたのですが、個人的には「さすがロン・ハワード。アキバ・ゴールドマンの脚色ってわかりやすい。それでいて決して派手さや過激さでアピールしようとしないし、この二人ではなかったら、もっととんでもないダ・ヴィンチになっていたのではないの?」と納得して帰ってきました。満足です。
私は原作を読んでから行きましたから、一から理解する必要がなかったことはありますが、謎ときのテンポも良く、リー・ティービングの書斎での解説もグラフィックを使ってわかりやすくなっていて、すんなりついていけました。
ドラマチック・ストーリーではなく、ドキュメンタリー・タッチに仕上げてあるところが、さすがロン・ハワード監督ですよね。
BGMが終始おさえ気味で、物語が淡々と進んでいく、クライマックスのソフィーが自分が何者であるかを知るところも、静かな画面であるからこそ事実がすとんと落ちてくるというか、それでもカンヌの試写会では失笑した人がいたそうだけど、あそこで盛り上げられたらそれこそ失笑では済まないだろうと思うので。

ヨーロッパの名所旧跡も魅力的に撮影されていたので楽しめました。
と言っても私が実際に行ったことがあるのはルーブル美術館だけですが、綺麗に撮ってあったので感心。
ピラミッドのシーンといい、照明が効果的ですよね。
ラングドンとソフィーがルーブルの館内を、ニケの像(だと思うんだけどヴィーナスだったかな?)の階段を駆け下りて逃げいくところ。あそこって本来は平凡な照明で、あんなに綺麗なところではないんですが、撮影用照明の立体感で建物全体が見事にライトアップされて、もとは宮殿だったというルーブルの魅力を再認識しました。
というか、見学に行った時にはあそこが宮殿だったという認識が無かったのですが、今回つくづく「あぁルーブル宮って宮殿なのよね〜」と感心。
いやいや、良いものを見せていただきました。

セリフが原語なのも臨場感があって良いですね。
シラスとアリンガローサの会話は何語なのでしょうか?イタリア語?
何言ってるのかさっぱりわからないところが不気味。でも久々に聴くポールの声はやっぱり好きだわ(こらこら)。
もちろん、ここにマチュリンを重ねてはいけないことはわかっていますが、冒頭の館長殺害部分(銃で格子の間から狙いをつけるところ)で一瞬。
「スティーブンの射撃ぶりには、どこか爬虫類を思わせる、愉快でない感じがあった」
という一文がぱっと頭に浮かんで。
「足下を固め、ピストルを持ち上げ、淡い瞳が銃身の先を見つめた」
シラスは瞳の色が薄いのです。あぁジャックが2巻で言っていたのってこういうことなのね、と。
はい、わかってます。映画が違います。

最後に、上映前後に世界各国で問題となった「この映画におけるキリスト教の描き方」について。
私はクリスチャンではありませんし第三者の立場から見た意見になりますが、
「大人の判断力を持ち、真摯に宗教を信仰する人であれば、この映画を見てキリスト教やカトリックを誤解することはありえない」と断言できると思います。
その意味では、上映禁止運動に対してこの映画を成人指定にしたフィリピン政府の判断が一番理にかなっているのではないかしら。
その判断力を持たない人が、映画の一面だけを見て、過剰に反応しているだけではないかと思います。
それらの方たちは、一見すると熱心な信仰者のように見えるかもしれませんが、歴史書で言う中世の異端審問摘発のようなもので、本当の信仰とは言えないのではないか?とクリスチャンではない第三者の立場からは思えるのですが…だってイエス・キリストは「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」とおっしゃった方だと私は聞いてますけど。

キリスト教の信仰についてはともかく、信仰全般について言えば、最後にラングドンがソフィーに語ることは真実だと、いちおう仏教徒の私でも納得します。
井戸に落ちてすぐに助けが来なくて、絶望にとらわれそうになった時に必死に祈った、そうしたら誰かが側にいて守ってくれるような気がした…とラングドンは言うのですが、これはあらゆる宗教の真実ではないかと思います。


2006年08月10日(木)
あひるのアルマダ(無敵艦隊)

10,000羽のあひるの無敵艦隊が、英国に押し寄せてくる!

先週末に米国ノートン社のオブライアン・フォーラム掲示板に書き込まれた話題です。
一見これは「間抜けなくまのジャックねた」のように見えますが、実は大変まじめな「ナチュラリストのスティーブンねた」です。

なんと実はこのアヒルたち、14年間、3万5千kmの航海の果てに英国にたどりつくのだとか。

1992年のこと、中国からアメリカに向かう貨物船が、太平洋の真中、日付変更線付近で嵐に遭遇しました。
この嵐で積み荷の一つである大型コンテナが壊れ、中に納めるられていた「お風呂用おもちゃ」29,000個が太平洋に投げ出されることに。
中国の工場で生産され、アメリカに輸出されることになっていた、お風呂に浮くあひる、かめ、かえる、は、太平洋を循環する海流に乗って航海をする運命となりました。

実は世の中には、このような海洋浮遊物をトレースして海流の研究をしている機関があるそうで、約3万匹のあひる、かえる、かめetc.は以来その動きをモニターされることになりました。
最初の3年間で、あひるたちは海流に乗り、環太平洋を1万1千km航海しました。
インドネシア、オーストラリア、南アメリカ、ハワイ、1日約11kmの速度で。

1993年、約1万匹のあひる達が、ロシアとアメリカの間のベーリング海峡で海流からはずれ流氷に閉じこめられました。
流氷はゆっくりゆっくり移動し、5年間かけてカナダの北をまわって大西洋に向かい、グリーンランド近辺で溶けました。
今や1万匹のあひるの無敵艦隊は大西洋の海流に乗って、英国をめざして南下しつつあるところです。

こ、こんなことって…本当にあるんですね。
いや本当にあるんですよ。嘘だと思ったら下記の記事を。
これら↓がネタもとです。

Drake's other Armada
http://www.mailonsunday.co.uk/pages/live/articles/news/news.html?in_article_id=397263&in_page_id=1770&in_a_source=

A Long Way from Home
http://www.csmonitor.com/2003/0731/p01s04-woeu.html

Wash up Duck!
http://www.sundaymirror.co.uk/news/tm_objectid=17431895&method=full&siteid=62484&headline=wash-up--duck---name_page.html

ところで、
さすがパトリック・オブライアン・フォーラムと思ったのは、すかさず「参照用」に下記のレスがついたことです。
太平洋と大西洋の海流図だそうです。
ご参考まで。

海流図 http://www.wwnorton.com/cgi-bin/ceilidh.exe/forums/POB/?C350e5a913KHc-6054-574+1e.htm

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来週末の更新はありません…たぶん。
更新おやすみの筈だったのに、ちょっとこのネタに感動してしまって。


2006年08月01日(火)