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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
おくやみ SF作家ディヴィット・ファインタック

アメリカのSF作家、ディヴィット・ファインタックが3月16日、61才で死去しました。

ファインタックは9冊のSF小説を発表したが、そのうちの7冊はニコラス・シーフォートを主人公としたスペース・オペラであり、これらはC・S・フォレスターの海洋小説ホーンブロワー・シリーズを思い起こさせる(reminiscent)作品だった。

ファインタックは作家であると同時に弁護士であり、古美術商、写真家としての顔も持っていた。
1944年生まれ。ニューヨーク州Yonkersに育ち、インディアナ州リッチモンドのEarlham Collegeを経て、ハーバード大学のロースクールにて法学の学位を取得している。
ミシガン州Mason在住。葬儀は3月22日正午から、Masonの教会にて執り行われる。

ニュースソース:Science Ficition and Fantasy Publishing News
http://www.sfwa.org/news/2006/dfeintuch.htm


ファインタックの作品は日本では、早川書房から翻訳出版されています。青背のSF文庫。
彼の作品には強烈な吸引力があって、ハマると強烈にハマる。絡めとられると逃れられない力があるのですが、一種独特の毒もあって、これが駄目な方には駄目だろうと思われる…好き嫌いのはっきりわかれる作家ではないかと思われます。

ファインタック作品一覧(Takashi Amemiya氏の翻訳作品集成リストより)
http://homepage1.nifty.com/ta/sff/feintuch.htm

このおくやみ記事にもある通り、ニコラス・シーフォートを主人公とした7作のスペースオペラ(シーフォート・シリーズ)は、フォレスターのホーンブロワー・シリーズに捧げられた作品です。
日本では、SF作品でホーンブロワー・シリーズの存在を知り、そこから海洋小説に入ってこられたファンの方にもおられます。
アメリカやオーストラリアでは、このシーフォートに限らず、古くは銀河辺境シリーズとか、最近はオナー・ハリントン・シリーズ等ホーンブロワーを出発点にしてその影響を受けた、または帆船が宇宙軍に発展した小説が決して少なくありません。

ファインタックのこのシリーズは、ですから、「ホーンブロワー」に影響を受けた一人のアメリカ人男性がフォレスターに捧げたオマージュ小説なのですが、
二度目にちょっと冷静になって再読すると(初読の時は私、強烈なキャラクターとストーリーに釘付けにされて、冷静に考えている暇はございませんでしたのよ)、こういう感想もあるのか、ホレイショという人物について、こういう受け取り方もあるのか、と考えさせられました。

ITVのテレビドラマ:ヨアン版のホーンブロワーでは、ホレイショがまだ年齢的に若いこともあり、「パナマ沖…」以降に顕著なホレイショ独特の性格についてはあまり前面に押し出されていませんが、ファインタックにとってはおそらく、その部分がホレイショの魅力というか共感できる部分だったのでしょう。
今にして思うと、同じ本を出発点としながら、テレビドラマの脚本家・プロデューサーと、フェンスタックの受け取り方の違いに驚くのでした。

それと同時に、こういう読み方をするファインタックっていったいどういう人なんだろう?という疑問が湧くわけですが、
今回のおくやみ記事を読んでわからなくなりました。
彼がシーフォート・シリーズを出版したのは1994年、12年前つまり49才の時なのです。
あの小説は40台後半から50台にかけて書かれているんですね。

私は今回、実は彼に従軍経験があるのか否か知りたかったのですが、このおくやみ記事ではそこまではわかりませんでした。
ファインタックは、年代的にはベトナム戦争世代なのですが。
弁護士をめざしハーバード・ロースクールに通いながら、彼自身はあの時代にどのような20台を過ごしていたのか。

ねたバレになるので、あまり詳しく語れませんが、シリーズの途中でシーフォートは部下を犠牲にせざるを得ない決断を迫られ、それが彼自身の人生の転機にもなります。
このあたりの描き方が、従軍経験者の書いた英国海洋小説とはかなり異なるような気がして、この点が私は気になっているのですけれども。

まぁともかく、1巻(上)を読んでみて、止められなくなったらそのままぐいぐい読み進んでくださいまし。
「これは合わない」と思われた方には、その先もっと辛くなるでしょうから、おすすめはいたしません。
表紙がハヤカワ青背にしては衝撃的な少女漫画風ですが、中身はハードで骨太です。男性諸氏>もどうか誤解して引かないでくださいまし。
ハヤカワ最大のミスマッチのような気がしないでもありませんが、この表紙で女性ファンを拡大しようとした英断は大したものだと思いますし、実際成功していると思います。

それにしても、61才は早すぎますよね。まだまだこれから、どのような作品が出てくるか、どきどき(楽しみというよりこわごわというか)な作家でしたのに…残念です。


2006年03月26日(日)
スワロウデイル「英国田園紀行」写真展

東急田園都市線江田駅近くのアンティーク・ショップ「スワロウデイル」(神奈川県横浜市青葉区荏田町)にて、「英国田園紀行」という写真展が開かれていることをKさんのブログで知り、21日までとのことなので、本日行ってまいりました。
「英国式自然の楽しみ方」などの著書のある写真家 中川祐二氏の写真展です。

スワロウデイル 写真展「英国田園紀行」のご案内
http://swallow-dale.sblog.jp/sb/log/eid557.html

英国湖水地方の写真展は他にもあれど、アーサー・ランサムにこだわりのある方の撮られた写真ならきっと、視点が違うだろうと思って。
湖水地方の写真というと、日本ではベアトリクス・ポターが有名ですから、ピーターラビット視点のものが多いのです。
ピーターラビット視点だと、おとぎ話に出てくるようなニア・ソーリー村=湖水地方というイメージなのですが、この視点はちょっと、実際よりはメルヘンでしょう…とずっと思っていました。
湖水地方はまた、詩人のワーズワースでも有名ですが、ワーズワース視点がひたすら湖水地方の風景美を追いかけるのとも違って、中川氏の視点は、ありのままのウィンダミア湖やコニストン湖を写し取っておられるように思います。

田園紀行ですから、湖水地方だけではありません。
ダートムーアで有名なデヴォンシャー、ウェールズなど他にも、美しい自然の風景がファインダーに切り取られています。
「ウォーターシップダウンのうさぎたち」で有名なハンプシャーのテスト川の写真もありました…が、これは川幅がだいぶ広いので、うさぎたちが住んでいたところ(バークシャー)よりは下流でしょう。

片隅の画面では、1974年に製作された「ツバメ号とアマゾン号」のTVドラマが上映されていて、幸運にもそのほとんどを見ることができました。
これを見て…というよりむしろ、聴いてびっくり!だったのですが、
この物語の中で子供たちは、探検家や船乗りの真似…というかごっこ遊びをし、ツバメ号とアマゾン号というディンギー(小型ヨット)を子供たちだけで自在に操ります。
このディンギーの操帆命令が本格的なのです。…というより、画面を見ないで音声だけを聞いていたら、あまりにプロフェッショナルで、きっと皆さんM&Cと区別がつかないだろうと思います。

用語だけではなく指揮系統…というのかしら? 船長をつとめる長男のジョンの命令一下、妹弟たちが機敏に転舵してロープをたぐり反対側の開きに乗せる、この円滑さと言ったら…、海軍さんも顔まけ。
子供の遊びとは言え、ヨットはヨット、ぼやぼやしていたら移動するヤードに頭をぶつけたり船から落ちたり、危険はすぐそこにあるわけですから操帆は真剣です。クルーの指揮系統は統一されていなければなりません。

このあたりは昔、子供のころ読んでいた時には全く気づかなかったのですが、大人になって幾多の海洋小説を読み、またホーンブロワーやM&Cなどの映画を見て、操舵指揮の実際を知ると、なるほど!と思うわけです。
長女のスーザンのポジションは船の航海士ですが、実際のところは副長ですよね(真鍮ならぬフライパンみがきにうるさいところも含めて)、長男のジョン船長はしっかり指揮官役を務めています。このウォーカー家4人兄弟のチームワークは絶妙です。
私はまだ「ナルニア物語」を見に行くことができないのですが、ペペンシー家の4人兄弟の場合はこれ、どうなっているのかしら?比較してみたら面白いかも…と思ってしまいました。


この写真展の会場ともなったスワロウデイルは、ヨーロッパのアンティーク家具、生活古道具、などを扱うお店です。

スワロウデイル・アンティークス
http://www.swallow-dale.com/

店内には味わいのあるアンティーク家具=ナルニア国に通じそうな洋服だんすや背もたれの彫り込みの素敵な椅子。昔ながらのキッチン用品(レモン絞り器とか)、食器やグラス、生活雑貨(アイロン置きとか)、などが並んでいます。
革製のケースに入った「ドクターキット」(ピンセットやはさみ等)などというものもありまして、ドクターお好きな方にはおすすめかも。
シャープが尻ポケットにねじこんでいそうな、アンティークなヒップフラスクもありました。
木製の滑車とか航海灯などもあるのですよ。

写真展は明日21日までです。
お好きな方、お近くの方はぜひぜひ足をおのばしください。


2006年03月20日(月)
エリザベス一世の映画とドラマ

英国海洋小説ファンにとっては、やはり、エリザベス一世と無敵艦隊の時代は特別なのでしょうか?

シェカール・カプールの「Elizabeth : the golden age」
続編作製の発表があった後、ぱたりと情報が途絶えていましたが、米国パトリック・オブライアン掲示板をチェックしていたら、英国ガーディアン紙の3月13日に記事が載っていたことを知りました。

the Guardian 2006.03.13
http://film.guardian.co.uk/news/story/0,,1729618,00.html

これによると、来月からケンブリッジとイーリーでロケが始まるとのこと。
物語は前作から15年後に始まり、アルマダ前夜までを、エリザベスとスコットランド女王メアリとの関係に触れながら描いていくとのこと。
メアリを演じるのはサマンサ・モートンだそうです。これは楽しみですね。

それにしてもオブライアン掲示板の皆様ときたら、この記事を読むなり無敵艦隊の話で盛り上がり…、あぁまったく海洋小説ファンときたら、洋の東西を問わず…、
でも、
「一隻の艦がホーン岬をまわって太平洋に行く映画でも1億ドル以上かかるのだから、アルマダの大艦隊が本当にできるわけないじゃないか」
という理性的書き込みがあってみなさま現実的になったようです。
やれやれですね。ま、私もアルマダ海戦はあの映画の本筋ではないと思うわ。

でもこの映画、imdbのデータベース(http://www.imdb.com/title/tt0414055/)では以前ペンディングのままなんですが、本当に大丈夫なんでしょうか。
ベタニー&コネリー夫妻+ジュード・ロウの「ブライズヘッド再訪」だって、タイムズ紙でロケの話が出ていたのに立ち消えになってしまってますから。
無事、撮影が進むことを祈ってます。


ところで、すでに放映が始まっているBBC2の長編テレビドラマ「エリザベス」(航海長とネイグルが出演している:1月18日の日記参照)は、オブライアン掲示板の書き込みによると、なかなか評判が良いようですよ。
DVDが出ることを期待したいと思います。


2006年03月19日(日)
ジョン・ハウ原画展

カナダ大使館内の高円宮ギャラリーで開催されている「ジョン・ハウ(John Howe)原画展」に行ってきました。
挿絵を手がけた「ロード・オブ・ザ・リング:LOTR」が映画化されるにあたって、ハウは、アラン・リーとともに美術スタッフとして映画製作に参加、ビジュアルコンセプトを手がけています。

土日休みという、勤め人にはあんまりな展示会なのですが、毎週水曜日は午後8時まで開いています。
あまり広い展示室ではないので、30分あれば十分に見ることができるでしょう。
詳細は下記↓
http://www.canadanet.or.jp/p_c/howe.shtml

ハウの絵はすべて水彩+インクで描かれているのですが、
これが本当に水彩???
油彩ではないのに、この微妙な光の加減は…。なんだか本当に魔法を見ているようです。
映画LOTRで映像化もされたガンダルフとバルログの戦い。
この原画はマグマの照り返しの焔光が実に禍々しく、闇との明暗が不気味さをかきたてます。
照明を用いた実写映画やコンピュータ・グラフィックスと違って、明暗が不連続なので余計に怖いのでしょう。その迫力に息をのんでしまいました。

カラズラスやローハンのエドラス、灰色港、闇の森、裂け谷などLOTRの舞台となった場所の原画が続きます。
日本語版の挿画は白黒でしたので、原作を読んでいる時には「なんとなく…」のイメージしかなく、カラー映像と言えば映画LOTRのロケ地なりCGの合成映像なりの世界が、私の中にはすっかり定着していたのですが、
今回じっくりと見ていくと、ジョン・ハウが最初に思い描いていた世界は、ちょっと違うのだな…ということがわかります。

カラズラスもエドラスも、今となってはニュージランド・アルプスとは切り離すことができない映像になっていますが、ハウの原画は意外とユーラシア大陸…カラズラスはヒマラヤとかカラコルムのようなイメージですし、エドラスはチベットのポカラ(黄金館はもっと質素で、ポカラ宮のように壮麗ではありませんが、町と山の雰囲気がポカラなんです。)
逆に灰色港は、映画にあるセピア色の入り江ではなく、むしろフィヨルドそのもので、あぁこれだったらどうしてニュージランド南島のフィヨルドでロケしなかったの!と思ってしまいました。

いちばん驚いたのは、闇の森と裂け谷なんです。
闇の森は映画には登場しませんが、でも全般的に映画LOTRに登場した森って、北ヨーロッパ的な森でしょう?
実際のニュージーランドの森がどのようになっているのかはわかりませんが、少なくとも映画に出てくる森は、かなり北のヨーロッパ的な光と空気をもった森でした。
何がちがうって、湿気が違うんですよ。ヨーロッパは湿度が低いから、視界がクリアで。
緯度が高いから太陽光線も少し黄色がかっていて。
実際、編集段階で多少、色彩処理はしていたみたいですね。ボロミアの最期を撮影した森は、メイキングでオリジナル映像をみるとちょっと光の加減が違うので。

それが、ハウの描く闇の森と裂け谷は、もう少し光線が白くて、大気に湿度があるんです。
もちろん植生は違うんだけれども、でもあの湿気と光はむしろ、湿度の高い日本の森に近い。
水彩だってこともあるのかもしれませんが、むしろ東山魁夷の描く日本画の、あの空気中の水分が見えるような絵の世界に近いんですよね。
それが…なんだか嬉しかったんです。
こんな裂け谷と闇の森でもいいんだ…と思ったら、なんだか中つ国がとても身近になって。

今回の展示会場(カナダ大使館)からわかる通り、ジョン・ハウはカナダの出身、それも太平洋岸ブリティッシュ・コロンビア州に育ちました。このあたりの森は雨が多くて、確かに湿度の高い森になるのでしょう。
現在はスイス在住ですが、想像上の中つ国の森を描く時に、ハウの元となったのはこのブリティッシュ・コロンビアの森だったのかもしれません。

中つ国の海を描いた作品も幾つかありますが、この海も…、海洋小説の挿絵で見慣れた大西洋の色ではないんですよね、やっぱりこれも太平洋…それも北太平洋の色なのではと。

映画LOTRのトータル・コンセプトが北ヨーロッパなのは当然だと思うのです。原作者トールキンも、もう一人の挿絵画家アラン・リーも英国出身ですから。
ただ、ハウのこの太平洋沿岸的な部分については、今まで気づかずに来たので、ちょっと意外な発見でした。
「東夷のハムール」という、水がしたたりそうな絵があるのですが、これがお気に入りです。

会場ではハウの創作の秘密を探るドキュメンタリー「Lord of the Brush」が上映されていました。
このDVDは下記サイトから購入することが出来るそうです。
「Lord of the Brush」 http://www.lordofthebrush.com/news.htm


2006年03月18日(土)
ラッセル艦長、サプライズ号に帰る

Actor Russell Crowe makes a Surprise visit.
俳優ラッセル・クロウが、サンディエゴ海事博物館のサプライズ号に、サプライズな(予告なし突然の)訪問をしたそうな。

先週の日曜日にはロサンゼルスで、アカデミー賞のプレゼンターを務めていた(と聞きました)ラッセル・クロウですが、8日の水曜日の夜には同じくカリフォルニアのサンディエゴで、彼のバンドのコンサートがあったそうです。

コンサートを控えた8日の午前中、ラッセルはバンド仲間と一緒にふらっと海事博物館を訪れ、いまは博物館に展示されているサプライズ号を再訪。
撮影当時のクルーで、今は博物館の職員になっているAl Solkinがたまたま勤務時間に当たっていたため、慌てて艦長を案内することに。

こりゃきっと、号笛も敬礼もない艦長乗艦だったんでしょうね。
ふつうは艦長用艦載艇が港を離れると、艦の上ではお迎えの準備が始まるんですがね(苦笑)

Al Solkinは、先任衛兵伍長(Master at Arms)役だったので、映画の中でも確認できます。
ネイグルがミスタ・ホラムにぶつかったものの謝らずに通りすぎたのを見たジャックが、「先任衛兵伍長(Master at Arms)!その男を拘束しろ」というようなことを言って、それから副長に「ホラムを部屋に呼べ」と言うシーンを覚えていらっしゃいますか?
あそこで命令を受けてネイグルを引っ立てた、もみあげのちょとゴツい大柄の伍長が、Solkin氏です。

なつかしの艦を見てまわった後、艦長は伍長に「また一緒に仕事をしような」…というようなことを言って帰って行ったそうですが、このセリフをもって「ラッセルは続編を撮影する予定がある」と期待するのは、ちょっと時期尚早でしょう。
でもサンディエゴに来たからには、サプライズ号に会いに来る…というのは、やはりファンとしては嬉しいですね。

この記事はサンディエゴの地方紙から
http://www.signonsandiego.com/news/metro/bell/20060309-9999-7m9bell.html
少々スクロールして「Star Watch」というところをお読みください。

ところで、20世紀FOX社では、トム・ロスマン氏が(M&Cの原作ファンで、映画化に当たっては「You take a command」と提督もどきの芝居がかった態度でピーター・ウィアーを監督に任命した)、Fox Filmed Entertainment社の共同経営者(cochairman)に就任したそうです。
以前から続編については、もし何か動きがあるとしたら、トム・ロスマンの人事異動後だろうと言われて来たので、この就任が果たして吉となるか凶となるか、この先数ヶ月は動きを見守ろうと思っています。
もっともラッセルの仕事は、この先2つについて既に決まっているようですが。


今週の水曜日15日に、またWOWOWで「マスター・アンド・コマンダー」の放映があるようです。
3月15日(水)14:55〜17:15 WOWOW
月末にはスターチャンネルでも放映があるとのこと。Tさん>情報をありがとうございます。

ロード・オブ・ザ・リング「王の帰還」が3月末に地上波初放映になるので、そろそろM&Cも地上波解禁でしょうか?
4月以降は地上波洋画劇場も見張っていた方がいいのかな?と思っています。


2006年03月12日(日)
南回帰線

元同僚から、知人のペンションがTVで紹介されるから番組を見てくれとメールが来て、その番組を見ました。
伊豆・城ヶ島の「南回帰線」というゲストハウス。
http://www.minamikaikisen.com/

北回帰線は北緯23.4度、南回帰線は南緯23.4度。英語ではtropic of cancerと、tropic of capricorn。
これが、太陽が垂直に地表を照らす緯度の限界点で、北回帰線では夏至つまり蟹座(cancer)が黄道上に現れる季節に太陽光線が垂直に降り注ぎ、南回帰線では冬至(山羊座capricornの季節)にこの状態になる。赤道では春分と秋分に太陽直下となる。
北回帰線と南回帰線に挟まれた地域を、一般には「熱帯」と言う。

このゲストハウス「南回帰線」は、タンザニアやインドネシアなど回帰線に挟まれた地域に商社マンとして駐在したご夫妻が、早期リタイア後に開いたペンションで、各部屋のインテリアはエスニック調、夕食には各国の珍しい料理が供されます。
とても素敵なペンションで、これはぜひ滞在してみたいと思ってしまったのですが、どなたかお付き合いいただけませんでしょうか?



これがきっかけで南回帰線の言われをちょっと調べていたら、懐かしい記憶の引き出しが開きました。

松任谷由実の昔のアルバムに「Tropic of Capricon」という曲があります。文字通り南回帰線という意味で、南の海を行くヨットを思わせる歌詞です。1983年12月の「Voyager」収録。
これって「時をかける少女」(原田知世が主役の高校生だった)が入ってるアルバムですから、昔ぶりが知れるというものです。

小説を読みながら、これってあの曲のイメージ…と想像をめぐらすことを、昔はよくやっていたのですが、この「Tropic of Capricorn」は、私の中ではボライソー7巻「反逆の南太平洋」のテーマでした。
正確に言えば南太平洋(Tropic of Capricornの海域)を漂流するリチャードとヴァイオラのテーマ。
7巻の発売は1985年9月ですが、大ハマリしていた私は翻訳を待ちきれず、1984年の秋に原書でこれを読んでいたのです。
当時、巷にはユーミンの「Voyager」が流れていて、タイムリーにもこの二つがかっちり合ってしまいました。

「Tropic of Capricorn」の歌詞は、今きくと結構恥ずかしいし、リチャードの危険な恋も、その後いろいろお付き合いすると最早うんざりなのですが、
あの当時は、私もまだ「大恋愛」なるものにきゃあっ!とか思ってしまうみいはぁ娘で、リチャードの不倫愛も一線を越えてしまったのはあれが初めてでしたから、
私も素直にこの歌詞を小説に重ねてうっとり…南の海を思っていたんだわ…ということを、突然に思い出して、

いやぁ歳月って、…流れるもんなんですね。その後17巻続くリチャードの人生もですが、私のもそれなりに。


2006年03月11日(土)
NHK BS 海洋・歴史映画3月放映分

本日(日本時間では明日)はいよいよアカデミー賞の発表ですが、NHK衛星放送3月の映画劇場でも、海洋映画の古典的名作が放映されます。

3月23日(木)19:45〜22:48 BS2「砲艦サンパブロ」
若き日のスティーブ・マックイーン(1966年の映画です)主演。1926年の上海が舞台。

3月28日(火)24:30〜26:26 BS2「白鯨」
メルビルの「白鯨」の映画化。エイハブ船長はグレゴリー・ペック。1956年アメリカ作品。

3月30日(木)24:00〜26:25 BS2「戦艦シュペー号の最後」
第二次大戦中、アルゼンチンのラ・プラタ沖で自沈したドイツの戦艦シュペー号にまつわる歴史ドラマ。
撮影当時まだ実在した当時の艦船を用いた映像は貴重で評判が高い。1956年イギリス作品。

3月31日(金)24:30〜26:37 BS2「ウィンズ」
ヨットレースの最高峰「アメリカズ・カップ」に再挑戦をかけた男のドラマ。


映画ではありませんが、1月27日と2月5日の日記でご紹介したhiビジョン特集「鄭和」は3月8日(水)9日(木)いずれも20:00〜、BS-hiビジョンで再放送があります。
また3月のBSはアメリカの歴史映画も数多く放映されます。

3月14日(火)19:55〜21:58 BS2 「グローリー」
南北戦争下、アメリカ史上初めて結成された北軍黒人部隊の兵士たちと若き白人指揮官のドラマ。
デンゼル・ワシントンはこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞した。1989年アメリカ作品。

3月24日(金)22:00〜24:46 BS-hi 「パトリオット」
アメリカ独立戦争を舞台に、銃を捨てた元兵士の、父親として独立を望む一市民としての戦いを描く。
主演メル・ギブスン。長男役のヒース・レッジャーはこれが出世作。
個人的には、ギブスンの元同僚で独立軍指揮官のクリス・クーパー、独立軍顧問のフランス人チェッキー・カリョと、敵になる冷酷な英国人将校ジェイソン・アイザックスが素敵です。

3月28日(火)20:00〜22:36 BS2「アミスタッド」
南北戦争直前のアメリカで実際に起きた奴隷船「アミスタッド」の暴動事件をスティーブン・スピルバーグ監督が描いた歴史ドラマ。
ストーリーのメインが海にあるわけではないので海洋映画の分類にはなりませんが、実在の帆船を使ってロケを行い海洋ドラマとしても見ることのできる作品。

いずれも放映時間には変更の可能性があります。直前にまたHP等でご確認ください。


さてアメリカでは間もなく、「Uボート」や「トロイ」のウォルフガング・ペーターゼンが監督した「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク「ポセイドン」が公開されます。
客船の遭難のドラマですから、これも一種の海洋映画でしょう。
米国のオブライン・フォーラム掲示板に、この「ポセイドン」の試写会に行かれた方の書き込みがありましたが、「Uボート」と「パーフェクト・ストーム」のペーターゼンらしく、単なるスペクタクルでは終わらない作品に仕上がっているとのこと。

そのペーターゼン監督、「ポセイドン」の次回作はなんと、オーソン・スコット・カード原作のSF「エンダーのゲーム」だそうです。
日本でも海洋小説ファンはSFファンと重なる方が多いのですが、米国オブライアン掲示板でも事情は同様らしく、
「エンダーのゲーム」映画化!は、ちょっとした反響を集めていました。
いや確かに、今の世の中には問題提起となる作品の、タイムリーな映画化だとは思いますが、ペーターゼンの手にかかっていったいどのような感じの映像になるのでしょう?
ちょっと楽しみです。


2006年03月05日(日)
【至急報】ラッセル・クロウ自らを語る 地上波3月4日26:50〜

米国のインタビュー番組「アクターズ・スタジオ」のラッセル・クロウの回が、明日土曜日深夜に、初めて地上波で放映されます。

アクターズ・スタジオ「ラッセル・クロウ自らを語る」
3月4日(土)26:50〜27:40 NHK総合放送
http://www.nhk.or.jp/bscinema/actors_studio/index.html

2003年11月「マスター&コマンダー」公開直前の収録なので、一番最後にこの撮影時の話題が登場します。映像もほんの少し。
ほんのちょっぴりですけれど、これがM&C映像、地上波初登場ですね。

NHK総合の地上波なので、どなたでもご覧になれると思います。
土曜深夜(正確には5日午前2:50〜3:40)ですが、お見逃しなく!

Fさん!
情報本当に感謝です。私、今朝まで知りませんでしたよ。
ありがとうございました。


2006年03月03日(金)