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Ship


Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船

  



Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
明日から3日連続 「紅はこべ」再放送

忙しさにとりまぎれて、あやうく重要なことを忘れるところでした。
今からで間に合うかしら? 更新がぎりぎりで申し訳ありません。

明日から3日間、NHKBSで「紅はこべ」が再放送されます。

2月1日(水) 15:00〜16:30 第1話「疑惑」
2月2日(木) 14:30〜15:57 第2話「侯爵の娘」
2月3日(金) 15:00〜16:29 第3話「罠」

キャスト、あらすじはこちら

あの時代(18世紀末)のイギリスとフランスを舞台した歴史活劇、BBCドラマだから映像クォリティは太鼓判!
おすすめポイントは、

まず第一に、
日頃悪役やら奇天烈な役の多いリチャード・E・グラント演じる、正統派ヒーロー「紅はこべ」(かっこいい!)

海洋小説ファンには、
英仏海峡を渡るにはもちろん帆船が必要、当然ホンモノの小型帆船が登場!これが優美で綺麗です。
さらに、
「ホーンブロワー」でアーチー・ケネディを演じたジェイミー・バンバーが紅はこべの仲間として登場。
これがデビュー作かもしれません。撮影はホーンブロワーより前ですし。

個人的には、
私はショーブランが好きなんです。
また、「ロベスピエールが大好き!」という声も耳にいたします。
まぁこれらは個々人の趣味の問題。


いやその、私も2月再放送とは聞いていたのですが、まさか1日からだとは思わず、あやうくミスるところでした。
これを思い出させてくれたのは、全くの偶然なのですが、米国オブライアン・フォーラムの掲示板投稿に紹介された英国ザ・ガーディアン紙1月28日のインタビュー記事。

マーティン・ショウの愛読書はパトリック・オブライアン
Q&A Martin Shaw
http://www.guardian.co.uk/weekend/story/0,,1695270,00.html
(「Articles continues▼」をクリックし、下へ)
What is your favourite book? の答えは、The Patrick O'Brian novels - Post Captain being my favourite
となっています。
マーティン・ショウというのは、「紅はこべ」でショーブランを演じた俳優さんなのですが、おやおや、オブライアンお好きですか。

これを読んで「あ!そう言えば紅はこべ!」と思いだして、慌ててNHKBSをチェックしてみたところ、放映が明日だとわかった!という次第なのです。やれやれ。
米国時間の30日(日本時間の今日31日)にこの書き込みをされた方は、まさか日本で明日「紅はこべ」の再放送があることをご存じだったわけではありますまいが、私としてはこの書き込みに深く、深く、感謝です。
ありがとうございました〜。(しばらくアメリカに足を向けては寝られない)。

ぎりぎりのお知らせになってしまいましたが、間に合いましたら是非、日中ですので録画などなさって、お楽しみくださいませ。


もひとつおまけ:
2月3日(金)19:30〜22:00 NHKBS2 第63回ゴールデングローブ賞授賞式のすべて
 ラッセル・クロウがノミネートされているので、登場するはずです。


2006年01月31日(火)
鄭和 偉大なる旅人(ドキュメンタリー+ドラマ)

最近、鄭和という中国明代の武将がニュースになっていました。

鄭和がアメリカを発見?
http://news.goo.ne.jp/news/jiji/geino/20060118/060117124424.35avjcrt.html

鄭和(ていわ、Admiral Zheng He、1371-1434)は、明の永楽帝に使えた武将で、東南アジア、中東、アフリカへの7度の大航海の指揮をとった人物です。
この1418年航海時の地図の複写が先日、北京で発表され、その地図にアメリカ大陸が描かれていたことから、「これはコロンブスのアメリカ大陸発見(1492年)より早いのではないか」と論議を呼んでいます。

この記事の中に出てくるギャヴィン・メンジーズのベストセラー「1421:The Year China Discovered The World」(邦訳「1421−中国が新大陸を発見した年」)については、
この方のページ↓に上手くまとまっています。
http://tanakanews.com/c0502china.htm
英国の退役海軍将校で歴史学者のメンジスはこの本の中で、鄭和艦隊の六分儀による航海記録と、当時の南十字星などの位置を比較し、鄭和がオーストラリアや南極、南北アメリカの沿岸まで航海した、としているのです。

まぁ「新大陸発見!」というのは、あくまでヨーロッパ・サイドから見た史観であって、
もとからネイティブ・インディアンはアメリカに住んでいただろうし、その祖先はシベリアからベーリング海峡を渡っていったという説もあるし、ポリネシアやミクロネシアの人々はイースター島やニュージーランドなどに渡っていたわけですから、「新大陸発見!」なんてそう大騒ぎするほどのものでもないでしょう? と日本人である私は思ってしまったりするのですが、

それでも、コロンブスより100年近くも早く、アフリカまで海を越え7回もの大航海をした鄭和の業績は評価されてしかるべきでしょう。
来週の2月1日、2日、NHK-BShiビジョンで、2日間、計3時間、この鄭和の大航海を描いたドキュメンタリー(再現ドラマ含む)が放映されます。

楽しみなのは、この再現ドラマ部分の監督が、「覇王別姫」や間もなく公開「PROMISE」のチェン・カイコー(陳凱歌)であること。
クオリティの高い番組になりそうです。

鄭和 偉大なる旅人
 前編 2月1日(水)20:00〜21:30
 後編 2月2日(木)20:00〜21:30
 NHK BS-hi
詳細は、http://www.nhk.or.jp/bs/hvsp/hvsp.html

この情報は、KさんとFさんからいただきました。ありがとうございます。


2006年01月27日(金)
Save us, Godzilla! (0% POB ?) テムズ河のクジラと日本海のクラゲ

「ロンドン中心部のテムズ河にクジラ出現!」のニュースは、日本の海洋系HPの掲示板でも話題になっていましたが、

テムズ河にクジラ!のニュースはこちら↓(日本語です)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060121-00000021-mai-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060122-04205070-jijp-int.view-001

もちろん、アメリカのパトリック・オブライアン・フォーラムがこのネタを見過ごす筈はありません。
週末の掲示板はこの話題で盛り上がっておりました。
ところがこのクジラねたに、この↓ような件名の面白いレスがついたのです。

Save us, Godzilla! (0% POB ?) ――助けて!ゴジラ!(P.オブライアンには無関係?)
but of marine science interest. Stephen would dissect, Jack might be interested that it could be et.
(だが海洋科学の見地からすれば、スティーブンは解剖にとりかかるだろうし、ジャックだって興味を持つかもしれない)。

と言って紹介されているのが、以下の記事↓(これは英語)。
http://news.nationalgeographic.com/news/2006/01/0119_060119_jellyfish.html

何だかおわかりですか? ジャイアント・ジェリーフィッシュって、日本では昨年秋からニュースになっている、巨大な越前クラゲのことです。
テムズ河のクジラはいざ知らず、日本海の越前クラゲを本当にスティーブンが解剖したがるかどうかはわかりませんが、
思わず笑ってしまったのは、
この書き込みをされたアメリカ人が選んだタイトル。「助けて!ゴジラ!」…ってあなた…。

アメリカ人の日本に対するイメージってこういうものなんでしょうか?
いまどきの日本が世界に誇る最先端…ポケットモンスターに巨大クラゲの相手は…無理でしょうけれど。
でも他に誰かいないのかしら?誰か?ゴジラってのはちょっと…ちがうような…。

ホンモノの日本人である私たちが助けを求めるとしたら、いったい誰? ウルトラマン? 仮面ライダー? 適任求む!


2006年01月24日(火)
帆船模型展に、あのレパード号

土曜日は雪の中、銀座の伊東屋まで帆船模型展を見に行ってきました。
なにせ「あのレパード号が展示されているよ!」と聞いたものですから。

あのレパード号って、そう、あのレパードですよ。5巻の主役、副長が3回替わって、疫病が蔓延したり氷山にぶつかったりして散々な目に遭遇する、あのジャックが指揮した(ことになっている)50門艦です。
実在したレパード号は、昨年11月6日の日記にご紹介した通り、当時は別の艦長が指揮していたわけですが、パトリック・オブライアンはアレクサンダー・ケントとは違って実在の艦を主人公の乗艦に使ってくれるので、模型展で艦に出会うという楽しみもあるというわけ。

H.M.S.Leopard ドックヤードモデル、縮尺1/129、スクラッチビルド



艦尾から



日本のザ・ロープ(帆船模型愛好家の会、今回の展示会を主催)と交流のあるアメリカのShip Modelers Associationの会員の方の作品です。
ひょっとして、オブライアン・ファンかしら?この方?
「ドックヤードモデル」というのは、実船を建造する前に構造・装飾などを検討するために制作された構造模型のこと。ネイグルが艦長のところに持ち込んだのもこれですね。
「スクラッチビルド」というのは、模型業界の用語だそうで、「市販のキットを使わず自分の手で模型を作り上げること」なのだとか。
カティサーク号など有名な帆船には、市販のキット(木造ですが、プラモデルみたいに各パーツがすでに形になって出来ていて後は組み立てるだけ)があるのですが、レパード号のようなマイナーな艦にはもちろん、キットはありません。

それでも「どうしてもこの艦が作りたい!」と思う場合は、自らが船匠になって、図面から起こして、各パーツを精巧に縮小し手作りすれば、マイナーな艦でも模型を作成することができます。
英国海軍省は、ほとんどの艦についてその設計図を保管していたため、今でもその気になれば200年前の艦の設計図を入手することができる。これを縮小すれば良いのです。
映画M&Cの、精巧に再現されたサプライズ号も、200年前の設計図(現在は英国国立海事博物館に保管)をもとに、正確に再現されています。
ゆえに、例え200年前の、架空の人物が主人公の歴史小説であっても、その乗艦が実在艦なら、その気になれば帆船模型を作ることができるのです。
もちろんそのためには非常なる忍耐と情熱、それからある程度の設計図面の知識が必要だと思われますが。

それにしても、200年前の木造艦の設計図がまだ残っているって凄い国だと思いませんか?英国って、
5年前の欠陥マンションの構造計算書が見当たらない…などと言っている何処かの国とはえらい違いだわ。

ということで、残された設計図からレパード号の構造模型を手作りされたアメリカの方に敬意を表しつつ、
以下は実在したレパード号の一生です。

実在したレパード号の一生(H.M.S.LEOPARD,50)
1790年 シアネス海軍工廠にて建造。
1797年 ノア泊地の反乱に巻き込まれる。
1799年 T. SURRIDGE艦長の下で、John BLANKETT海軍少将の旗艦となる。
      東インド会社の船団護衛任務でインドへ向かう。1800年ボンベイ着。
1800-02年 Peter HEYWOOD 艦長の下でセイロン島沿岸を測量。
1802年  George Ralph COLLIER艦長の下で英国へ向かう。1803年帰国、チャタム工廠にて船体補修。
1803年  Francis William AUSTEN艦長の下でLOUIS海軍少将の旗艦。仏ブーローニュ沖に展開。
1805年 R. RAGGETT艦長の下で、Billy DOUGLAS海軍大将の旗艦。仏ブーローニュ沖に展開。
1806年 Salusbury Pryce HUMPHRYS艦長の下で、現カナダ・ハリファックス鎮守府に配置される。
      G. BERKELEY海軍中将の旗艦。
1807年 米チェサピーク湾停泊中に乗組員が脱走、一部が米艦チェサピーク号に逃げ込む。
      HUMPHRYS艦長はチェサピーク号に砲撃を加え、降伏に追い込み、脱走兵を取り返した。
1808年 James JOHNSTONE艦長の下、喜望峰への船団護衛任務につく。BERTIE海軍中将の旗艦。
1810年 英国に戻る。
1811年 チャタム工廠にて、兵員輸送船に改装される。
1812年 William Henry DILLON艦長の下で地中海へ。
1814年 Edward CROFTON艦長の下で英国ポーツマスへ戻る。

これを見て思ったんですけど、厳密に言えば1811年に兵員輸送船に改装されているわけだから、ジャックが指揮したことになっている1812年に軍艦として登録されていたかどうかは少々微妙ですね。このあたりでオブライアンは上手くごまかしたということでしょうか?

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土曜日は、電車が間引き運転されていたとは言え、路上の雪はまだシャーベット状で滑りにくかったのですが、この寒さでこのシャーベットが一夜にして凍結、日曜日には大変キケンな状態になりました。
日曜日はうちは法事があって、お寺さんに出かけたのですが、お経がすんで私たちがお堂を出てくると、何やら騒ぎが。
我々の前に法事を済ませお墓参りに行かれた別のご家族のおばあさんが、お墓で滑って転んで、これからお医者さんに連れて行くというのです。

私たちもお墓参りの予定だったのですが、ご住職さんが「今日はお墓はキケンです。後日になさったほうが…」と。
確かに墓地は広いので、とても雪かきの手なんてまわりません。確かにキケン。
そのようなわけで、お墓参りは諦めて、まっすぐにタクシーで帰りました。

でも、お寺さんは、当然のことですが、昔ながらの日本建築ですし、樹木などもきちんと刈り込みをしているので、雪の日にはたいへん情緒がありました。

さ、寒いぞ。でも頑張るぞ(お寺の屋根の鬼瓦)



つ、冷たいぞ。でも頑張るぞ(ちょっと可哀想)



2006年01月23日(月)
国王陛下の竜テメレア(H.M.Dragon Temeraire)

英国の三大新聞のひとつザ・ガーディアン紙の書評に紹介された、とある小説をご紹介します。

ザ・ガーディアン紙書評
http://books.guardian.co.uk/review/story/0,12084,1685073,00.html

ナポレオン軍はヨーロッパ大陸を蹂躙していた。イギリス海峡沿岸のフランス駐屯地には侵攻を狙うフランス軍が準備を整えていた。
そのころスペイン・マデイラ島の沖合でウィリアム・ローレンス艦長のリライアント号は、フランスのフリゲート艦を視認した。
そのフリゲート艦の甲板には巨大な卵(!)が据えられていた。それは即位したばかりの皇帝ナポレオンへの中国人からの謹上品だった。

フリゲート艦を拿捕し卵をも手にいれたローレンスだったが、リライアント号がイギリスに帰港する前に卵が孵化してしまった。
卵からかえった竜には名前が必要だ(ほんとうですか?)。そこでローレンス艦長は竜にテメレアと名付けた(あぁどうしてこの名前を…)。
だがこの生き物は海軍士官としてのローレンスの実績を破滅させ、その人生を完全に変えてしまうことになる。

Naomi Novikのこの小説には、スティーブン・キング、アン・マキャフリイ、テリー・ブルックスから、Novikをスザンナ・クラークやパトリック・オブライアンに比す献辞が寄せられているが、そのような献辞を読むまでもない。
マキャフリイを引き合いに出すまでもなく、Novikの描くドラゴン、特にフランスの竜とイギリスの竜の空中戦の描写は、Novik独自のものである。
英国版:ハーパーコリンズUK社、米国版:デルレイ社 より出版。

訳注)文中に登場する作家たちについて:
スティーブン・キングとパトリック・オブライアンについては、説明するまでもございませんね。
アン・マキャフリイとテリー・ブルックスは、いずれもアメリカのSF・FT作家では大御所。マキャフリイは「パーンの竜騎士」シリーズの作者として有名です。
日本での翻訳はマキャフリイがハヤカワ文庫SFと創元推理文庫、ブルックスがハヤカワ文庫FT。ブルックスは「スターウォーズEP1:ファントムメナス」等のノベライズも手がけてます。
スザンナ・クラークは、まだ日本で翻訳が出ていないようですが、「Jonathan Strange & Mr. Norrell」で、昨年(2005)の世界幻想文学大賞とヒューゴー賞の二冠に輝いた作家です。(ヒューゴー賞は、世界SF大会参加者の投票によって決まるSF界ではもっとも有名な文学賞)
書評などを読むと「Jonathan Strange & Mr. Norrell」は、大人のためのハリーポッターとして、英語圏ではベストセラーになった作品のよう。


ええっと。
いやその、あー、ちょっとアタマが想像を拒否しているんですけど。
フリゲート艦の甲板に竜のタマゴ? イギリスの竜とフランスの竜が1805年に空中戦?? バトル・オブ・ブリテン1805、竜用の飛行甲板が必要か?…などと冗談を言っている場合ではなくって、いったいこのストーリーはなにごと?! 日本のアニメじゃぁないのよ〜!

私の頭が硬いんですかねぇ。なんとなく竜というと中世ヨーロッパ、ルネサンス以前…というイメージで。
いやその、1808年でもユニコーンを信じていらした艦長は(4巻に)いらっしゃいましたが、でもまぁ当時の世間一般の通念としては、ユニコーンは既に眉唾モノ。
19世紀のファンタジーはもう少し身近というか小粒というか、ほらドラキュラとか…ねぇ。いくらなんでも、竜は…大物すぎませんか?
あぁでもありましたっけ? 20世紀の第一次世界大戦を舞台に、ドラキュラのリヒトホーフェンが複葉機と合体して空を飛んでしまうという長編小説が、創元推理文庫に。
それを考えたら、フリゲート艦に竜でもいいんでしょうか?

でも飛行甲板どうするの? フリゲートは狭いんだから、甲板上は帆とマストと大砲に占領されていて、竜が降りられるスペースがないわよ。
それにちょっと思ったんですけど、この挿絵の竜、西洋の竜ですよね。中国からの贈り物だったら東洋の竜じゃないとまずいんじゃないでしょうか?
西洋の竜は恐竜巨大化系だから場所をとるけど、東洋の竜は水蛇巨大化系だから、マストに巻き付いてくれていればフリゲート艦上でも場所はとらないかもしれないけれど。
ああ!こんなこと、私が心配する問題では、まったくもって、ありませんが…。

マキャフリイとパーンの竜騎士が好きな私でも…この本を買うのはちょっと、中身をぱらぱら見てからでしょうか。米国版のペーパーバックはSFの大手DELRAY社から出ているそうなので、日本でも大手書店の洋書売り場には現物が入ってくると思うんです。
この本に関しては私、バリー・ヒューガートのコメントをちょっと読んでみたいかと。どこかにありませんでしょうか?
バリー・ヒューガートは、アメリカ人ながら中国を舞台にしたファンタジーを(英語で)書いて、世界幻想文学大賞を受賞された方なんですが、ファンタジー作家になる前は米軍の士官だったという異色の前歴をお持ちです。たしか海軍さん。中国古典に興味を持ったきっかけは、在日米軍基地への配属中に日本語で読んだ中国の古典作品だったという。
ヒューガートがこの本を読んでいったいどのように感じたか、これは単なる興味からなのですが、ちょっと知りたいと思います。


この本を買ってみようという方はこちらから
His Majesty Dragon(米国版ペーパーバック)
Temeraire(英国版ハードカバー)

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こんな話しのあとに何ですが、
ボライソー28巻「若き獅子の凱歌」ハヤカワ文庫NVは、来週の週半ば、1月25日(水)の発売です。
皆様>お忘れになりませんように。


さらに、
英国アカデミー賞(BAFTA)のノミネートが出そろいました。ご参考まで。
http://www.bafta.org/site/page287.html


2006年01月20日(金)
最近の巷を歩いて

今週末はセンター試験ですね。
土曜日は関東も雪とか、試験日になんてこと。受験生の皆さんは大変です。
まぁそれでも雪はある程度平等に降りますが、私の受験の時には「品川駅まで行ったら山手線が止まっていた」ということがありました。
これはちょっと不公平。山手線以外を使う受験生には問題がないわけだから。
まぁ東京に生まれ育った人間なので、代替交通手段はすぐに思いつき、もとから時間に余裕を持っていたこともあって開始前には着きましたが(でも既に試験官が説明を始めてましたよ)、地方から来られてこの複雑なる首都圏交通網に慣れていない方は、どう対応されたんだろうかと。
こういうこともあるので、時間には余裕を持って、代替ルートも2つ3つは前もって調べておいた方が良いのかもしれません。

まぁそういう季節になったといことで、首都圏のJR通勤電車にも予備校の広告がめだつようになりました。
これもちょっとイヤですね。まぁその性質の宿命上いたしかたないこととは言え、なんだか失敗したらいらっしゃい!と言ってるようで(苦笑)。
私の職場の近くの大学で、校門前で予備校の人が受験生に鉛筆を配っていたことがあるんです。
まだ20台だった頃、一度だけ間違えて渡されたのですが(すみませんね童顔で)、鉛筆の側面に1〜6の数字とA〜F、そして予備校の名前が書かれていて、「答えがわからなかったら、この鉛筆をころがして出た記号を記入してください。それでもダメだったら来年はうちへ」ってことらしいです。
………。

いやその、でまぁとにかく最近の、首都圏のJRの車内広告のひとつに、「うちは英語力が売り!」という予備校の広告があるんですけれども。
問題はその宣伝方法。
「ナポレオンも推薦する。○○○学苑、我が輩も英語が好きになった」っていうのが歌い文句なんですけど、
そんなのありですか?
皇帝陛下が英語を好きになったりするんでしょうか? そこって英語力はつくかもしれないけど、西洋史認識には問題が…あったりしませんか?って(苦笑)。


さて、そろそろ終わりを迎えつつありますが、今は冬物バーゲンの季節でもあります。
私は恥ずかしながら、流行にとんと疎いヒトですが、今年のヤングカジュアルはオールドブリティッシュが流行り?
なんだかあの時代の水兵さんが着ていそうなコートがいっぱい出ているんですよね。
去年あたり流行の「いかにも現代の士官向け」なかっちりピーコートとは違って、デザインも色もちょっと古風。

今年の流行はヴィクトリアンなのだと聞きましたが、このコートの雰囲気は即位早々というか1850年より前かな〜。
その一方で世紀末風な襟の高いブラウスなどもあったりしてね。まるでハリーポッターのマグゴナル先生(マギー・スミス)が着ているような。
いやそのちょっと、これ欲しいなぁと思って。この年齢でヤングカジュアルのフロアなんて恥ずかしいんですけど、ほら、でも当時の英国ではマギー・スミスのようなご年配の方もこのブラウスを着ていらしたのだから、私が着ておかしいことはないっ!
…と言い訳して買ってきました。さすがに職場には着ていきませんが、お休みの日に楽しんで着させていただこうと。

ところでそんな中、同じフロアで「こ、これはなに〜?」な発見を。
今年はやり?なのかな?Wコートってあるでしょう。前の返しを重ねるとダブルのコートになって、でも返しを反対側にボタン止めして前を開けて着ることもできる、ウェスト丈のデザインのコート。ヤングカジュアルのお店にときどき見かけるんですけど。
あの紺のコートって、返しの部分に白襟付けたら、海尉の正装っぽく見えませんか?
よくよく見ると、とってもオールドブリティッシュ・ミリタリーなんですけど。
赤羽駅の駅ビルのお店では、同じデザインでグリーンジャケット発見! シャープのライフル銃隊と同じ色!
やだわ〜、なにこれ〜。でも嬉しい。誰か買って着てみて〜!

え?私? 私は購入いたしませんですよ。お遊びはブラウス一枚で十分、さすがに年齢を考えないと。
…というかですね、その昔、海洋小説にハマったばかりの頃、はしゃいでピーコートを買いましてね。
コートって持ちがいいもんですから、まだそれうちにありますんですよ。
そう衣装スペースがあるわけでもないし、同じ色の似たようなデザインのコートが何枚もあっても困るじゃないですか?

ということで、どなたかよろしく。あぁでもいぃなぁ、あの赤羽にあったジャケット。


2006年01月19日(木)
航海長とネイグルとドゥードゥルの新旧ドラマ

M&Cの映画でファスター・ドュードゥル(サプライズ号の金髪の水兵、最初の頃よく皆がボンデンと間違えていた)を演じていたウィリアム・マナリング,
彼がゲスト出演した「修道士カドフェル」がミステリーチャンネルで放送されるとの情報をいただきました。

マナリングが出演するのは第5話「氷の中の処女」
1月30日(月)18:00が最初の放送になります。

Lさん>ありがとうございました。
upが遅くなってしまって申し訳ありません。


ドラマと言えばサプライズ号の航海長アレンを演じていたロバート・パーも、英国BBCの歴史ドラマに出演するそうです。
このニュース記事はこちら↓
Soap veteran Robert Pugh is set to star in a new drama about Elizabeth I.
http://uk.news.yahoo.com/08012006/344/soap-veteran-elizabeth-tv-drama.html

BBC1では1月末から「The Virgin Queen」というシリーズものの歴史ドラマの放映を開始する。
Anne Marie Duff主演で、エリザベス一世の生涯を描くもの。
このドラマにはベテラン俳優ロバート・パーも出演する。
パーが演じるのは、ヘンリー八世に登用され、メアリー一世の時代に大法官となったガーディナー(Lord Chancellor Gardiner)。
「ガーディナーはホワイトホールの石のように冷徹な人物だが、そのような自分とは対照的なキャラクターを演じるのは面白い経験だった」とパーは語っている。

この記事で知ったのですが、ロバート・パーはウェールズ出身なのだそうですね。

この「The Virgin Queen」というドラマについて調べてみました。

近日放映のBBCドラマ
http://www.bbc.co.uk/drama/coming_up.shtml
ページの下へとスクロールで降りていってください。「The Virgin Queen」は一番最後です。
どうやら4回シリーズの歴史ドラマのようですが、このキャスト表の中に、もう一人!
M&Cの出演者を発見!
ブライアン・ディック=船匠助手のネイグルです。そう嵐で命を落としたウォーリーの親友で、ホラムに突っかかって鞭打ち刑になったあの人。

ブライアン・ディックが演じるのは、サー・トマス・ワイアット(Sir Thomas Wyatt)、エリザベスの即位を求めて反乱を起こし処刑された人物。
メアリ一世の重臣であるパー(航海長)とは、今回は敵となるわけですね。

その他このドラマの主要キャストは下記をご参照ください。
The Virgin Queen
http://www.imdb.com/title/tt0481459/

BBCでは力を入れている番組らしいですし、いずれDVDが出る可能性は高いかもしれません。

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ところでゴールデン・グローブ賞が決まりましたね。

受賞者・ノミネート作品一覧(英語)・星印が受賞作品
http://www.hfpa.org/nominations/index.html

ラッセルも、マックス・パーキス君が係わったドラマ「ROME」も受賞を逃してしまいました。
ポール・ジアマッティが助演賞を逃してしまったのは残念。
あーでもミュージカル・コメディ部門の主演男優賞をホアキン・フェニックスが獲りましたね。おめでとう!と。
いや別にファンではない。ちょっと濃すぎるので間違ってもファンとは言わないけど、私の見る映画によくご縁があるんですよこの方。
このHPに来られる方にいちばん有名なのは、やっぱりラッセル主演「グラディエーター」の皇帝役だと思いますが。
演じる役の振り幅が広くて、上手い役者さんだなぁとずっと思ってたんですよね。評価されてなんとなく私も嬉しいわ。
賞を獲った映画「ウォーク・ザ・ライン」はどこかの映画館で予告に当たりましたが、楽しみつつも感動できるクォリティの高い作品のようですよ。
時間さえあったら見に行きたいんですけどねぇ。

21日から公開が始まった「プライドと偏見」、今週末から公開の「マスク・オブ・ゾロ2」、「オリバーツイスト」など面白そうな歴史ドラマが次々と日本に来ますが、もはや年度末体制が始まった身には、この時期の映画は困る…ホントに困るんだ。
ハリウッドは賞レースを狙って出来のよい映画を、本国では11月〜12月のホリデーシーズンに公開し、通常1〜2ヶ月遅れの日本ではこれが公開されるのは1〜3月が通例なんですけど、ここって毎年、年度末残業の嵐なのよ〜。私は毎年、指をくわえて泣いているのよ〜。なんとかして〜。

ところで「プライドと偏見」では、舞踏会のシーンの背景にある帆走軍艦が、米国のオブライアン・フォーラムの話題になっていました。
その艦の掲げている信号旗はいったい何と言っているのか?…という質問が寄せられていたのですが、
舞踏会に戦列艦ってどういうこと? 会場が海の側で窓の外に艦が停泊していた? それとも舞踏会の部屋に戦列艦の描かれた絵がかかっていた?
後者の可能性が高いような気がしますが、映画を見に行かれた方>正解をおしらせください。

オブライアン・フォーラムではもう一つ、ジェーン・ベネットを演じたロザムンド・パイクについて、「ソフィーのイメージにぴったりではないか?」との意見が上がっていました。
これも見てきてくださいね。
あ、それから「ゾロ2」に行かれる方>、私のダイアナのイメージはあのゾロのエレナ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)なのです。いかがでしょう?
ご意見おきかせくださいまし。


2006年01月18日(水)
世界一周ヨットレース、インド洋へ

昨年5月4日11月28日の日記でご紹介したパイレーツ・オブ・カリビアン参戦の世界一周ヨットレース、1月2日に南アフリカ・ケープタウンを出航し、オーストラリア・メルボルンをめざし現在、えーとあそこはインド洋南部…になるのかな?マダガスカルやモーリシャスの南の海域ですが…を爆走中、と言いたいところですが、ここ一両日は凪につかまってるみたいですね。

詳細は下記ホームページ
(英語ですが、写真が綺麗なので一見の価値あり。このあたりはジャックたちが航海した海でもあるし)
http://www.volvooceanrace.org/index.aspx?bhcp=1

話題の「パイレーツ・オブ・カリビアン号」は、第一レグでは船体損傷でリタイアしたものの、無事復帰して現在2位につけてます。
ケープタウン出航直後に襲った今回の嵐では、Brasil 1号とEricsson号にダメージがあったようで、この2隻は現在遅れています。

このレースを放映してくれているケーブルTVの「GAORA」ですが、1月〜2月の放映予定が更新されました。
http://www.gaora.co.jp/surfing/volvo/index.html

12月放映分を見た方のお話では、スペインの短距離レースにキーラ・ナイトレイは出ていなかったようですが、
いちおう当初の予定では今度の寄港地オーストラリアとその先のニュージーランドはオーランド・ブルームの担当の筈なんですが、どうなるんでしょう。
この担当を聞いた時、あーこの人きっとニュージーランドを志願したんだな…と思って笑ったんですけど、果たしてエルフ殿は里帰りできるのか?でも帰った先は既にナルニア国(のロケ地)になっているんではないのかしらん?
そういえばナルニア国、続編制作が決定したそうですね。今年ロケで2008年公開とか。
次作は「カスピアン王子の角笛」とのこと。これもヒットすればその次は「朝びらき丸、東の海へ」だわ。がんばってそこまでたどりついてくれー(祈!)。WETAの朝びらき丸が早く見たいものです。


2006年01月06日(金)
なますとモンゴルの草原と八犬伝と五稜郭

お正月、皆様いかがおすごしでいらっしゃいました?
うちは年末に母が風邪で寝込んでしまい、私はひとりでお正月準備をすることになってたいへん。とりあえず掃除は半分で、まずおせち。
そりゃぁお正月といったら何を(掃除を)おいてもおせちでしょう。なんと言っても年に一回しか食する機会のないものですから。
と言っても昔ながらに手づくりしているわけではありません。私が子供の頃は黒豆もきんとんも作っていましたが、今や手作りは、煮物と数の子と昆布じめのみ。今年はなますも買ってきてしまいました(でも市販のってお酢がきつい)。さらに昆布じめは、ヒラメが高値のため今年はあきらめ…ということで、煮物と数の子のみ自家製、あとは市販のものをお重に詰めただけ…だったんですが、結局どたばたして、お正月休みらしくなったのは新年あけて2日からでした。

2日はお誘いにのって日比谷シャンテに初映画。
「天空の草原のナンサ」モンゴルの遊牧家族のくらしを描いたセミ・ドキュメンタリー映画…になるのかしら。
お誘いくださったFさんとSさんとは4年前にモンゴル旅行にご一緒しました。なつかしかったね、モンゴルの草原。

映画では主人公たちが住んでいる家(ゲル)も、着ている服も、食事も燃料もすべて自家製の手作り。
ローラ・インガルス・ワイルダーの「大草原の小さな家」の世界ですよ。
東洋と西洋の違いはあるけど、草原で生活していれば基本は同じだということがよくわかります。
お父さんもお母さんも働き者で、9才の子供も立派に労働力、お手伝いというより一人前に、羊の面倒をみています。
地に足がついた暮らしってこういうことを言うんだなと。
この確かさはある意味、艦内に山羊を飼って乳を搾り、船体に損傷を受けても鋸と滑車とロープを使って自力で全て修理してしまうサプライズ号にも通じるものでしょう。

自力調達可能な生活って安心感があるんですよね。手づくりの安心感というのか。実際には働き者ではなければやっていけない世界かもしれませんけど。でも働いてる時間のみを言ったら、私たち毎日オフィスでコンピュータ相手に同じくらいの時間を使っている気がします。
私いつもは、家に帰ってから15分でごはん!…にしなければならないので、「ほんだし顆粒」を投げ込んでお味噌汁なんですけど、お正月の煮物は昆布と鰹節で丁寧におだしとって、なんだかそれができるのが嬉しかったんです。上手く言えないけれど、これも一種の手づくりの安心感というか、私的にはこの二つ(煮物のだしとモンゴルの映画)に共通するものがあって、なんとなく「ほんわか暖かいお正月休みを過ごしました」という感じです。
あーやっぱり、なますも手作りすればよかったか。


2日と3日の夜にはTBS開局50周年ドラマ「里見八犬伝」を放映していました。
その昔NHKの人形劇「新八犬伝」で育った世代といたしましては、やっぱり気になる。
3日の後編は後述の裏番組のため録画しましたが(まだ見ていない)、2日はしっかりお付き合いしました。

このドラマ、評判は良かったようですが。
確かに映像と衣装(ワダエミさんです)はとても綺麗だったし、いちおう元のストーリーを知ってる私にとっては中だるみもなく、「次のエピソードはこれだろう、わくわく!」感があって楽しかったのですが、
アクションドラマとしてはちょっと軽めで話がたらたらしてたから、初めて見る方が途中で飽きちゃったりしなかったかしらん?ってちょっと心配だった。
実際に初めてだった方>いかがでした?

私は昔みていた「新八犬伝」が1日10分だか15分番組の連続人形劇だったこともあって、話がたらたらしてもそういうものだろうと思ってるわけですが、そういえば真田くんと薬師丸ひろ子ちゃんで角川映画になった時には、コンパクトで波瀾万丈のアクション映画に化けてたので、こういう話しだったの?!と驚いたのでした。
馬琴の原作は全98巻28年連載だそうで。長編小説といえばハヤカワ文庫JAの「グインサーガ」は100巻越している筈ですが、あれは何年やってます?25年くらい?
私グインは25巻くらいまでしか読んでないんですけど、それでもそこまでの内容を2日間5時間のドラマにするのは無理ですよね、波瀾万丈すぎる。100巻までなんて言ったら絶対不可能でしょう。
ところが馬琴の場合は98巻の原作が5時間のドラマにおさまってもまだ、たらたら感があり、やろうと思えば2時間の映画にもなってしまう。
何が言いたいかというと、やっぱりこの原作が書かれた江戸時代と今では、時の流れとか密度とかすごく違うんじゃないかということなんです。
私はよくハリウッド映画を、ストーリー展開がスピーディすぎるとかアクションがどきついとか酷評するんですけど、この八犬伝をたらたらだと感じてしまう私の感覚もそれなりに現代に毒されているということなのかもしれません。

個人的には、そのむかしの「新八犬伝」を見てた小学生時代の記憶を、一つ一つ掘り起こしては確認する作業が楽しかったです。あぁそう言えばこういう人いたね、とか、こういうエピソードあったね、とか。
子供は音で覚えていても漢字では記憶していないものなので「かんとーかんれー・おおぎがやつさだまさ」が、扇谷上杉氏の関東管領上杉定正だって、今まで気づきませんでした。これってあの「天と地と」の上杉氏のご先祖さまですよね(直系じゃないかもしれませんけど)。
扇谷上杉氏についてはこちら↓。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E8%B0%B7%E4%B8%8A%E6%9D%89%E6%B0%8F
なんだか同世代にしかウケない感想で恐縮かも。


1月3日は昨年からの宣言通り、9時から「新選組!! 土方歳三最後の日」を見ておりました。
もう久しぶりに、ドラマの醍醐味に胸をつかれた感があり、堪能いたしました。

人生観がぶつかるのがドラマの醍醐味だと私はつねづね思っているのです。これって私にとっては、英国の第二次大戦モノの海洋小説の艦橋ドラマにも通じるポイントなのですけれども。
1月3日のドラマで最後に五稜郭に立て籠もった三人の指揮官、榎本、大鳥、土方も、それまで異なる人生を歩いて来て異なる人生哲学をもって生きてきたわけですが、最終的には一連託生で五稜郭に立て籠もることになって、その方針をめぐって対立することになるわけです。それはドラマの中では三人の丁々発止の掛け合いで表されるわけだけれども、あの会話(脚本の三谷氏いわくディスカッション・ドラマ)の中に、三人のそれぞれの人生が出てくるわけですよね。
新選組副長として、ある意味泥くさい血なまぐさい道を歩いてきた土方と、幕府のエリート艦長でオランダ留学もした西洋かぶれ(のように見える)榎本。
全く対照的な二人がぶつかって、でも最後には共通の目的にたどりつくまで…あぁぁドラマだわ(感涙)。
その詳細なんてとてもここには書けません。どうぞご覧になってください。明日7日にNHKBSで再放映があるそうです。

NHKBS2 1月7日(土)19:30〜21:00「新選組!! 土方歳三最後の日」

見どころというか、聴きどころについて一つだけ!
土方の人となりや人生については、おととしの大河ドラマを見ていらした方には自明のことだと思いますが、それに比べたら今回ちょっと分の悪い榎本武揚についてちょっとだけフォロー。
榎本は裕福とは言えない幕府御家人の子に生まれました。家の身分は幕臣としては決して高くはありません。今風に言えば政府に使える測量技師(国土地理院の技術者)の息子です。
最初は昌平坂学問所で漢学を学びましたが、黒船来航があって「これからは洋学だ!」ということになり、英語やオランダ語に切り替えました。
折しも幕府がオランダから海軍士官を招聘して長崎に海軍伝習所を開設したため、ここの伝習生になり、成績優秀であったため留学生としてオランダに渡りました。オランダで学んでいたのは造船学、艦船の運用など。
だから洋行帰りで西洋かぶれのように見えるんですけれども、でも彼の出発点は漢学を学んでいた御家人なんですよね。
べらんめえの土方に対し、榎本はぱりぱりと標準語で論を展開していきますが、よく聞いていると実は、途中でぼろっ、ぼろっと御家人言葉が出てきます。
御家人言葉というのは、勝海舟がしゃべってたので有名なあのちょっとべらんめぇ入った江戸侍言葉ですが、西洋気取りには似合わないちょっと泥臭い一種の方言みたいなものです。
土方にくってかかられて、それに答えているうちにぼろっとぼろっと榎本の語尾が標準語から崩れるんですよ。
それを見て、あぁこの人、西洋かぶれに見えても根は御家人なんだなぁと。幕臣の心意気みたいなものがあるんだなぁと、それが多分、天領(幕府直轄領)多摩の田舎侍の心意気…つまり近藤や土方が持っていた誇りや意地に通じるんだなぁと、なんだか嬉しかったです。

五稜郭降伏後、その罪を問われた榎本ですが、明治5年に許されて新政府に出仕することになります。
出仕先は北海道開拓使、彼は再び北海道に戻ることになります。そして彼を呼び戻したのは開拓使長官だった黒田清隆、あの時、五稜郭攻略軍の総指揮官だった人物で、ドラマの土方が首を狙っていた人物です。

榎本武揚について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A6%8E%E6%9C%AC%E6%AD%A6%E6%8F%9A

今年は年初から胸にどし〜んと来るドラマを見ることが出来て私は幸福です。
映画やドラマや小説や…今年も良い出会いがありますように。


2006年01月05日(木)
明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

12月31日の紅白真っ最中にダイアルアップ接続が復活しました。
ちょうど繋がった時だったので、小林幸子の衣装は見損ねました。
突然スターウォーズのテーマが流れて何事?と思ったT.M.Revolutionの途中からTVに戻りました。ダースベイダー(でも中身はヘイデンじゃないでしょう)がバックで踊ってました(!)が、冒頭時はまだPCに張り付いていたので、あれ登場は格好よかったのでしょうか?

とりあえずノートン先生は1時間半かかって最新版にしましたが、Windowsの更新まで手がまわってませんのでウィルスがこわい。
ネットはとりあえずここに書き込みだけしてささっと逃げます。皆様のサイトに伺うなどの本格復帰はいましばらくお待ちください。
メールは復活してますが、でもダイアルアップだから、添付ファイル付きはもうしばらくお待ちくださいね。


「今年、世間さまは6月のワールドカップなのでしょうが、私は2月の冬季五輪、そして3月公開予定の指輪物語」
4年前2002年の年賀状に、私はこのような「ひとこと」を書き添えていました。
今年も年賀状を書いていて、やはり同じフレーズになってしまうなぁと、今年は「指輪物語」が「ナルニア国物語」になりますが。

でもね、4年前にこの「ひとこと」を書いていた時には、まさかその後3年、LOTRがあんなことになるとは予想だにしなかったのですよ。
そして当時、NHKBSにお願いしていたこと、ホーンブロワーとシャープ、紅はこべの放映…は、この4年間に全て(シャープだけはケーブルTVでしたけど)実現したのでした。
あの年の2月に、LOTRの特集めあてに買った「PREMIER 4月号」で私はM&Cの映画化を知り、そしてネットでの情報捜しが始まった。
M&Cは映画化され、絶版かと思われたオブライアンの原作は出版社が移って続刊が翻訳され…、
私はこうしてブログを各様になって多くの皆さんとお知り合いになることができました。
そう考えると、4年間って本当に予想できない展開には十分の時間ですよね。

さてさて今年は、もうこれ以上のお願いは贅沢なのかもしれませんが、願わくば…「ホーンブロワー」のシリーズ続行を。
それから、できたらジェイミー・バンバーの「バトルスター・ギャラクティカ」シーズン1と、それからHOBの歴史ドラマ「ROME」をぜひぜひ日本でも放映していただきたいと思います。

個人的には拡大…というよりも、広がった世界をうまく落ち着かせていく年でしょうか?
ますます忙しくなる仕事と趣味とストレス解消の上手なコーディネートを何とかしたいと。
思いっきり遊びすぎて疲れてしまう私には、これがなかなか難しいのですが。
今年は(も?)マイペースで続けていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。


2006年01月01日(日)