umityanの日記
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2010年12月23日(木) とっちゃん坊や達の旅。国内編。(4)

あれよ、あれよと言う間に、クリスマス・イヴを迎えようとしている。だが、僕たちの旅は、まだ始まったばかりだ。目的地までは遠い。とりあえず、羽田で乗り換え。搭乗までに時間があったので、通路内の一角に設けられていたテーブルに腰掛け、ビールとつまみで、時間つぶしだ。そこへ我々の添乗員さんが通りかかった。「あら、いいわねえーーーー」と声を掛けられた。「一緒にどうですか?」と声を掛けたが、さすがにビジネスウーマンだ。まだ仕事中。飲んでいる場合ではなかっぺ。

僕たちはほろ酔い気分で、乗り換え便に搭乗した。さあ、いよいよだ。目的地の空港を目指して、飛行機は離陸した。日本海側の海岸線に沿って、機体は北上する。ただ、如何せん。国内線は、もう一つ緊張感がない。周りは日本人ばかりで、異国情緒と言う訳にはいかない。ネズミ男君に言わせれば、「つまんなあーーーい」と言うことになるか?。

まあ、それはそれとして、2時間ばかりのフライトで、事もなく飛行場へ着いた。新千歳空港だ。どこが新なのか分からなかったが、僕たちは行列を作って、先客の後ろに従って歩いた。ロビーの、とある場所で添乗員さんが、「2号車の方々はこちらです」と、叫んでいた。皆、集まった頃、「今からバスに乗り、途中を見学しながらホテルへ向かいます」という。おりしも、外は曇り空。北国とは言え、寒くはない。「こりゃああー、異常気象だぜ」と、のび太君が言う。マフラーも、手袋もいらなさそうだ。出番を待っているバーバリーが泣くぜ。

2号車のバスが、やってきた。あらかじめ、席が決められていた。僕たち若い者が、先陣をを切って良い席を狙って乗り込んだら不平不満がでると、気を利かしての席決めなんだろう。僕たちは後部よりの席だった。まあ、3人で4座席が使えたから幸いだ。

バスガイドさんがいた。まだ30過ぎぐらいの、チャーミングな女性だった。いざ、ガイドが始まると、うまいのなんのって。相当、勉強しているようだ。標準語でおもしろ、おかしく話す。皆、笑い転げることしばしば。バスガイドさんと言えば、大概、しゃべり方に共通点があるようだ。何かと言えば、話の最後の語尾が上がる。「こちらが○○でございまあああーーーーす↑」。その方が説得力があるのだろう。

僕たちは耳をガイドさんに、目は窓の外を見ていた。バスは町並みを抜けて山の方へ向かっていく。ガイドさんが言う。「皆様、今日はラッキーでしたね−。例年の今頃は雪も降り、寒いんですけど、こんなに暖かいのは珍しいですよ」と。ラッキーか?、アンラッキーか?分からないが、外は人も歩いていない、枝ばっかりになった白樺(既に紅葉は終わっていた)が道路の両端に並び、どこまでも続いている。道路は曲線ではなく一直線。すれ違う車も少ない。我々は一体どこに。向かっているのやら。札幌のような大都会とは違い、田舎の温泉地へ向かっているので、当然と言えば当然か?。

添乗員さんから説明があった。「今日はホテルへ直行して、7時から会食を行います」と。それもそうだろう。こんなに暗くちゃ、どこも見学出来そうにない。なんでも、午後4時を過ぎると、この地は早く暗くなるそうだ。要するに暮れるのが早いのだ。なるほどねーーーーー。暗くなるのは早くても良いが、ネオンさえ見えない。人もいない。これじゃあーー、まさに、暗黒の秘境だぜ。

車内で部屋の番号が渡された。まずはホテルで一風呂浴びて、最初の食事にありつくか。メニューはなんだべな?。


2010年12月19日(日) とっちゃん坊や達の旅。国内編。(3)

遅ればせながらの朝弁を食べ終わり、僕たちは一番最初に機体へ乗り込むぞと、早々と乗り込み口の前に並んだ。急がなくても席はちゃんと待っているのに、そそっかしいぜ。なんと、僕が一番先頭だ。

時間となりました。ゲートが開いて、チケットをかざして、我が席へと向かった。真ん中よりやや後方の席だった。僕たちは三人、横一列に座った。荷物はネズミ男君とジャイアンは機内持ち込み。なんと、のび太君はやや寸法がでかかったので、預け入れである。以前の旅行の時は良かったのに、今回は駄目とはこれ如何に?。なんでも、機内持ち込みの縦・横・高さの寸法が変わったらしい。のび太君はいかにも不服そう・・・。これは仕方がない。

機内は満席状態。ツアーの仲間達ばかりではなさそうだ。同じ2班の仲間が一緒にいるのだろうが、ほとんど会話を交わしていない。たとえ、同じ班であろうと、まだ他人。他人と会話を交わすのも勇気のいることだ。いずれは同じ穴のむじなかあーーーーと、笑い転げる状態になるのだろうが。まさに、旅は道連れ、世は情けである。

そんなことを考えていると、機体が動き出し滑走をはじめた。機内アナウンスがあり、締めたシートベルトを再確認だ。緊張の瞬間。僕は飛び立つ様子を映し出したテレビ画面に見入った。ネズミ男君が僕の顔をのぞき込み、ニヤニヤしている。憶病者の僕の様子がおかしかったのだろう。なんでも、ネズミ男君は過去、セスナ機に便乗し、危ない体験を何度も体験してきたそうな。なるほど、既に、度胸が据わっているわけだ。のび太君は「お構いなし」と言った表情で、平然としている。、

しばらくして、機体は水平飛行になった。やれたれだ。シートベルトのサインが消え、どこからともなく荷車の音が。「カラン・コロン、カラン・コロン」。四谷怪談だったか?。お岩さんが履いている下駄のごとき音が近づいてきた。機内サービスの時間かあーーー。すらりと背の伸びた美しいキャビンアテンダントさんが、1人1人の客に聞いている。「お茶になさいます?コーヒーになさいます?」。優しい声だった。それもそうだろう。お岩さんのような声だったら、飲み物も喉を通るまい。僕たちは皆、コーヒーを注文した。

機内での楽しみと言えば、雑誌を読むか、イヤホンで音楽を聞くか、窓の外の雲を眺めて、物思いにふけるか、隣の人間とだべるか、居眠りを決め込むしかない。とりもなおさず、居眠りが最高のようだ、睡眠は力なりである。

この機体は羽田空港まで行き、乗り換えとなる。乗り換えはいやだが仕方がない。ただ、無事なる旅を祈るだけだ。皆の気持ちも同じに違いない。




2010年12月18日(土) とっちゃん坊や達の旅。国内編。(2)

僕たちは集合場所へと急いだ。のび太君を先頭に、階段を上り二階へ。「ありゃ、どっちだべ?」としばらくうろうろ。苦しいときの、のび太頼り。のび太君はすかさず、集合場所が記載されているパンフレットで地点を確認。とある場所に人だまりの一陣が見えた。のび太君は中高年の夫婦ずれに、「○○ツアーの集合場所はここですか?」と尋ねる。「そうです」と返事が返ってきた。やれやれだぜ。

周りを見回すと30〜40人近く、人が集合していた。なんでも定員80名近くのツアーで、1班と2班に分けられていた。僕たちは2班だった。ようく見ると、中高年の老夫婦ばかり。若い男女はほとんどいない。あえて言えば我々が壮年ということか?。どうも好奇のまなざしで、見られてうたようだ。それもそうだろう。へんてこな、トッチャン坊やのごとき三人の男達は一体何者なのか?、「近寄りがたし」とでも思ったようだ。

そもそも、のび太君は黒の革ジャンバーに身を包み、首からはいかにも高級そうな?、いや実際、高級なカメラを首からぶら下げているし、また、ネズミ男君は、プロカメラマンが着るようなジャンパーに、さるスナックで、お客さんからほめられた野球帽子みたいなものをかぶり、のび太君に負けまいとカメラを首からぶら下げている。参ったぜ・・・・・。一方この僕、ジャイアンは、紳士風のハットをかぶり、高級そうな防寒着に、ズボンはジーパン、靴は革のロングシューズという出で立ちだ。自分では「決まっているぜ」といいたいところだが、人の目には変わり者と思われたに違いない。
なにはともあれ、お構いなしだ。

そうこうしていると、どこからともなく、一人の背の高いスリムな女性が登場した。手には名簿らしきものを持っている。添乗員さんだ。なかなかの美人。早速、名簿の確認が行われた。ツアー客の代表者名と人数が告げられていく。僕たちのリーダーはのび太君だ。「一行3名様。いらっしゃいますね」と言われ、すかさずのび太君が「はーーーい」と応えた。搭乗券らしきものが渡された。出発時刻までには少々時間があったが、とりあえず、荷物検査を受けて中へ入ることにした。

荷物検査では、このジャイアン、たびたび失敗しているので、「今回は一発クリアーでいこう」と、財布やら、小銭やら、ポケットの中身を全てかごに放り込み、にんまりとゲートくぐろうかと思ったが、なななんんと、搭乗券まで、かごの中へ放り込んだので、チケットの提示を求められたが見当たらない。「ありゃありゃーー」と後続を待たせること数分。のび太君が、後ろから、「あんた、かごにいれたんじゃないの」という。そうでした。恥ずかしい・・・・。まああ、そんな失敗はあったが、見事、ゲートを通過。

今回は、「タマタマ」まで、触られなくて良かったぜ。ほっと一息だ。搭乗までにはまだ時間があった、遅ればせながら、汽車弁風弁当を購入し、待合室で喰らった。旨いのやら旨くないのやら、複雑な味だ。一応お腹を満たし、ヘルシアをぐっと飲み干した。いよいよ、地上を飛び立ち、鳥のごとき遊泳をすることになる。怖いぜ・・・・・・。


2010年12月13日(月) とっちゃん坊や達の旅。国内編。(1)

僕たちは最前列に並んでいたので、即、車内へなだれ込む。こういう行動が、「おじん」と言われる所以なんだろうなあーーと、思った。車内は、案の上、混んでいた。三人一緒に座れる座席がない。仕方なく、ばらばらの席に陣取った。会話が出来ないのが残念だ。こんな時は狸寝入りが一番。腕組みをし、帽子を深々とかぶり、うなだれた。後の二人は、どうしているか分からない。恐らく、大事なカメラをせっせと手入れしているかもしれない。

確かに眠い。朝五時に起床したからだ。旅への興奮があったからというわけではない。寝過ごして友人達に迷惑を掛けてはいけないという感覚が働いたのだろう。うつらうつらしていると、「切符を拝見します」と、車掌さんがやってきた。難なくパスだ。外の風景を見た。明けゆく空に雲がぽつんと浮かんでいた。曇りながらまずまずの空模様だ。飛行機も順調に飛ぶだろう。

電車は二つばかり、途中停車した。降りる客有り、乗り込む客有り。人は様々だ。何かの目的を持って人は動く。何のつながりもない。共通なことと言えば互いに人間であることだ。不思議なるかな人間、奇妙なるかな人間。変なことを考えていた。電車はこともなく走っていく。しばらくすると、車内アナウンスが。「まもなくこの電車は終点、○○駅へ到着します。出口は右側のドアです」。親切なことだ、気の」短い僕は即、荷物を手に取り、出口のドアへ向かった。のび太君と、ネズミ男君も後ろにいた。気が早いのは皆、同じようだ。

さあ、これから地下鉄に乗り、空港へ向かう。およよよ、地下鉄乗り場はどこだっけ?。皆、右往左往していると、さすが紳士だ。のび太君が言う。「一端、改札口から外へ出なくちゃいけないんだよ」と。なるほど、そうなのか。僕は直結しているかと思ったがさにあらず。のび太君の後ろに従った。改札口をでると、外は雪だった。これは何かの小説にあったなあーーーー。外は雪ではなく、人、人、人・・・。

ところで、地下鉄乗り場は?と、あたりを見回すが、それらしきものなし。ネズミ男君曰く。「駅の外に、地下鉄用の階段があるぜ」と。確かにそうだった。三人寄れば文殊の知恵というが、まさに三つどもえの知恵の結集だ。物事に疎いジャイアンは、大助かり。

地下に続くエレベーターをなんどか下り、切符売り場で券をを購入。それから乗り場まで歩くこと数分。やけに遠い。年配の人には大変だ。ネズミ男君は、車輪の着いた旅行バッグをカタコト、ゴロゴロと引きずりながら歩く。これが結構耳障りなんだよなあーーー。「シトシトピッチャン、シトピッチャン」という雨だれにも似た音ならば、聞き心地もいいんだが?。車輪付きバッグも持たない僕のひがみかあ・・・・。

乗り場へ到着。待つこと数分。電車が音もなく滑り込んできた。乗り口以外の場所にはフェンスが施してある。なるほど、危険防止の配慮か。意外と空いていた。三人、横一列に座った。皆の目は遠くを見つめているようだった。それもそうだ。今から乗る飛行機への心配か、やり残してきた仕事の事がふっと、頭をよぎっているのだろう。旅立ちの初日には誰もが思うこと。
数分で飛行場へ到着する。朝食を食べる時間はなさそうだ。僕たちは即、集合場所へと急いだ。いかなる人達が集合しているのやら・・・・。







2010年12月12日(日) とっちゃん坊や達の旅。国内編。プロローグ。

一体、何時が経ったのだろう。僕は随分長く眠っていたようだ。というより、仕事と社交に明け暮れていたと言ったが、早いか?。それも、かっこよすぎるか。実は、はかどらない仕事にせっせと、汗を流していたというのが正しいだろう。もちろん、それなりに遊びはしたが・・・・。

僕たち、とっちゃん坊や達、三人の旅も11月にすでに終えた。
早く旅行記を書きたいと思っていたが、上記の理由で延び延びとなってしまった。とりあえず、今日は旅行記のプロローグを書いておくか。

今回の旅は国内旅行。メンバーは、のび太君、ネズミ男君、それにジャイアンの僕。三人旅となった。やはり、リーダーのドラえもん君と、夜泣き爺さんがいないと、ちょっと寂しい気がしたが、諸般の事情があるとのことで、ヤムを得ない。

当日は天気上々。最寄りの駅が集合場所となった。ネズミ男君は我が家に車を置き、一緒に駅までタクシーで行った。車内でネズミ男君から、バーバリーのマフラーをもらった。寒い地へ行くので、僕を気遣っての配慮だろう。泣けるぜ・・・。実は僕も、ネットで仕入れたど派手のマフラーを持参していたが、彼の心をおもんばかり、そのことは言わなかった。彼自身は、姪からプレゼントされたという、ウール100パーセントのマフラーを持参していた。「できるならそっちが欲しいなーあーー」と言うと、あっさりと拒否。さもありなん。

ねずみ男君の優しい気遣いを書いたが、それは彼ばかりではない。なんと、この僕、ジャイアンもネズミ男君へプレゼントを持ってきていたのだ。何かと言えば皮の手袋。僕は黒と茶、二つ持参していた。もちろん、一つはネズミ男君へやるためだ。上等そうな黒は、もち、僕専用。茶をネズミ男君へ差し出した。「おいら、黒がいいなーーー」と彼が言ったが、おあいこだぜ。

いやああ、こんな偶然があるとは実に驚きだ。それぞれに相手を思いやる気持ち、これが泣けるんだよなあーー。ふと、思い出した。恋人同士が、互いに一番大事にしているものを相手にあげたと言う話。確か女性はその美しい黒髪を恋人にあげたんだよなーーー。ところで、男は何を彼女にあげたんだったっけ。ありゃーー、思い出せない。そうそう、おじいさんからもらった、銀の時計だったっけ?。定かではない。僕なら「純粋な心」と言いたいところだが、これじゃーーー話にならないぜ。

駅に着いた。のび太君はまだのようだ。しばらく缶コーヒーを飲みながら待った。時間は十分ある。程なく、のび太君が到着。革ジャンに、首からいかにも高級そうなカメラをぶら下げていた。何を思ったか、ネズミ男君もバックの中から、今年買ったという、カメラを取りだし首にぶら下げるではないか。「やめてくれよ」と言いたかったが、デジカメしかもたない、ジャイアンは、「ぐっと」口をつむんだ。先が思いやられるぜ。

僕たちは、席を確保するため、早めにプラットホームに並ぶことにした。「さああ、切符を買おうぜ」ということになったが、久々に乗る電車。ピーチクパーチク言いながら、割引往復券を購入。「帰りも切符を使うから、なくさんように」と、僕はネズミ男君へ一言。「わかっとりますたい」と、彼は、口をへの字に。

さあ、いよいよ僕たちの旅が始まった。例によって、はちゃめちゃな旅となる予感が全身をよぎった。さすがに休日だ、人が多い。皆、どこへ行くのやら?。そう寒くもないが、若い女性達は首にマフラーをしている。うんんん、これもおしゃれか?。「バーバリーでも首に巻くか」と思ったが、さすがに止めた。折もよし、電車がホームへ滑り込んできた。

続きは後日に書こう。






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